Les Essais~旅日記~

Les Essais~旅日記~

ようこそおいでくださいまし。アラフォー男子の旅行系ブログです。年に一度の海外旅行を目指して。

夏の近江路を旅してきた。今回も西国三十三箇所巡礼をかねて、琵琶湖に浮かぶパワースポット竹生島と、彦根城、最後に醒ヶ井の梅花藻を巡ってきた。

 

​竹生島

琵琶湖の北部に浮かぶ竹生島は古より信仰の島として名を馳せていたが、最近もパワースポットとして注目を集めている。

竹生島には西国第30番札所の宝厳寺がある。このお寺は、神亀元年(724年)聖武天皇が、行基を勅使としてつかわし、堂塔を開基させたのが始まりである。はじめに弁財天を祀り、のちに千手千眼観音が祀られた。

 

元来、神仏習合の信仰が続いていたが、明治の神仏分離令にて、竹生島神社と宝厳寺に分離された。

日本三大弁財天の一つが宝厳寺の大弁財天である。他の2つは、宮島と江ノ島の弁財天である。弁財天は七福神の一人として、人の穢れを払い「富貴・名誉・福寿」「愛嬌縁結びの徳」「子孫」を恵む神と言われている。

 

 国宝唐門

観音堂の入口に国宝の唐門がある。こちらは、なんと豊臣秀吉が建てた大阪城の唯一の遺構とのことである。紆余曲折あり、豊臣秀頼によりこちらに移築されている。豪華絢爛と言われた桃山様式の唐門を観ることができる。

 重要文化財 舟廊下

観音堂から都久夫須麻神社に続く渡廊を舟廊下という。 舟廊下は朝鮮出兵の時に秀吉のご座船として作られた日本丸の船櫓(ふなやぐら)を利用して作られたところから、その名がついている。 

 竹生島神社

本殿は豊臣秀吉が寄進したとのことで、伏見桃山城の勅使殿を移転したものだそう。国宝に指定されている。

明治の神仏分離までは、こちらが本殿として代弁財天を祀っていたが、神社になり、弁財天は寺に移されたとのこと。

 

厄除かわら投げ

竹生島神社には、琵琶湖が一望できる龍宮拝所があり、そこで「厄除かわら投げ」ができる。何と言っても小生は厄年であるので、やらない訳にはいかない。

瓦が2つ400円で頂ける。一つに名前、一つに願い事を書く。そして、この瓦を、琵琶湖に突き出た所にある鳥居に向かって投げる。見事、鳥居をくぐり抜けたら、願い事が叶うとのこと。しかし、なかなか難しい。まず名前を投げて、続いて願い事を投げる。一つ目は、違った方向に飛んでしまい、方向を修正して2つ目を投げたが、今度は距離が足りなく、どちらも鳥居の間をくぐり抜けることはできなかった。嗚呼、無念。

 

 オーミマリン彦根航路

竹生島へは、3つの港から船が出ている。1番メジャーなのは長浜港から。便数も多いし、1番近い。小生も過去数回は長浜から船に乗った。しかし、今回は彦根の街を散策したかったので、彦根からの船に乗ることにした。長浜より距離が長いので、船に乗る時間も長い。それでも片道40分ほどなので、ちょうど良いクルーズである。

この日は快晴に恵まれ、比良山系から伊吹山まで綺麗に見渡せ、素晴らしいクルーズとなった。

 

伊吹そば つる亀庵

 

伊吹山山麓で栽培される伊吹蕎麦は、古く平安時代より栽培され、日本の蕎麦発祥の地とも言われているとのこと。江戸時代には井伊家から将軍に献上され、井伊の蕎麦好きや、その蕎麦の評判は広く知られていたとのこと。 

その伊吹蕎麦を頂けるのが彦根城すぐ側の「つる亀庵」さん。伊吹山の伏流水の湧水を使用し、ひきたて、打ちたて、茹でたての蕎麦が頂ける。

コシの強い蕎麦で、香りも感じられる美味しい蕎麦であった。

 

国宝 彦根城

 ​天守閣

1622年に完成した彦根城の天守閣は国宝に指定されたいる。国宝に指定された天守は5つしかない。彦根城、姫路城、松本城、松江城、犬山城の5つ。

400年前の築城当時な姿を見ることのできるだけでなく、その佇まいがなんとも美しい。

 

