…ということでですね、あちらこちらを見て回ったオスロともお別れの頃合いとなりまして、
フェリーでもってコペンハーゲンへの移動にかかることに。


同じくフェリーとはいっても、市庁舎前とビグドイ地区を結ぶ渡し船とは訳が違うのでして、
こんな大型船でありますよ。


DFDS Seaways


まずは中央駅から60番のバスで終点まで、フェリー・ターミナルへと向かいましたが、
余裕を見過ぎて早めに着いてしまったところ、このターミナルがまあ見事に何もない…。


去年の夏にフィンランドのトゥルク行きフェリーに乗ったストックホルムのターミナルには
コーヒーショップだかレストランだかくらいはあったものですから、

早めと知りつつ行ってしまいましたが、こちらにあるのは自販機くらいなものでありました。


こうした状況ですから乗船時刻までの所在なさを繕うべく、

ターミナルから程近い博物館をひとつ訪ねることにしたのですよ。


フェリー・ターミナルと向かい合う高台はアーケシュフース城 のある丘に連なってまして、
その一角にある防衛博物館(Forsvarsmuseet)へと足を運んでみたのですね。


かつてウィーンに出かけてあちらこちらを見て回った折、

どうしてもかつてのオーストリア帝国の栄華が香るというか、臭うというか。

場合によっては「ビーダーマイヤーとか、そういった面ばかりではないよね…」と思い始め、
予定していなかった軍事史博物館に出かけてみたということがありました。


けれど、オスロでいろいろと見て回る中ではかつてウィーンで感じたような思いに至ることもなく、
そういう点では敢えて防衛博物館に行こうという気もなく、飽くまで時間調整でありました。

ですが、そうは言っても行ったら行ったなりに思うところはある…ということになりましょうかね。


入場時にはまだ期限切れになっていなかったオスロパス を提示したんですが、
どうやら元からアドミッションフリーであったようす。


ということはですよ、この博物館の維持管理等は(おそらく)国家予算というか、国防費というか、
そうしたものの範疇で賄われていると同時に、無料で敷居を低くしても見てもらいたいと
ノルウェーが考えていることになるのではないかと思ったわけです。


そして、国連PKOのような活動を担う現在の軍の役割を伝えるとともに、
歴史の中ではどちらかというと敗者、弱者の側として国防の意味・意義を考えさせるというのが
展示の主眼かもしれんと。


ひとつ言えることは、確かにこうした展示が

かつてデンマークの下にあり、次いでスウェーデンに組入れられ、

近いところではナチス・ドイツに占領され…という

強者への抵抗の歴史を持つ国だから理解もできる気がしないでもないわけで、
これが他者に対して強圧的・高圧的に臨む姿勢の国や戦争をしかけた側の国が

これ見よがしに兵器を陳列したりした日には違和感抱きまくりでしょうから。


ということで、オスロで最後に訪ねたのは

防衛博物館(この防衛という言葉もまた象徴的ですが)でありましたが、
時間的頃合いや良しとなり、ターミナルに取って返して「Crown Seaways」号に乗り込むことに。


Crown Seaways船上からのオペラハウス


デッキに上がってみますと、先に訪れたオペラハウス の異彩を放つ姿が望めました。
さてそれでは、コペンハーゲンへ向けて、いざ出航!



いざ、コペンハーゲンへ!