オスロからのフェリーでコペンハーゲンに到着 したばかりにも関わらず、
そそくさと海峡を跨ぐ橋を渡ってスウェーデンに行ってしまう。
これにはいささかセコい算段も働いておりまして…。


何となればですが、
オスロであちこち見て回るのに「オスロパス 」を使ってかなり重宝したと言いましたけれど、
コペンハーゲンはコペンハーゲンで「cOPENhagen CARD」という便利なものをあるのでして、
これには連続的に使用する24時間とか72時間とかが有効期限になりますから、
その使用途中にスウェーデンを往復してくるのは「もったいない」となりますね。
(書いてて、恥ずかしくなってきましたが…笑)。


とまれ、コペンハーゲン中央駅から

カルマル(カルマル同盟の名で有名なスウェーデンの都市)行きの列車に乗り込み、
最初の内は地下(海底トンネル)、やがて地上に出たかと思うと長いオーレスン橋を渡りますと、
あれよあれよの間にスウェーデンに入ってしまった。


とても国が違っているとは思われないお手軽さでありますよ。

ところで、スウェーデンでの目的地はマルメ(Malmö)、

敢えて発音をカタカナで書くならばマルムが近いような気がします。


ところで、マルメ到着前、スウェーデンに入ったところで、異形の建物を発見!

何だこれ?!


スウェーデンで出くわした異形の建物


長い脚部で地上と繋がっているものの、

映画「第9地区」 でヨハネスブルクの上空に停滞してしまったUFOでもあるかのような…。
いったい何のために建てられたものかは、未だに不明であります(と、調べてないだけではありますが)。


という新奇なものを車窓から眺めやりつつ辿りついたマルメは、

スウェーデンでは三番目の都市…のはずですが、どうもそういうふうに見えない様子。

いかにもヨーロッパの小都市に来たなという印象なのですね。


これは、再開発中のオスロ

明らかに大都市であるコペンハーゲン(差し当たり通過しただけでも、そう思う)が

いずれも絵に描いたようなヨーロッパの街とはちと違うと感じていたからでありましょう。


その点、マルメでは駅で降りて街中へ歩き出すと、
(これまた何の建物かは分かりませんが)こうした建物に出くわしたりするもので、
「うんうん、ヨーロッパ」と思ったりするわけですよ。

何だか由緒ありそうではありませんか。


マルメのヨーロッパらしい?建物


駅前から裏道へと旧市街と思しきあたりを抜けて、ぶらぶらとマルメ城の方向へ。
行きあたったところが公園でして、決して広大なところではないながら、
自然たっぷり緑が豊か、そしてのんびりできる雰囲気があって、いい感じ。
どうして東京ではこういう感じにならんのかなぁ…と、

日比谷公園や上野公園なんかを思うのでありますよ。


Slottsträdgården@マルメ


公園には小さな植物園のようなところもありまして、

ふいっとその先には風車小屋が見えてきました。こんなあたりもとてもいい感じ。

近づいて見ると、これは実にスタイリッシュな風車でありますねえ。


Slottsmöllan@マルメ


以前、オランダのアムステルダム近郊、

自転車こいでえっちらおっちら往復したザーンセ・スカンスで見た風車群は
もそっと武骨さがありましたですね。

北海の強風を受けて、ぎりぎり仕事しちょるけんね!的な。


と、ここまで来ますとお堀を回り込むようにして、正面へ。マルメ城に到着となります。
ウプサラ城のように、といいましょうか、

お城の中には美術館があるということで、足を伸ばしてみたのでありますよ。


マルメ城


今はスウェーデンとなっている、このマルメを含む

スコーネ地方(スカンジナビアの語源でもあるとか)は
肥沃な土地であることから長らくデンマークとの間で取り合いが続いていたとのこと。


で、このマルメ城はデンマーク王の離宮として使われたりもしたのだそうです。

「ニルスの不思議な旅」ではこのスコーネ地方から出発して

スウェーデン中を上空から見て回るわけですが、
ニルスの家の壁にはデンマーク王の肖像が飾られているという部分がありましたですね。


ところで、マルメ城はその後、牢獄として使われたり武器庫みたいになったり…

てな紆余曲折からして、今ではお城の姿が美しいとかいうことは、

(上の写真でもご想像のとおり)はっきりいって全然無いんですが、
城の中はすごいことになってますですよ!


確かに美術館もありました。
ですが一巡見て回る中で遭遇するのは、もちろん城の歴史を伝える部分はまだしも、
おやっと思ううちにデザイン博物館のような展示がでてきたかと思うと、
動物の剝製やらが置かれた北欧の自然を伝える部分、

さらには照明を落とした通路に沿ってたくさんの水槽が置いてあり、
魚類、両生類、爬虫類が見られるようにもなっているという。


つまりは、ひとつの建物の中に、
歴史博物館、デザイン博物館、自然史博物館、水族館、そして美術館が同居している。
どれもいささか小粒であるのは仕方がないにしても、ちゃちな、ちんけなものではない。
逆にお城全体が「Wunder Kammer」になっているような場所と言えましょうか。


いやあ、すごいものを見たなぁと。

わざわざ海峡を渡ってスウェーデンに足を伸ばした甲斐があったというものです。

とはいえ、この後の見て歩きはデンマークに戻ってということになります。
ようやっとコペンハーゲンの街中に繰り出す…かどうかは、次のお話ということで。