その美しさの秘訣は、破風にあるそうだ。 破風は簡単に言うと屋根の端のことだそう。彦根城には切妻破風、千鳥破風、入母屋破風、唐破風と、多種多様な破風がところ狭しと壁面を彩っている。それが美しさを引き立てている。

 

天守からの眺望も素晴らしい。琵琶湖が見渡せ、青くキラキラ輝く姿と、琵琶湖ごしに見渡せる湖西の山々も美しい。

ひこにゃんにも会えた^ ^

会える時間は事前にHPをチェックすべし。

 玄宮園

1679年に彦根藩主井伊直興により造園された回遊式庭園。国の名勝にも指定されている。広大な池を中心に、築山、小島や橋が配され、園内を回遊して鑑賞する庭園。

 

この庭園から眺める彦根城の天守も美しい。また庭園内にある鳳翔台にて抹茶のお茶席を頂ける。美しい庭園を眺めながらの抹茶はとても贅沢である。またそのお値段が500円とあり、お勧めである。

茶菓子には、いと重の銘菓「埋れ木」が提供された。とても美味しいお菓子にビックリ。1809年創業のいと重さんは井伊家御用達だそう。

 

醒井の地蔵川の梅花藻

 

夏の時期の湖東と言えば、醒井の梅花藻を一度訪れたかった。彦根から醒ヶ井は2駅であるが、途中の米原で乗り換えが必要。また、米原でJR西日本からJR東海に管轄がかわるので、ICカードでは乗車できなくて切符を買う必要がある。

 

米原市醒井(さめがい)の地蔵川は居醒の清水(いさめのしみず)から湧き出てた湧水。夏の時期に大変珍しい水中花「梅花藻(ばいかも)」が見られる。

 

梅花藻はキンポウゲ科の淡水植物。水温14℃前後の清流でしか育たないため、全国でも生育場所が限られている貴重な植物。花は7月初旬から9月中旬までが見ごろとのこと。

 

中山道の宿場町である醒井宿の風情ある街並みと地蔵川のせせらぎ、そして可憐な梅花藻。風情を感じられる癒しのスポットである。せせらぎの音をききながら、アイスコーヒーを飲み、梅花藻を眺めて、とても気持ちよかった。

 

旅の様子はYouTube動画でUPしております。ぜひご覧くださいませ^ ^

 

 

 

 

 

昨年、友人から是非とも富士山に登ってみたいと連絡がきた。その友人は山登りとは無縁の人物。ただ富士山には人生で一度は登りたいとのこと。そこで私はガイドを引き受けた。

 

私は17年前に一度富士山には登ったことがある。当時は弾丸登山が当たり前だったと記憶している。山屋さんで小屋に泊まるというのはあまり聞かなかった。私も夜の8時ごろ5合目について、寝ずに登り、午前2時か3時ごろ山頂につき、ご来光を拝み、下山した。ルートは富士宮ルートで登り須走ルートで下山した。

 

しかし近年の富士山大混雑問題があり、弾丸登山は目の敵にされている。素人の友人を連れて行くので下手なことはできない。そこで山小屋に泊まることとした。ただ、勤め人のお休み時は、どこも予約がとれず、泣く泣く昨年の登山は延期となった。

 

今年、満を持して、山小屋予約開始日に山小屋を確保。あとは体力作りと天候を祈るのみとなった。 

 

 世界遺産・富士山

このような富士山登山の隆盛の背景には、富士山の世界遺産登録があるのだろう。登山客の3割近くは外国人に思われた。富士山は自然遺産ではなく文化遺産として世界遺産に登録された。古からの信仰や文化芸術の対象ということがその理由とのこと。古くより火山活動を繰り返した富士山は畏れおおき存在として祀られていた。平安時代以降に噴火活動が沈静化すると、修験道の同情として信仰の対象とされた。また、その美しい姿から、和歌や浮世絵の対象とされ、中でも、江戸時代の葛飾北斎や歌川広重の富士を描いた浮世絵は、遠く西欧の画家にも影響を与えた。このような文化的背景から、2013年に世界遺産に登録された。

 

 

 

 

 富士登山・1日目

2024年8月10日(土)、6時半過ぎ新神戸発のぞみで名古屋、名古屋からひかりで静岡、静岡からこだまで三島へ。9時20分、三島着。9時40分発の富士急シティバスで富士宮5合目へ。約2時間バスに揺られ、標高2400Mの5合目までやってきた。前に来た時は立派なレスト施設があった記憶だったが、仮説のトイレなどがあるのみ。以前あった立派なレストハウスは放火され取り壊されたとのこと。

