ーシアワセーLLA5 in 茅ヶ崎 | 上京パンダ

上京パンダ

東京四年目のパンダ。

8月の最終日夏の思い出に茅ヶ崎へ。
aikoさんのフリーライブ「LOVE LIKE ALOHA Vol.5」に行ってきた。2,3年に一度くらいのペースで不定期に開催されている真夏のフリーライブで今回で5回目。場所は日本を代表する夏が似合う町神奈川県は茅ヶ崎のサザンビーチ!
茅ヶ崎といえば、もちろん大好きなサザンオールスターズ。桑田さんの育った街でありサザンの曲の中にもたくさん登場するサザンファンの聖地といえる場所。以前2回ほど行ったことがあるけど夕方か夜だったので昼間に行くのは初めてになる。ライブついでに茅ヶ崎の街をぶらり散歩する計画。
ライブの整理券をもらうために明け方から家を出発。電車に揺られ一路茅ヶ崎を目指す。東海道線に乗って茅ヶ崎に近づくにつれて人が増えてきた!朝6時台でほぼ満員電車状態に!みんな同じ目的なのでツアーTシャツを着ていたりaikoグッズで固めていたりと早くも熱気が感じられる。
大変なことになりそうな予感を抱きつつ茅ヶ崎駅に降り立つ。当然みんなも降りてまっすぐにサザンビーチを目指すのでaikoファンの行列ができる。ビーチまで続くサザン通り、聖者の行進に交じって歩いていく。えらい人だとは思っていたがこれほどまでとは。さすがaikoさん。



道なりにしばらく歩くとサザンビーチに到着。入口のCの形のモニュメント。懐かしいな。ここを越えると砂浜に入っていく・・・・というよりもすぐに群衆にぶつかる。整理券待ちの人たちがすでにものすごい人が集まっていて、見渡すかぎり人波しか見えない。
海の家と運営のテントとの間が、整理券配布開始時間前から満員電車みたいに人であふれている。自分のあとからもどんどん人が増えていきすぐに群集の中に飲み込まれたパンダ。ほとんど動かない行列に整理券もらえるのかと心配になってくる。
泣き出しそうな空見上げて、7時、8時、9時と時間だけが過ぎていく。なかなか行列は進まず狭苦しいなかを立ちっぱなしで疲れがたまってきた。
とうとう雨が降り出す。カッパがわりの上着を羽織るも雨はしだいに激しくなっていく。まわりの人たちもカッパやかさで雨をしのぐが長時間の行列につらそうな人もいる。人生で一番並んだ行列が徐々に進みだすと、少し元気が戻る。いよいよ会場内へと入れてもらえた。aikoさん愛飲のおーいお茶を受け取りビーチのほうへと進んでいくとそこにも長蛇の列が!ひー!
そこからさらに並ぶ。雨は止んできたのが救いだったがすでに全身びしょ濡れ。ようやく配布場所にたどり着いたころには12時前近くだった。
整理券がわりのリストバンドを巻かれて一安心。観覧場所はC-2で整理券組では一番後方になったけど観れるだけで十分満足。
早くも足がお疲れ気味だけど入場時間まで会場を出て茅ヶ崎散歩スタート。



人の多いビーチと茅ヶ崎駅のあいだ、サザン通りを避けて茅ヶ崎の住宅地へ入っていく。海辺の香りがそこはかとなく漂う家の佇まい。潮風の似合う路地を歩く。
きれいで大きな家が多い印象。老後を茅ヶ崎でなんて素敵だ。
ちらほらと自分と同じように腕にカラフルなリストバンドを付けた戦士に遭遇する。みな昼飯や散策で戦までの時間を思い思いに過ごしているようす。
駅から南北にのびる雄三通りをゆうゆう散歩。桑田さんの敬愛する「若大将」加山雄三さんも茅ヶ崎育ちの有名人。
東に進んで一中通りを北へ。海沿いを離れ東海道本線を越えて東海道に出る。



