デンマークは王国としての長い歴史を持っておりますから

あちらこちらにお城や宮殿があるのでして、

郊外の方は先にフレデリクスボー城 クロンボー城 と巡って来ましたが、

首都コペンハーゲンにもアマリエンボー、クリスチャンスボー、ローゼンボーと

いろいろ取り揃えられて?いるのですね。


ところで、あっちもこっちもみぃんな「ボー、ボー」ですけれど、

デンマーク語の「borg」はそもそもドイツ語の「burg」と同根なんでしょう、

「城(城砦)」の意であるので仕方がない。


ですがそうなると、「クリスチャンスボー城」という言い方は意味合いとして

「クリスチャンス城城」になってしまって適切でないようにも思われますが、

デンマーク語での表記がそもそも「Christiansborg Slot」となってますから、

もはや「~ボー」の部分は固有名詞化しちゃってるのかもですね。

(ちなみに「Slot」も「城、宮殿」の意)


…と、また前置きが長くなってますが、クリスチャンスボー城のお話であります。

アマリエンボーでもローゼンボーでもなく、クリスチャンスボーを訪ねたのは

単に中央駅から一番近く移動に便利だから、という理由だけ。

何せ午後には帰国便に乗ることになっておりましたので。


クリスチャンスボー城


このように中途半端な写真しかないのは申し訳のないところながら、

どうにも雨にたたられてましてですね、落ち着いて撮ってられなかったものですから。


ですので、早々に内部の見学へと足を向けるわけですが、

今ではこのお城には王族が住まっているのではなくして、

部分的に政府機関や、また賓客を迎えるための施設として使用されているようです。


まずは見学者にデンマーク王室の威厳を見せようというのか、

コースの始めにやおら玉座が置かれているのですね。


クリスチャンスボー城の玉座


ですがこういっては何ですが、威厳というよりチェスの駒を思い出してしまって、

連想つながりの妄想からすると、ディズニー・アニメの「不思議の国のアリス」を思い出し…

という感じでありましたですよ。


クリスチャンスボー城の階段ホール


気を取り直して?奥へ進んでいきますと、やがて大広間(The Great Hall)に出ます。

先に賓客を迎えるための施設として使われている…と言いましたけれど、

まさにこの大きな空間で女王(現在はマルグレーテ2世)主催によるバンケットなどが

開かれるのだとか。


クリスチャンスボー城のグレート・ホール


で、ここで面白いのはですね、飾られたタペストリーなのですね。

お城や宮殿にはよく年代もののタペストリーが掛かっていますけれど、

この部屋のものはむしろ皆新しい。


何でも1990年に女王陛下50歳の誕生日プレゼントとして贈られたものだそうで、

デンマーク1000年の歴史を描きだした連作とのこと。


他のところで見る歴史的価値はあるのだろうけれど、ぼろぼろ…というのとは違い、

カラフルで描かれたものもはっきり見えるのは、ご覧の通りです。


グレート・ホールのタペストリー


ここに載せたのは歴史としては現在に直近の部分になりますが、

下の方をよおくご覧いただくとたくさんの顔が並んでいて、

知ってる(歴史的知識として)顔ぶれだったりしませんでしょうか。


この部分は必ずしもデンマークの…ということではなく、現代世界史上の人物たち。

ちとクローズアップしてみるとしましょう。


タペストリーに描かれた現代史上の人物たち


知ってる、知ってる!ではないですかね。

こうした並びとは別の扱いとして、こんな人物もタペストリーの中には見られます。


グレート・ホールのタペストリー(部分)


よくよく見ていくと、他にもビートルズの4人組が描かれていたりもするものですから、

じっくり眺めることについつい時間を使い過ぎてしまいました。


ですので、後はもう急ぎ足で駆け抜けた関係上、

見学ルート上の他の部分に触れることができないのは残念ですが、

ここのタペストリーはじっくり見てもその甲斐あるものと思いますですよ。