持ってきたパンなどで軽い食事をとり、登山開始。

 

12:15 富士宮5合目発

12:31 6合目着

13:25 新7合目着

13:40 発

14:20 元祖7合目着

14:45 発

15:30 8合目着

友人も含めて7合目までは余裕の感じ。とてもゆっくりコースタイムぐらいのペース。調子に乗ったのかペースをあげてしまったのか、8合目手前で、友人はちょっと小休止を要求。8合目手前は確かに勾配が、急になってきたのに、調子に乗ってペースを早めていたようだ。

今夜は8合目の池田館で宿泊。翌日未明に山頂を目指す予定。小屋には一番乗りで到着。予定より早く順調に登れた証。

富士山の山小屋は昔は評判があんまりだった気がするが、とても綺麗で、一人一人にモンベルのシュラフが与えられて、そこそこ快適だった。

ただ夕食は聞いていたとおりカレーのみ。おかわりもできない。平凡なレトルトカレーも山で食べるととても美味しいのは、なんとも不思議。

7時過ぎには仮眠体制。しかし、私は寝れない。それはわかっていたけど、1〜2時間ほどうとうとして午前1時に起床。

 

 富士登山2日目

小屋に宿泊の大半が1時に起き出した。朝食として頼んでいたパン2個とコーヒー牛乳を胃に押し込め、1時半に出発。小屋の外はすでに多くの登山者でいっぱいであった。

9合目までは、渋滞はなかったが、9.5合目手前付近で渋滞。というのも、20人くらいのツアーの団体が登山道の途中で休憩するため、暗くて先が見えないので、先が詰まってると思いみんな止まり、それが渋滞になっているようなのだ。

9.5合目から山頂までは、少し歩いては止まる、という混雑ぶり。そんななかを追い越しかける輩がいて、大変迷惑である。

 

前回は奥宮で日の出を見たので、今回は山頂で見ようと思い、剣ヶ峰山頂に向かう。ここは大混雑であった。奥宮あたりで日の出を待つべきだった。

4時46分日の出時刻のところ、ちょうど日の出の方向に雲があり、5時になり、その雲の合間から太陽が顔を出した。以前の富士登山で1番感動したのがご来光。北アルプスなどでみるご来光も素晴らしいが、富士山からのご来光は、格別だった。今回は、少し雲が邪魔をしたが、それでも素晴らしいご来光だった。

浅間大社奥宮で御朱印を頂き、須走下山口へ向かう。下りはなんとも快適。須走ルートの醍醐味は7合目以下の砂走りである。一歩踏み出すと、1メートルくらい滑る。コツを掴むと、スキーのように滑りながら歩くという、楽しい下り方ができる。

 

9時半に須走5合目のバス停に到着。無事下山できて安堵。ここから御殿場駅までバスが出ている。御殿場で風呂に入り、三島で鰻を食べ帰路へついた。

0135  8合目

0218 9号目着

225 9合目発

0300 9.5号目着

0310 9.5合目発

0400 山頂着

0500 日の出

0535 奥宮発

0600 須走ルート下山

0630 8合目

0658 須走7合目

0830 砂払5合目

0850 砂払5合目発

930 須走口5合目バス停着

945バス発

 

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今年の夏はいつも以上に暑く感じる。もうクーラーなしでは生活できない日本となってしまったようだ。そんな盛夏、涼を求めて京都は貴船の川床へと出掛けてきた。川床での会席料理を一度体験してみたかったのだ。

 

 ​奧貴船 兵衛

今回予約したのは、「兵衛」さん。貴船には多くの川床をもつ料理屋旅館があるが、口コミをみてみると、値段の割に料理の質がイマイチ、なる書き込みが散見される。ある程度は場所代的なもので、料理は期待してはダメなもの、と理解しても、やはり美味しいお料理は頂きたい。ここは価格ではなく質を求め、口コミも良さげな「兵衛」さんを予約した。なんとも料理には定評がある。

 

貴船の奥、奥宮近くに佇むこちらの料理旅館。貴船神社の神主さんをされていた先代兵衛さんがはじめられたお店とのことである。

 

貴船の川床のはじまりは大正時代。行者さんが川で涼む際にお茶などを出したのがはじまり。昭和5年に叡山電鉄が開通し、鞍馬山に詣でる客が増え、川床を出すお店が増えたとのこと。

 

