かつてはよく「年寄りの冷や水」なんつう言葉を耳にしましたけれど、
とんと気かなくなった昨今ではありますですね。
これは、昔だったら「年寄り」と呼ばれて自覚的にもなっていた年齢層が
「年寄り?誰のこと?」と自意識として想定外ということになってきているからでもありましょうか。
それだけに元気漲るようすは映画などでもよく取り扱われるわけでして、
ほどなく公開されるらしい「ジーサンズ」てな映画も(内容はさっぱり知りませんですが)
さぞや高齢者大活躍のお話なのでありましょう。
まあ、こうしたことは最近始まった話ではありませんね。
たまたまにもせよ、「スペース・カウボーイ」なる2000年の映画を見てみれば、
あたかも「ジーサンズ 宇宙へ行く」てなものであったのですし。
先にも両親のことに触れて、PCに難儀していたりするあたりを記したことがありますけれど、
次々と出てくる機械やらにはなかなか年齢の高い層には扱いにくいところでありましょう。
一般的に言って。
ですが、逆もあるのですなあ。
何やらレトロな機械みたいなものが押入れの奥から出てきたけれど、使い方が分からない。
「おじいちゃん、おばあちゃん、これ、なんだか分かる?どう動かすの?」てなものですな。
やがてはカセットテープなどもそんなことになっていくのかもしれません。
ところで映画ではロシアが昔打ち上げた通信衛星の誘導装置が故障し、
地球に落下を始めてしまったものの、あまりに古い装置だもので今の技術者には直せない。
そこで装置の開発者たる老フランク(クリント・イーストウッド )に協力を依頼…と始まります。
当初、NASAではフランクに技術面の情報を若い宇宙飛行士に伝えてもらい、
スペースシャトルを飛ばして宇宙空間で修理させることを考えますが、フランクの思いは別。
自らがチームを率いてスペースシャトルで飛び、修理するというのですなあ。
40年ほど前にあったダイダロス計画(実際にはマーキュリー計画か?)で
宇宙へ飛び出すはずだったフランクにはようやく巡ってきた機会というわけで、
当時のチームであるホーク(トミー・リー・ジョーンズ)、ジェリー(ドナルド・サザーランド)、
タンク(ジェームズ・ガーナー)に声を掛け、チーム4人はやる気まんまんに。
じいさん4人が訓練施設でへろへろになりつつ、宇宙への夢を捨てないようすは
まさに「年寄りの冷や水」的ではあるのですが、こうしたことの陰にあるあれやこれやが
だんだんと明らかになっていき…と、工夫された話にはなっていましたですね。
まあ、宇宙に行こうとまでの野望は抱きませんけれど、
だんだんと自らに「冷や水!」との声が掛けられるようにもなってくる中、
「まだまだ」との思いが長生きの秘訣でもあるのだろうなあと思ったりするのでありますよ。
というところで(つながりなく藪から棒ですが)、宇宙よりは格段に近い高知へと
週末の出張に行ってまいりますので、ちょいと無沙汰をいたします。