大通りからちらっと見えた神社に寄り道。小さく素朴な八王子神社。本殿の屋根がゴツゴツした感じでなんかかっこいい。茅ヶ崎ゆうゆう散歩の安全を祈念。
相模線の線路を渡り茅ヶ崎市役所方面へ向かう。駅周辺は大きな商業施設が集中しているので、このあたりで汗だくで雨に濡れたTシャツを着替えるために買いにいくことに。
中央公園を抜けて市役所を見てから服を買いに行くショッピングセンターへ。安いTシャツを買って着替えて外へ出ると夕立のような激しい雨。仕方なく中に戻りベンチで休息。座っていると早起きしたこともありどっと疲れが出てくる。雨の中長時間立ちっぱなし歩きっぱなしだったので足にも疲労がたまっている。



しばらくののち散歩を再開。昼飯を軽く済ませて駅周辺をぶらり。
小雨が降ったり止んだりの中路面がきれいな商店街エメロードを通る。お土産屋さんっぽいのもあるものの観光客向けよりは地元の商店街をいった感じ。
雨やまないかなー。
駅のそば、東海道本線の線路を渡る道路。カーブを描き中空を走る。名前を茅ヶ崎ツインウェイブというらしい。ちなみに地下道もあって歩行者と自転車はそっちを通れる。地下道も合わせてツインウェイブなのかな。なんかおおげさだけどかっこいい。
しばらく線路沿いに歩いて南湖通りまわりの住宅街をぶらり。小さな神社や公園があったり、細い路地裏を通ってみたり、茅ヶ崎市民の生活を感じながらゆらりと海を目指して歩く。



海岸に着いたことを示す防風林が見えてきた。出たのは柳島海岸。浜辺と防風林の間のまっすぐな道を歩く。サイクリングロードにもなっているので自転車やランニングの人が通る。雨が強まってきてカッパ代わりの上着を羽織る。
道の終点にヨットの形をしたおしゃれな車止めを見つける。海辺らしくて素敵だ。反対側の終点には烏帽子(えぼし)岩型の車止めもあった。
きびすを返してサザンビーチのほうへと歩いていく。雨は止まない。
波打ち際へとおりてみる。人は少なく風と波音だけが響く浜辺。会場のほうを見れば、えぼし岩が浪間にちょこんと顔をのぞかせ、遠くには江の島がぼんやりねている。このまま君とあきらめの夏・・・


再び会場に戻ってくるも人が多く軒下ではみな雨宿りしながら時間をつぶしている。あんまり休めそうもないしまだ二時間くらいあったので再び会場を出て近くの茅ヶ崎公園へ。サザン伝説の茅ヶ崎ライブの会場としても知られる市営野球場もある公園。
ここまで来ると人は少なく屋根付きのベンチで小雨を避けて休憩。ライブ前にすっかりヘトヘトになってしまったな。音楽を聴きながら体を休める。
開演一時間前、最後に曲名にも出てくるラチエン通りまで寄り道しにいく。特にラチエンっぽくない通りだけどちょっと洋風なおしゃれな建物もちらほら。シスターには会えず。
菱沼海岸まで出て、会場のほうまで浜辺沿いの道をひた歩く。同じように足早に会場へ向かう人もいたり、フリーライブなのでふらっと観に行こうという感じの地元の人もいる。
心なしか雨が弱くなってきた頃会場に到着。人ごみに混じり開演を待つ。





