ベルギー、フランデレン地方北西の端っこあたり、シント・イデスバルト にやってきて、
ポール・デルヴォー美術館 を十二分に堪能した後は海岸近くに戻って遅めの、
そして軽めの(何せ前の晩のストーフフレース がこたえており…)昼食ということに。
ご覧のとおりの「omlette」、要するにオムレツですけれど、
名物とまではいわずとも、先に食したクロケット(コロッケ)と同様に
ちょいと小腹がというときに重宝されている存在ではあるようですね。
と、ほどほどにおなか満たしたところで、再びトラムに乗ってオステンドへと戻ります。
1時間強のトラムの旅は楽しくも、長い…。
あこれはトラム車内の停留所案内図なんですが、
路線が長すぎて全体像を示すにはこんなに小さくなってしまいました。
何とか右端に「Oostende(オステンド)」とあるのが見えましょうか。
シント・イデスバルトは左端の方です。
停留所の数としてはさほどでもないように見えますが、市街地ではこまめに停まり、
町はずれでは長らく停まらないということの繰り返しで、1時間ちょっとということになるのですね。
とまれ、ベルギー国鉄と接続しているオステンドに戻ってきました。
もう駅前にすぐにこのようなふうとおは、いかにも港町ではありませんか。
と、そんなオステンド駅前からほど近いところに、
二本の尖塔を空に突き出したなかなか立派な教会が建っているのでありますよ。
ゴシック・リバイバル
のこの威容は、
様式発祥の地であるイギリスを思い出させるようでもありますね。
何度も言うようですが、オステンドから北海を隔てた向こうはイギリス。
その近しさを感じるところでもあろうかと。
ところでこの教会は、タイトルにも記したとおりに「Sint-Petrus-en-Pauluskerk」と言いますが、
英語にしてみますと「St.Peter and Paul church」となるわけで、
日本語に直訳すれば「聖ペトロとパウロ教会」となりますか。
確かにガイドブックにもそんな表記を見かけますけれど、
途中に「と」という接続詞を入れるのが個人的にはどうもおさまり悪く思われて、
敢えて原語のフランデレン語で記した次第。ま、ほかに理由はありません。
中に足を踏み入れてみますと、いやあステンドグラスが素晴らしい。
バラ窓の方もなかなかです。
と、この建物がゴシック・リバイバルだと申しましたですが、
ということはさほど古いものではないのだねということになろうかと。
19世紀末に火災で焼け落ち(木造でもないのに、ヨーロッパにもよく大火がありますねえ)
20世紀初頭に今の姿で建て直されたのだそうな。
設計者はルイ・デラサンセリ。「世界で最も美しい駅」とも言われる、
あのアントウェルペン中央駅を造った建築家でありますなあ。
ちなみにブルッヘ出身のようです。
ですが、教会の裏手に焼失前の姿をとどめておるものがあるということで
周り込もうとしますと、すぐさま見えてくるほどにこれまた大きな建物ではありませんか。
手前の教会と外壁の色が異なるのは火事の煽りを受けたせいなのか、長い歴史の故なのか。なんでもこの聖ペテロの塔は礎石部分に1478年のものがあるといいますから。
従来は中が博物館になっていたということですが、
ぐるり一周した限りでは今はそのようすもなく。
なんとなくロケットにも見える、そのどっしりとした建物の存在感をひたすら感じるばかり。
と、オステンドのランドマークを眺めやった後は、
この町での(個人的な思いとしての)メインスポットへと向かうのでありました。