…ということで「ゆらり散歩メヘレンの街角」(?)も終盤にさしかかってまいりました。
まずはこのような路地に入りこんでみるところから。
「Klein Begijnhof Bogaard」と看板が出ています。
ベギン会小修道院への道ということになりましょうかね。
ベギン会 のことはべルッへで修道院を訪ねたときに触れましたけれど、
女性のための扶助施設としてできたわけでして、路地裏に今でもその住宅が並んでいます。
メヘレンには大修道院と小修道院があり、こちらは小さい方。
先にできたのは小さい方で1256年、まさにこの場所に住み始めたのが最初だとか。
今でもベギン会として使っているようです。
いい感じの中庭もあって…と思っているうちに、どうやら敷地を通り抜けてしまったようです。
ブルッヘのベギン会が敷地の周囲に壁を巡らせているとは違って、
こちらは外との行き来も自由な、オープンな空間となっていることでありましょうね。
いつのまにか、かような巨大遊具で親子が遊ぶ公園に出てしまいましたし。
そうそう、遊具といえば大聖堂
裏の公園にもこんなのがありましたっけ。
あの「不実な夫 」を踏みつけにできる遊具ですなあ。
と、遊具の話はともかく、少しずつメヘレン駅へと戻る道に向かっていきますけれど、
往路とは別の道をたどってマルクト広場を離れると、古い建物が目にとまりました。
かつてメヘレン市の市参事会員だった人の住まいということです。
元は13世紀のものといわれる建物を14世紀後半にゴシック風に拡張してあるという。
15世紀後半から17世紀初めにかけては、ネーデルラント地方の最高裁判所として
使われていたとなりますと、なかなかの由緒でありますなあ。
繁華な道をもそっとくだっていきますと運河に出ます。
そこに立ち並ぶのはおそらく商館ではなかろうかと思うところですが、これも古そうですね。
右側のバロック風は17世紀の建築であるそうな。
あちらこちらの古そうな建物に目をやりながら進んで行きましたところ、
正面にどんととうせんぼする建物が出現したのですね。
これがかつてメヘレンを囲っていた市壁に設けられた門のひとつ。
ブリュッセル方向への出入り口であるところから「ブリュッセル門(Brusselpoort)」と言われとります。
それにしても、門の内側にあたる旧市街に比べ、
門の外側の空間、道路や建物の並びの広いこと。差は歴然ですなあ。
それほどに人の暮らしのサイズが変わったということでもありましょうかね。
と、この後はこの門から広い道路(街歩きとしてはさほど楽しくない…)をたどってメヘレン駅へ。列車でブリュッセルに戻り、「Belgian Beer Weekend 」再びと目論んでいたわけですが、
そこで思い出したことをひとつ。
メヘレンにも地元にヘット・アンケル醸造所という有名ブルワリーがありまして、
来たからには立ち寄るつもりも日曜でやっぱりお休み。
せめてその味をとマルクト広場でちとビール休憩をしたときに飲んだのがこちらでして。
ブランド名は「Gouden Carolus」。
「黄金のカルロス」とはいかにも神聖ローマ皇帝カール5世の、
養育の地であるメヘレンに相応しい名でもあろうかと。
歩き疲れた体に、この冷たい「黄金のカルロス」は至福の一杯となったのでありました。