で、やおら北ドイツ紀行に戻りましたですが、
シュヴェリン をひと回りした翌日のお話。
この日もリューベックから南下した辺りで、
リューベックと同じシュレスヴィヒ・ヒルシュタイン州内にあるメルンに出かけたのでありますよ。
リューベックに連泊しているのにちいともリューベックの話にならない…。
まあ、いま少しお待ちくださいまし。
出かけたといっても列車で30分あまり、新宿から立川へ行ってきたようなものですから。
しかしながら、例によってこの30分余の移動は大きいのでして、
立川に比しては立川に申し訳が立たないくらいに小さな町。
ですが、とてもとてもいい街でありましたですよ。
ちなみに駅で乗車券の自動販売機を操作していると、
同じメルンでも「Mölln(Lauenb)」と「Mölln(Meckl)」と二つの駅が出てきますので、ご注意を。
ここでのメルンは前者ですけれど、後者はノイブランデンブルクの方でかなり東に遠く離れたところです。
も一つ券売機のことですが、リューベックからメルンまでの乗車券を買おうとして
操作パネルとの一問一答で手順を進めていくときに、
何せ30分ほどですから「ICEに乗らないチケット」を選びますと
(その方が安いですし、元々ICEが走る路線なのですかね…)
「そんじゃあ、バス利用ですね」みたいな質問になってくる。
「違うんだよなぁ」と思って、改めて操作しても同じところに行き着くものですから、
「まあ、バスと同じ運賃なんだろう」と結局その切符を買ったわけなのですね。
確かにリューベック~メルン間はバスも走っていますけれど、
途中で乗り換えになる可能性もあり、また直通でも列車の倍以上時間が掛かることになります。
行きと帰りで違う眺めを楽しむにはいいかもですが、今回は往復ともに列車にしました。
とまれ、このような「?」に戸惑うというのも、外国への旅なのだなと思ったりしたところでありますよ。
と、話を元に戻してメルンの街でありますが、
リューベックから乗った列車が満杯状態に混んでいて、
「こりゃあ、時季的にみんなリューネブルクに行くのだな」と思っていると、
想像以上にメルンで下車した人が多いのにびっくり。
その人たちがぞろぞろと旧市街の方へ歩き出すものですから、
たばこを一服して集団を先に行かせてから出立しましたが(後で追い越しちゃったですが)、
気付いてみれば「Altstadtfest」というお祭り(旧市街祭りとでも言いますか)をやっているようす。
いずこもお祭りとなると、隣近所の町々から人が集ってきたりするのでしょう。
ただし、時間が早いので賑わいはまだまだ後のことと思われます。
お祭りの気になりますが、旅の者としては正面に見える塔のあたりを目指して先へ先へと。
そうこうしているうちに先ほどの塔が見下ろす旧市街の中心、マルクト広場にたどり着いたですが、
いやはやこれほどに狭い「広場(?)」は初めてでありますよ。
祭りのテントなんかが立っているのでなおのことです。
で、この目の前に建っている博物館がこの日のお目当てのひとつだったんですが、なんとまあ開館前。
曜日によって開館時間にかなり変動があるのは、ドイツの博物館・美術館にはよくあることなので、
事前にそれこそ入念に確認を怠らないでいたつもりだったですが、致し方なし。
何となく雰囲気も良しということで、メルンをぶらりと廻ってみることにしたですよ。
先ほどのマルクト広場に面した建物が博物館だからということで、
木組み煉瓦造りのそれらしい雰囲気にしてあるというのではなくして、旧市街はどこもそんなふう。
狭い石畳道が迷路風にあったりするのも、結構楽しいものでありまして。
ではありますが、マルクト広場からして「マルクト狭場」なのですから、
メルンの街は本当に小さいもので、あっというまに町の外れに到達してしまうのですね。
そして、その「端」をなすものが、ここでもやはり湖でありました。
ここでもというのは、シュヴェリンのあたりは森と湖の町と言ったですが、
行政の区域が異なろうと地続きのエリア的にみれば似ているのでしょう、
メルンも(町外れに湖と言いましたが、実は)湖に囲まれた町なのですね。
ですが、シュヴェリンに比べて相当にこぢんまりした街である分、
水辺と人の近さも身近に繋がっておりますですね。
桟橋の先に、プールに降りような階段が付いてましたので、
こりゃ、アイノラ(ヘルシンキ近郊、シベリウスの終の棲家のあったところ)で見たのと同じで、
湖畔にサウナハウスがあって、あったまったら湖にざぶん!で、上がってくるための階段か…
とも思ったですが、自家用ボート向けの桟橋でしょうかね、きっと。
しかしまあ、全くもって静かな湖畔の水辺に佇んでおりますと、
なんともまったりしてしまいますですねえ。
思わず、ぷかりと一服!これが実に清々しい。
あ、もちろん携帯用灰皿持参で動いておりますですよ。
…というところで、博物館を覗きに行くとしましょかね。







