ということで、マウルブロン修道院 への少々の遠出からカールスルーエ中央駅に戻ってきました。


カールスルーエ中央駅


その日の残りと翌日にフランクフルト空港 に向かうまでの間という限られた時間を使って
カールスルーエを見てやろう!とまあ、そういうわけなのですね。
まずは差し当たり駅の向かいにあるインフォメーションで
観光用に便利な「カールスルーエ・カード」の24時間用を購入したのでありますよ。


カールスルーエ・カード24


歩いて廻れないほどではないとは思うも、残り時間を有効活用すべく
トラム乗り降り自由を手に入れたということになりますか。
(もちろん美術館への入場無料も付いてきますけれど)


と、これもインフォメーションで頂戴したトラムの路線図で番号に狙いを定め、
そそくさと乗り込んだはいいのですが、どうも路線図のとおりには走っておらないような…。


町中の中心あたりが結構大きな工事をしているようで、

その影響なのかどうかも短い滞在時間では判然としませんでしたけれど、

ものによってトラムが路線図どおりに走らない点は結構難儀させられましたですよ。


とまれ、何とか町の中心と思しきマルクト広場に到着。
カールスルーエという地名はカールの休息場所てな意味ですけれど、
このカールというのはバーデン=ドゥルラハ辺境伯カール3世ヴィルヘルム(1679-1738)のことで、
元はドゥルラハにあった宮廷をカールスルーエに移した人なのだそうです。


今でこそドゥルラハはカールスルーエの郊外と見られましょうけれど、
歴史的にはカール3世ヴィルヘルムがドゥルラハの郊外に新しい都市を築くことにした。
1715年のことだそうです。ですからカールスルーエとの呼び名は後付けなのでしょうね。


で、マルクト広場にやって来ましたのは広場の中にピラミッドが置かれ、
(といっても、エジプトにあるもののような大きさではないようですが)
その地下にはかのカール3世ヴィルヘルムが眠っている(つまりはお墓)ということでしたので、
まずは町を拓いた領主様にご挨拶と思ったわけです(ま、町の中心だから行っただけですが…)。


ところがところが、先にトラムも工事で運行ルートが変調を来たしている(?)と言いましたが、
まさにマルクト広場そのもので大規模工事が展開中、ピラミッドも何もあったものではないですな。


マルクト広場@カールスルーエは工事中


何でも地下鉄工事であるらしいと小耳に挟みましたけれど、そもカールスルーエのトラムは
日本でも路面電車の効用の見直し話で引き合いに出されたりする存在ではなかったかと。
そうしたトラムの本拠では、こちらはこちらで別の見直しがなされているのですなあ、う~む。


そもカールスルーエの町はマンハイム のように都市計画に基づいて作られた町ですけれど、
今見る姿は建築家フリードリヒ・ヴァインブレンナー(1766-1826)の設計によるそうな。
マルクト広場に面した市庁舎のロビーにはヴァインブレンナーによる都市計画図と
建築に関わった建物を一枚に描いた資料が展示されておりましたですよ。


ヴァインブレンナーによる都市計画図


円の中央に置かれた宮殿から放射状に道が広がっていますが、
円形道路の外周のすぐ下側を大きな通りが左右に貫いており、
その真ん中にあるマルクト広場が宮殿と向かい合っている…てな感じ。
ドイツの町にしては相当に整然としておりますですね。


そうした町のそこここにヴァインブレンナーが手掛けた建物があるのでして、
宮殿は後の訪ねるとして、上の工事中の写真の右手に見えるローマ神殿のような建物も
ヴァインブレンナーによるプロテスタント教会ということで。


何でもヴァインブレンナーは古代建築に大きな関心を抱いていたようですので、
こうした概観を呈しているのでしょうけれど、ヴァインブレンナー作品でもうひとつ、
特徴的と思われるのがマルクト広場から程近くにある聖シュテファン教会でもあろうかと。


聖シュテファン教会@カールスルーエ


木立の向こうに見える大きな丸屋根、何でもローマのパンテオン を模したとのこと。
さっそく中に入ってみます。


聖シュテファン教会の堂内


装飾を抑えたといえば、直前に見たマウルブロンの礼拝堂を思い出すところながら、
こちらの造りはかなり斬新な印象ではないでしょうか。
そうした空間を支える大屋根の中央から光が降り注ぐ演出はなかなかのものです。


大きな丸屋根の中央から光が降り注ぐ


今回は時間がありませんでしたけれど、フリードリヒ・ヴァインブレンナーの建物を
カールスルーエで訪ね歩くというのも面白いかもしれんなと思ったものでありますよ。


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