ちなみに貴船は川床(かわどこ)と読むが、鴨川は床(ゆか)と読む。

 

さて、貴船へは叡山電鉄の貴船口からバスで向かうのが一般的である。なかには、でっかい車で、乗り付ける方も散見されたが、貴船は狭い道で、対向できる場所も限られ、車で行くものではないと感じた。私は、兵衛さんの送迎バスを利用。兵衛さんは、地下鉄の国際会館駅まで迎えに来てくれ大変便利である。

 

さて11時からのランチの第一部を予約し、10時15分に国際会館駅で送迎バスをまつ。

 

バスは途中、叡山電鉄の貴船口にてお客を拾い、11時前に兵衛に到着。

 

旅館前に作られた階段で川床へと降りていく。川床にはゆったりと机が配置されて、どの席も川に接するようにされている。しかしながら、滝に近い席は特等席。直近に予約した小生は1番下流の席であったが、それでも席の横はすぐに川を覗くことができる。ひとつテーブルを挟んだ先には、小さな滝も望むことができる。十分に満足できる席である。

何と言っても、その涼しいこと。驚くほどの涼しさ。貴船の川床は、京都市街より10度気温が低いと言われている。この日の市街の最高気温は36度。ということは26度ほどということであるが、体感はそれよりかなり涼しい。川を渡る涼風が体感温度を下げてくれる。まさに天然のクーラー。そして、川の流れがまた耳にも涼やか。夏の風物詩として人気な訳が分かる。

 おくきふね会席

1番の定番である「おくきふね会席」を予約しておいた。会席以外にもすき焼きなどもある。

​八寸

鱒寿司、あまご、三度豆の白和。白和にはイチヂクが入っていて良きアクセントで美味しく頂けた。

吸い物

鱧(はも)の吸い物。とても大きな鱧が、食べごたえ十分。夏の味覚である鱧。関西では夏の風物詩として食べられる。冷蔵技術がない昔から、京都でも鱧が食べられたとのこと。それは生命力が強い鱧は、生きたまま京都まで運ぶことができたからだとのこと。

造り

鯉(こい)の刺身。はじめて鯉のお造りをいただいたが、臭みはまったくなく、旨みのある清涼な味に驚いた。貴船では湧水で泳がせてから料理をするようである。

​焼き物

鮎の笹焼き。笹の香りを燻らせた鮎の塩焼き。笹の香りがなんとも芳しい。鮎はやはり新鮮で身もホクホクで大変美味しかった。

​強肴

鹿肉とのこと。こちらも臭みは全くない。鹿肉はパサパサしているかと思いきや、ジューシーな味わい。

​箸休め

山吹を炊き込んだ優しいお味。

氷室そうめん

見た目にまず感動。氷の器に、つゆと鶏肉、オクラが入っている。まずは鶏肉を頂いて、そうめんを食べるとのこと。そうめんは柚子の香りがする。この涼しやかさは是非とも体験していただきたい。器から盛り付けの巧みさまで手が込んでいる。

ご飯、止め椀

生姜ご飯とお味噌汁。おかわりも頂いた。

菓子

ブランマンジェ。ジャスミンの味で、これまた涼やか。とても美味しい味わい。

 

総じて素晴らしい料理であった。量は多くないが、一品一品がどれも逸品。夏の味覚、川魚、地元の産物を涼やかにいただけて、とても良い時間わ過ごせた。料理の評判がよかったのも頷ける内容であった。

 

五感全体で涼しさを体感できる素晴らしい冷感スポット。さすが京都を代表する夏の風物詩。

 

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今年の1月にJWマリオットへの宿泊をメインに奈良を訪れたが、西国巡礼で興福寺にお参りするため、今年2度目の奈良へと出掛けた。

 

 東大寺

 

奈良と言えば、東大寺の大仏。小学生以来かな? 20年以上ぶりに大仏さんを拝みに行った。奈良の街にもたくさんの外国人旅行客。日本人より外国人の方が多い印象。

 

まず、迎えてくれるのが、南大門である。現在の門は、鎌倉時代、建仁3年(1203)に、金剛力士(仁王)像とともに竣工したそうである。

 

“東大寺の仁王さん”の名のもとに親しまれている南大門金剛力士像。運慶や快慶ら仏師たちによってわずか69日間で作られたと言われる。高さはいずれも8.4m弱あるとのこと。これはぜひとも見ていただきたい。その迫力たるや想像を遥かに絶するものである。

