鬼無里 でおやきをつまんだ後は、国道406号でもって白馬へとひた走る…といったふうでしたが、
その道筋はこんな具合でありまして。
これだけ小さくても小刻みな道の震えが見てとれましょう。
もっと難儀な道は数多あれども、まあ決して走りやすい道ではなかったということでして。
で、この国道406号、鬼無里街道でいったん南下しきって折り返し北上したあたりに
色の異なる部分(トンネルに相当しているのかと)が見えましょうか。
それまでは見晴らしの一切きかない山間を通り抜けていたものですから、
このトンネルを抜け出た一瞬には「わお!」と歓声が上がったのでありますよ。
トンネル出口のすぐ左手にいかにもな感じで駐車スペースがあったものですから、車を降りる。
後に入手した観光地図によれば「白沢峠 白馬三山の眺めが最高のフォトスポット」とあって、
その展望が眼前に広がったわけでありますなあ。
先に立ち寄った「アルプス展望広場」での天候からしてこの程度でも喜んだということですが、
少なくとも距離的に近付いた分、山腹の岩肌が見えただけでも盛り上がるのでありますよ。
ところで、最前抜け出た白沢峠のトンネルですが、
どうやら「白沢洞門」と名付けられているようなのですなあ。
これまでの理解では、山肌に沿って道路などが通る際に
落石防止などのために遮蔽されているものの谷側は柱だけで外が見えており、
完全に覆いかぶさっていないものと思っていたですが、白沢洞門はこのような。
どう見ても完全に外の見えないトンネル状態。
つまりは「洞門」というよりも「隧道」なのではないかと思ったのでありますよ。
ただ、後からまたハタと気付いたことには、
山腹などを穿って新たに道を通したところが「隧道」で、
もともとあった道に遮蔽を施した(外が見えるか見えないかに関わらず)のが「洞門」という
整理でいいのかなと。あっているのかどうかはわかりませんが…。
ちなみにこの白沢洞門、全く先が見通せないほどに長いのかというと、さにあらず。
内部でカーブしているのでまっくらけなのですね。
で、このカーブしていることがなおのこと反響を促すことになるのか、
入口前で普通に会話しただけで、その会話がこだましていくのがよおく聞き取れるという。
こんなことに気付いてしまった一行はそれぞれに洞門内に向かって、
「わぁお!」だの「やっほー!」だの「へいへいほー!」だとの叫んでははしゃぐという
子供のような一幕が展開したのでありました。
白馬三山の眺望がきくということからして、山に向かって「やっほー」ならば
普通の行動ですけれど(もっとも山は遠すぎてこだまが返ることはないでしょうが)、
大の大人がそろって洞門に向かって叫ぶようすはちと尋常でないような…。
向こう側から洞門に入ってくる車があったら、
なにやらトンネル内に叫び声が聞こえる…と怪しまれたかも。
もっともそれが全くの杞憂なくらいに車どおりがないものですから、
洞内に向かって叫んではしゃいでいても何の心配もいらなかったのですけれど。
と、あれこれ寄り道しとりますが、
この峠越えでいよいよ白馬村に入ったのでありますよ。