ザ・トレジャーガーデン館林
で目もあやな花々の彩りに取り巻かれた余韻を残しつつ、
茂林寺前駅
へ戻って移動に掛かることに。
両毛ガーデン紀行のタイトルに適う「もうひとつの行きたい場所」があるとは
先に書きましたけれど、これが何を隠そう「あしかがフラワーパーク」でありまして、
茂林寺前からなら東武伊勢崎線で足利市駅へ出て、無料シャトルバスというのが
てっとり早いアクセスかと。
ではありますが、足利巡り
は昨秋のこと、まだまだ記憶に新しいところとあっては
やはり別の方向を探ることにしたのですね。
ということで、向かうのは栃木県は佐野市、
茂林寺前駅のお隣、館林駅で東武伊勢崎線から東武佐野線に乗り換え、
途中、渡良瀬川を越したところで群馬県から栃木県に入るというわけです。
佐野からでしたら、JR両毛線でひとつ足利寄りの富田駅で下車し、
フラワーパークまでは徒歩13分ということですので、
まあ、今回は佐野でよかろうということに。
とはいえ、足利であれば観光要素として思い浮かぶものがありますが、
佐野で思い出すのはラーメンくらい、まさにふらりと旅する感じの寅さん気分に
なりましたですね。
と言いますのも、茂林寺前駅からの移動に予め調べておいた時間よりも
多少早めに動くことになって、列車の本数が都心に比べて格段に少ないことは承知しつつも、
館林での佐野線乗り継ぎ待ちが35分。
さほど遠くはないのに、「遠くに来たなぁ」という気がしたものです。
ついでにいうと、やがて入った佐野の宿でふとTVをつけると、
やっていたのが「男はつらいよ/旅と女と寅次郎」(都はるみがマドンナ)、
奇遇ではありませんか。
こうして(館林駅での長い待ち時間をご想像いただくかのように長い前置きがあって?)
下野国は佐野に到着したのでありました。
駅では早速に佐野市のゆるキャラ「さのまる」の出迎えを受けることになります。
写真にもあります通り、何でも「さのまる」は
ゆるキャラグランプリ2013の総合第1位を獲得しているのだそうな。
館林の「ぽんちゃん」も立候補(?)してたのかは分かりませんけれど、
少なくとも100位以内にはいなかったようなので、
大きく「さのまる」に水を開けられた恰好でしょうか。
ちなみに、ゆるキャラグランプリのページを見る限り、
参加キャラクター数は1500余りにものぼるようで(参加してないキャラもあるとすれば尚のこと)、
いかに日本中にゆるキャラが溢れかえっているかでありますねえ。
しかし「さのまる」に限って言うならば、
確かに「かぁいい!」やつだなぁとは思うところです。
ラーメン丼を被って、前髪に麺を垂らし…ということは、やっぱり佐野はラーメンしかないのか…。
さすがにそれだけでは佐野の名誉に関わると弁護に掛かる必要もないわけですが、
ここには(足利荘紀行でも触れた)日光例幣使街道
が通っており、
その宿場町であったとなれば、いささか歴史的な位置付けが浮上してくるのではないかと。
ただし、佐野宿とは言わず天明宿と言われているのは、
佐野という地名よりも、古くは平安時代から続くと言われる天明鋳物の産地としての方が
ずっと有名だったのかもしれませんですね。
とまあ、そうした歴史のある町と思って見れば、ふらりとしただけで
出桁造りというレトロ感満載の家々に出くわしたします。
(もしかして東日本大震災後に修復できてないのか、崩れかけた姿のもまま見受ける…)
そして、例幣使街道沿いに歩いているときに、
やおら「おお!」と思ってしまったのがこれであります。
「おお、うだつが上がっとる!」
あまり予備知識もなく訪れた佐野でしたですが、
こりゃあもそっと探究せねばならない場所やもしれませんですなあ。
これまたちなみに、幕末明治の洋画家・高橋由一は佐野藩士の子でありましたが、
江戸屋敷生まれのようで、佐野には由来のあるものはなさそうです。
これはちと的外れでありました…。