続いて大仏殿へ。こちらは世界最大級の木造建造物。その高さは48m。そして中に安置されているのは、言わずもがな、大仏。正しくは盧舎那(るしゃな)仏と言うそう。その意味は、知慧と慈悲の光明を遍く照し出されているほとけということだそう。

約15Mもあるそのお姿は、見るものを圧倒する。参拝客は、一応にその大きさに対しての驚きを隠せない。

 

聖武天皇の時代、疫病の流行や反乱などが次々に起こり社会は不安定だった。そこで天皇は仏教の力で国を護ろうと大仏造りを命じたと言われている。

 

何度も焼失にあいオリジナルは、そのごく1部とされているが、その圧倒的な存在感や荘厳さは、見たものでしか感じ得ないだろう。 

 

 依水園

 

依水園は、国の名勝に指定されている日本庭園。前園と後園の2つの庭園からなる。前園は江戸時代に奈良晒の御用商人が作り、後園は明治時代に実業家 関藤次郎により作られた。後園は、若草山東大寺南大門などを借景としており、特に素晴らしかった。

池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)と呼ばれる庭園で、大きな池を中心に配し、その周囲に園路を巡らして、築山、池中に設けた小島、橋、名石などで各地の景勝などを再現した庭園となっている。

後園にある、氷心亭で抹茶を頂いた。こちらは、明治に作られた書院造の茶室で、眺望が素晴らしい。池と築山の背景には東大寺南大門と若草山が見渡せる。そして、静かに美味しいお茶を頂ける。

そして、そのお茶やお菓子がまた逸品であった。あとからその銘柄をお伺いしたほどの美味しさ。

 

    

お抹茶  京都府宇治市 角輿商店 「寳相華(ほうそうげ)」
もなか  奈良県桜井市 白玉屋栄壽「みむろ最中」

お干菓子 奈良市 萬々堂通則 「微笑」

 

お値段は抹茶セットで1300円だったが、是非みなさんもご体験いただきたい。私はまた季節を変えて伺いたいと思っている。

 

 食事処"三秀"

依水園の前園にあるお食事処が、これまた素晴らしかった。この日は酷暑であったが、クーラーが効いた部屋で、美しい庭園を愛でながら、静かに昼食を頂くことができた。

夏なので、素麺はとてもありがたかった。素麺発祥の地と言われる奈良。やはり三輪そうめんだったのだろうか。程よくきいたコシがアクセントとなり美味しくいただけた。

 興福寺

今回の第一の目的は西国三十三箇所巡り。世界遺産興福寺の南円堂が、その第九番札所である。

法相宗の大本山である興福寺。710年の平城京への遷都に際し、現在地に興福寺ができたそうである。天皇家や藤原氏から庇護され、春日社の実権をもつ大きな寺となり、大和国を領するまでになったとのことである。

 

西国札所の南円堂は、現在の建物は創建以来4度目のもので、1789年に再建されたものだそう。

 

ちょうど夏の盛りの7月下旬。境内には百日紅(サルスベリ)の花が咲いていた。

 五重塔は改修中につき幕に覆われていた。三重塔は興福寺で最も古い建物の一つとのことで、平安時代の建築とのこと。こちらも趣のある建物であった。

 

 今西家書院

 

重要文化財にも指定されている室町時代の書院。元々は興福寺大乗院の坊官である福智院家の居宅であったそう。室町時代の日本の邸宅ということで大変興味深く拝見した。

喫茶室も併設されており、拝観後は、ゆっくりとお茶を頂きながら休憩することができた。

酒香茶という、珍しいお茶もあじわえた。酒粕の香りがして、日本酒の甘い香りがする、なんとも不思議なお茶。冷たい氷つきのお茶で、夏の暑い日にはありがたい涼しげなお茶であった。

 

 春日大社

 

何度か奈良を訪れていたが、春日大社に詣でるのは初めてであった。全国に約1,000社ある春日神社の総本社であるこの春日大社。世界遺産に登録されている。

奈良時代の768年に平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために創建され、藤原氏の氏神をお祀りしているそうである。

 

藤原氏の氏寺である興福寺と密接に関わりがあるそうで明治までは神仏習合として発展してきたそうである。

 

重要文化財の中門は特に印象的であった。慶長18年(1613年)再建されたものだそう。朱色の艶やかさと夏空と夏の日に照らされた草木のコントラストが美しかった。

 

