2006年だったと思いますが、

ニューヨークに出かけてブロードウェイ・ミュージカルを見まくってきたことがありました。

当時、最新作とまでは言えないもののまだ新作として人気だったのが「ジャージー・ボーイズ」で、

もっぱらタイムズスクエアの「TKTS」で買う安売りチケットで見ようとしている者には

手の出せない演目であったかと思います。


ですが、ブロードウェイでのヒット作がその後世界中でのロングランとなるとは

必ずしも言えないような。「ジャージャー・ボーイズ」もそうですけれど、

至ってアメリカ的な要素でもってアメリカで人気があるというのが

絶対的に全世界共通ではないわけで。


とまれ、ブロードウェイで舞台を見逃して、その後にはいかにもアメリカ的なるものが得意な?

クリント・イーストウッド によって映画化されたものも見ないままになっていたですが、

CSで放送されていたものですから録画おき、このほどの寝込みに乗じて見たのでありました。


ジャージー・ボーイズ [DVD]/クリストファー・ウォーケン


「フォーシーズンズ」という言葉を聞くと真っ先にホテルを思い浮かべる方ですけれど、

「フォー・シーズンズ」というグループ名、そしてメインヴォーカルのフランキー・ヴァリの名は

さすがに聞き覚えがあるところかと。


1950年代から60年代にかけて大人気であったこのグループの、

メンバーが集まり、そして散っていく(けれど皆、根っこはニュージャージーにあるね)というお話。


それにしても、ファルセットの高い高い歌声で知られる「シェリー」という曲は

フォー・シーズンズのヒット曲だったのですなあ。

そして、てっきりベイシティローラーズのデビュー曲で

彼らのための曲だとばかり思っていた「バイ・バイ・ベイビー」も

フォー・シーズンズのカバーだったとは。


Youtubeで今、フォー・シーズンズ版と知らずに聴いたら

単純に「ああ、ベイシティローラーズだ」と思ってしまうでしょうなあ。

始まりのところなんぞもまんまですものね。


さらには「君の瞳に恋してる」。

おそらくはボーイズ・タウン・ギャングのアレンジが最も知られていましょうけれど、

これも(フォー・シーズンズではないですが、そのソロ・ヴォーカルの)フランキ-・ヴァリのために

書かれたものがオリジナルだそうでありますよ。


最初、フランキー・ヴァリがヴォーカルとしてグループに加わるにあたって、

「こいつの声は天からの授かりもの」といった感じではなから賞賛されていたですが、

そのファルセットによる高音の歌声は、ある意味、古い音楽だなあというのが第一印象。


ではありますが、映画の進行につれてさまざまな曲を聴いて行くにつれ、

確かにスタイルは古いにせよ、素敵な音楽であることは時代を経ても変わらない、

要するにこういう曲が「エバーグリーン」なのだろうなあとしみじみ思った次第。


筋としてはいわゆるアメリカンドリームを追った若者たちの物語で

やはりアメリカでの地元受けはなるほどと思ったりしたところながら、

音楽は国境を越えるものですなあ、月並みな言い方ではありますが。


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