いよいよLOVE LIKE ALOHA Vol.5開演!!
バンドメンバーがステージ上に姿を現す。スモークが歌姫を守る守護神が現れたような雰囲気を醸し出す。すると最新曲「夢見る隙間」のイントロが流れ出し遂に歌姫が登場!
ステージからのびる花道の先にあるやぐらとテントに隠れて見えないものの、巨大スクリーンにはなんだかひらひらした衣装でくるくると舞うaikoさんの姿が映る。本物だ。
よく目を凝らすとテントの端からちょこちょこと小さな豆粒aikoさんの姿が見え隠れしている。
テレビやラジオだけで見ていた、空想上の生き物みたいだった歌姫が目の前にいる。静かな感動でじっとステージ上を見つめる。
この感覚は初めてWWE日本公演を観に行った時、開演と同時に登場したリングアナウンサーのトニー・チメルを見たときに似ている。レスラーでもないのにその時は泣きそうなほどぐっときたものだ。
大好きなものに生で触れた感動はやはりすごいものがある。
新旧のシングル曲「LOVE LETTER」「ボーイフレンド」に続き少し昔のアルバム曲「オレンジな満月」をはさみ「キラキラ」へと続く。夏らしいアップテンポな曲を歌い上げ会場を沸かす。まわりの観客はみな手を挙げて飛び跳ねている。小さな体で何千人という群衆にエネルギーをぶつけ、動かす彼女を見ながら、この人は人間じゃない魔物とでも形容すべき存在なんじゃないかと思っていた。
少しスローな「夢のダンス」に続き前半のハイライト「KissHug」のイントロがビーチに響く。夏の夕闇と幻想的な照明の中しっとりと歌う姿に観客の集中力が最高潮に達する。何度も聞いている曲なのに切なげなメロディと歌詞は泣きそうなくらい心にささる。
ノリノリなメドレーに突入!aikoさんもなんだか楽しそう。ステージをところせましと動き回る。代表曲からアルバム曲までを文字通りの熱唱。どれも好きだけど「彼の落書き」と「あなたの唄」が特にうれしい。
途中で聴き慣れないメロディが登場し一瞬戸惑う観客。サザンファンだけが瞬時に状況を理解したであろう「エロティカ・セブン」のイントロ。毎年恒例のサザンカバー。素敵な選曲。
後半もライブの定番曲「be master of lofe」をはじめ熱い歌声がサザンビーチに響き酔いしれる。ライブ中何度も手前のやぐらまでやって来てはできるだけたくさんの人が姿をみれるようにと気配りするaikoさん。豆粒aikoがこんな近くで見れるとは。じゃがいもくらいだろうか。
MCでも歌と変わらぬ熱量で話しかける。近くの高層マンションの住人とコミュニケーションを取ろうとするaikoさん。大勢に向って話しながらも、ラジオみたいに一人一人に対してしゃべっているような感覚がするのがこの人の魅力だと思える。
有名な「男子!」「女子!」のコール&レスポンスもついに体験。女子8割男子2割といったところ?
終盤にはこらえきれず雨が降り出す。気のせいだと言うaikoさん。光に照らされた雨粒が降り注ぐまるで演出みたいな中で歌う歌姫の姿は幻想的であり風邪ひいてもいいやと思えてくる。
長いようで短かったライブも最後の一曲に。こんな気持ちになって帰ってほしいと言うaikoさん。歌うはさわやかなシングル曲「シアワセ」。誰もがしあわせだと感じた時間。限界までエネルギーを絞り出して歌姫が送る夏の最後のプレゼント。
最後のあいさつとともに海から上がる大輪の花火。夏の夜空を、茅ケ崎の海を、サザンビーチを埋め尽くした観客を照らし彩る花火。今年夏のほんとの最後に夏らしい思い出ができた。



祭りのあと。ぞろぞろと帰路につくaiko戦士の群れ。えらい人だったけどなかなかない機会なのでグッズ売り場に並ぶ。自分と今回来れなかった妹のために買って帰る。
茅ヶ崎駅まで再び行進が続く。興奮冷めやらぬ人も多い。いつかまたライブ行きたいな。
思ったよりスムーズに電車に乗れ東京へと戻っていく。

夢見る隙間で歌姫と対峙した幸せな時間を噛みしめながら、明日からの現実と筋肉痛に立ち向かう茅ヶ崎パンダだった。


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