ちょいとばかり時間を巻き戻して、高崎での晩飯のお話。
何かしらそれらしいものを食したいと考えておりましたところ、
そんな折に出くわしたのが「群馬の台所」というお店でありました。


群馬の台所


高崎限定ではないながら、群馬の食材をあれこれ取り混ぜて食せると予想されるわけですね。
ですが、よくみれば看板には「おぎのや」とも書いてあるのでして、
要するに信越本線横川駅の駅弁として超有名な「峠の釜めし」を作っているおぎのやの
直営店なのでありました。


いわゆる「峠の釜めし」を単品の駅弁としてではなく、
副菜も添えられてお店で食するという稀有な?体験ができるのでありますよ。
峠の釜めし「天ぷら」御膳というもの(実は一番安い)をオーダーしてみました。


峠の釜めし「天ぷら」御膳


天ぷらはもとより、味噌汁、サラダ、小鉢と付いてくるのが賑々しい。
漬物が駅弁用のプラケースに入って出てくるのは御愛嬌ですなあ。


実は「峠の釜めし」を食するときにいつも困るのが、あんずの存在なのですね。
個人的にこのあんずはいわばデザート的な位置づけと受け止めておるものですから、
最後に食するのを良しとするところながら、一番上にぽんと置かれているため、
食べている間の置き場に困ると申しましょうか(どうでもいいことですが…)。


と同時に温かい状態で駅弁を買うと当然にしてあんずも温まってしまってますが、
どうもこれが許しがたく、今回のように蓋がされておりませんと妙な温まりもなく、有難いなと。


ちなみにこの機会に「峠の釜めし」にトッピングされた食材を列記してみましょう。
椎茸、筍、鶏肉、うずらの卵、栗、ごぼう、グリーンピース、紅生姜、そして杏子です。


さして気に掛けるでなくわしわし食べておりましたが、これだけ乗っておりますと、
ひと口ごとに味わいが異なるてなことになるわけで、これも人気の秘密でしょうか。


と、期せずして「峠の釜めし」を再評価することになったのですけれど、
実のところ、高崎には高崎独自に「だるま弁当」という駅弁の雄がありまして、
いつもは「峠の釜めし」よりも「だるま弁当」に軍配を挙げたいと個人的には思っている次第。
黙っていても人気のある「峠の釜めし」に対する「だるま弁当」に

判官贔屓しているところもありますが。


ということですので、今度は帰りの電車に乗り込む直前に
「だるま弁当」を購っておいたのですよ。帰宅してからの晩飯として。


旧新橋停車場鉄道歴史展示室 でちょいと前にあった企画展「駅弁むかし物語」 では
古くは「だるま弁当」の容器も陶器製であったことが知れましたけれど、
今ではすっかりプラスチックで定着しておりますね。


おそらく「峠の釜めし」を食した後の釜でご飯を炊く人はごく僅かであろうと思うと同様に
「だるま弁当」のプラ容器もさも貯金箱的に使えそうでありながらそう使う人はいないでしょうな。
そんな実に刹那的容器ではありながら、やはり陶製の釜に対してプラ容器はいかにも安っぽいのか
そうした点でも「だるま弁当」は分が悪い気がしないでもない。


それはともかく「だるま弁当」の方の食材も列記してみるとしましょう。
山菜、穂先竹の子、椎茸、鶏肉、花豆、黒こんにゃく、赤こんにゃく、栗、山くらげ、山ごぼうと、
こちらもなかなか豊富なラインナップでありますな。


だるま弁当


こうして書き出してみるまで、どれほど違いがあるものか(さして違わないのではないか)…とも
思っていましたですが、思った以上に違いがありましたですね。
こんにゃくがいかにも群馬な感じを醸している気がします。


なるほど「だるま弁当」は手堅いおいしさで満足、満足。
いつもはそれでこちらに軍配を挙げるところなわけですが、
こたびは少々特殊な状況がありましたですね。


駅弁対決というにはちと異質ながら、

店で食した「峠の釜めし」は事のほか旨かったのでありますよ。
そこで駅弁対決を画した自らがいささか驚きつつも、今回ばかりは
「峠の釜めし」に勝ち名乗りを与えたいと思うのでありました。


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