 あおによし

帰りは近鉄特急の"あおによし"に2度目の乗車。

前回はあっという間に目的地に着いてしまい、車内販売を楽しめなかった反省から、今回は乗車早々に車内販売カウンターへ行き、バターサンドとアイスコーヒーを購入。

車窓を眺めながら、コーヒータイムを楽しんだ。「あをによし」の車体カラーをイメージしてシェラトン都ホテル大阪で作られたオリジナルバターサンド。レーズンと「バナナ」・「パイナップル」などのフルーツの入ったフルーツミックスの2味が入っていた。

 

YOUTUBEで動画も公開しております。どうぞご覧くださいませ。

 

 

熊野旅2日目は午前中に瀞峡の川舟クルーズ、午後からはWest Express銀河で大阪まで列車旅を楽しんだ。

 瀞峡

熊野の地を訪れたならば、是非足を伸ばして頂きたいのが、瀞峡である。以前は熊野交通がウォータージェット船を運航しており、熊野交通の路線バスとの接続も抜群であったが、残念にも今は運航されていない。

 

その代わりに、熊野川の川舟を行っていた川舟センターが、瀞峡での川舟クルーズを開始。こちらは、開放的で小さな川舟で、40分のちょうど良い瀞峡巡りとなっている。

残念なのは公共交通機関を使ってこの川舟に乗りに行けないことである。レンタカーを借りるかタクシー利用となるが、最寄りの新宮駅タクシーはかなりの距離となり、レンタカーが現実的である。バスの運航を期待したい。

 

2日目の午前中、私はこの地に住む先輩の車で連れて行って頂いた。

川舟は、清涼な風を感じながら、コバルトブルーの川面と奇岩がせりたつ峡谷を颯爽と進み、とても気持ちよかった。

この美しい川の色と自然の作りあげた地形の奇跡を堪能いただきたい。

 

 

 ウエストエキスプレス銀河

 

2020年に運行を開始した観光列車。南紀地方や出雲地方など季節ごとに運行経路をかけながら、運行されている。

 

とても人気とのことでなかなかチケットが取れないとのこと。今回はたまたま運良くチケットを取ることができ、新宮駅から大阪駅まで下りの昼行便を利用した。

 

チケットが取れたのは、普通指定席クシェットという寝台タイプの席であった。この席は、夜行では寝台として、昼行でも足を伸ばして寝転びながら移動できる快適な席であった。5号車1A、1Bは、直前に解放されたのか、当日に予約サイトに売り出されていて、普通の4つの寝台の部屋を予約済みであったが、こちらの5号車1Aを予約し直し、先に予約していたものは払い戻しした。

(↑5号車1A・B)

(↑一般的なクシェット)

 

この列車旅の醍醐味の1つは、雄大な車窓を楽しめることである。特にこの下り昼行は車窓いっぱいの太平洋を楽しめる。新宮を出発してすぐの王子が浜、紀伊勝浦出発後の湯川の海岸、浦神の海岸と、素晴らしい景色が続く。古座に着く前の古座川の眺めも良い。古座から串本の間にも、荒船の海岸や橋杭岩など見どころがたくさんある。

(↑太地から古座間の浦神の海岸)

(古座から串本の間の荒船の海岸を走る)

(田辺から御坊の間の岩代の海岸)

 

また途中駅の数駅では、じっくり停車時間が設けられ、現地の特産品をお買い物できる時間があるのも楽しい。串本駅では儀平の薄皮饅頭、周参見ではオリジナルコーヒーとその土地のものを買い物できた。特に、私は儀平の薄皮饅頭が大好きで乗車前より楽しみにしていた。この饅頭は、甘くない餡子が特徴で、あっさりと滑らかで上品な餡子が、クセになる、食べ出したら止まらない饅頭で、3個入りが販売されていたが、ペロリといただいてしまった。

海南駅では事前に予約しておいた鱧のお寿司をいただいた。鱧のお寿司というのは初めていただくもので、鰻や穴子とも違う少し淡白であっさりした白身が上品な味わいを楽しませてくれた。こういったご当地の名物を食すというのも旅の醍醐味であり列車に乗りながら通過する各地の名物を食せるというこの列車は素晴らしいアイデアだと感じた。

 

大満喫の1泊2日の熊野旅であった。まだまだ熊野には魅力あるスポットがあり、またこの地を旅したい。

(おしまい)

 

旅の様子は動画にしてYoutubeにUPしております。ぜひご覧ください^ ^