ラーツケラー でニシンを食した話をしましたついでですけれど、
いったい北ドイツでは何を食して生きておったのかということであります。


そのときにも触れましたように、
とにもかくにもどかんと量の多いものが出て来てしまうのが欧米流ですので、
だいたい旅の始め頃は様子見もあって、あまり店に入って食べるということもなく、
買い食いみたいなふうで済ませてしまうんですが、一度店に入るとはずみがつく
てなことはありますですね。


ですので、ラーツケラーに入った翌日、リューベックの街なかを歩きまわっている途中では
聖霊病院とベーンハウス の間くらいにあるカルトッフェル・ケラーという店で昼食を。


カルトッフェル・ケラー@リューベック


カルトッフェル(Kartoffel)とは、ドイツ語でじゃがいものこと。
この後、店に入るたびにじゃがいもに出くわすのはいかにもドイツでありますけれど、
まあ、それもお国がらということで。


カルトッフェル・ケラー店内

先ほどの店構えからは妙に暗い店内ですが、それもそのはず、ここもまた地下に潜るもので。
で、基本的にはポテト・グラタンがメインで、そこにどんな具が入るかが異なるくらい。
ここではサーモン入りのポテト・グラタンをオーダーしました。


サーモン入りポテトグラタン


写真では分かりにくいかもですが、これもまた量が多いのですよね。てんこ盛り風です。
うまいんですけれど、飽きてもくるし、胴廻りは苦しくなるし…。


てなふうに、食の話もこの後は織り交ぜてまいりますですが、
差し当たり市庁舎を眺めやった続きから話を進めていこうかと。


先に訪ねた聖マリーエン教会 も塔に登って眺望を得られるところでしたけれど、
その時はまだどんより雲に覆われた空模様。


それが市庁舎のところではからっと晴れ渡ってしまった…となると、
今なら見晴らしもよかろうと、聖ペトリ教会へと足を向けたのでありました。


近くまで行ってしまうと、どんな外観か分からないですので
(聖マリーエン教会がまさにそうであって、ですので外観の写真がなかったわけです)
これはその後に川向うから撮った聖ペトリ教会の塔であります。


トラヴェ河岸から見上げる聖ペトリ教会


ここは(シュヴェリン大聖堂 と違って)有難いことにエレベータですいっと上がれる。
得られた眺望はこのようなふうでありますよ。


聖ペトリ教会の塔から望む聖マリーエン教会


近くではどんな建物か分からなくなってしまっていた
聖マリーエン教会の2本尖塔が間近に見える位置。
大きな教会だけに、フライング・バットレスをこんなにも組んであったのですなあ。
奥にもう一本飛び出している尖塔は、たぶん聖ヤコビ教会ですね。


と、リューベックには「バルト海の女王」などというロマンティックな別名もありますが、
それとは別に「七つの塔の町」とも言われるそうな。


聖ペトリ教会から望むリューベック大聖堂


聖マリーエンが2本、聖ヤコビで1本、眺めているその場の聖ペトリで1本、
そして上の写真の大聖堂がこれまた2本と、唯一行かなかった聖エギーディエン教会が1本で、
計7本の塔が聳えているという。


聖ペトリ教会から見下ろすホルステン門

聖ペトリ教会から見下ろすリューベック市庁舎


そんな教会の巨大な塔に比べると、ホルステン門 も市庁舎も小さなものでありますね。
その市庁舎では前の広場にイベントのテントが林立していて見逃していたですが、
こうして上から見下ろすと、「ああ、あそこだったんだね」というものが。


リューベック市庁舎前広場の東屋、実は罪人の晒し台


拡大してみると、こんな感じ。
東屋風の建物が見えると思いますが、これは罪人を罰する際の晒し台だったそうな。
これもまた、中世の光と影の、影の部分になりましょうか。
もっともリューベックにだけにあるものではないでしょうけれど。


しかしまあ、近景から遠くに目を移してみると、教会の塔以外に高い建物は無く、
そして山や丘の類いも全く無い、実に実に平坦な土地だなぁと思いましたですね。


方向的に眺めやった先にはバルト海があるはずですが、
海に至るまでずうっとこんな平らな土地なのでしょうね。しみじみ…。


平坦な土地の続く北ドイツ