常磐線の旅その3~水戸市街ゆらり~ | 上京パンダ

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東京四年目のパンダ。

電車に揺られて常磐線を水戸へ。水戸に近づくにつれてどんどん都会感が増していく。
水戸駅は大きく人も多い。駅前もきれいに整備されていてたくさんのビルが建ち並ぶ。デパートや商業施設も多く観光客も多くみられた。さずが江戸御三家のひとつ。

水戸といえば納豆とこの人!水戸黄門!ということでさっそく北口の広場に黄門さまと助さん格さんの三人の像が出迎えてくれる。
このあといろんなところに水戸黄門関係の像やモチーフが登場する。

印籠代わりにデジカメを、つえ代わりにかさを持って水戸散歩スタート!





水戸駅の北側をぶらり。黄門様の生誕の地を見に行き、近くの長い坂を上る。
高台の上のほうは学校がいくつも並んでいるが、そのどれも校舎が和風なデザインになっている。屋根が瓦屋根っぽい感じになっていたり、城や武家屋敷みたいな白壁がずーっと続いている。校門(黄門とややこしい)も立派な和風の門になっていて、なかなかのクオリティ。水戸城下の歴史ある雰囲気を守っていこうという気概が垣間見える。
照りつける日差しに汗ばみながら弘道館を目指す。



弘道館は、9代目藩主徳川斉昭の時代に創立された水戸藩の藩校で、全国的にみてもかなり規模の大きな学校だったらしい。
高い塀で囲まれた大きな屋根が見えてくる。中を見学する。建物内は和室がいくつも並んでいて、廊下を歩いてぐるっと一周見てまわれるようになっている。当時の部屋のまま再現されていたり、いろんな説明があったりして江戸のロマンに思いを馳せる。関係した資料の展示もあり当時の様子をうかがい知ることができる。
廊下は壁や扉もなくそのまま外と接しているものの、屋根の下は日陰になるので、流れる風をうけて涼しい。暑い外を歩いてゆでだこ状態だったのでしばらくぼーっと休む。午後の静かなひととき。江戸時代の学生も同じようにぼーっと休んでいたのだろうか。休んでいたら怒られていたのだろうか。
タイムスリップを終えて弘道館をあとに。



水戸市街の北西側へと向かう。公共施設やオフィスビルなど大きめの建物が多い。車と人も多く大通りはにぎやか。

交差点で変わったベンチを発見。犬の頭の彫像がついた石でできたベンチ。ややシュールにみえる。近くの水戸芸術館の影響だろうか。その水戸芸術館のそばを通る。多面体を積み重ねたような何ともいえない造形のメタリックな高いタワーが目立つ。



市街地の西の端にある偕楽園に向かう。緩やかな下り坂になっている大通りを進んでいると黄門さんに出会った。しかもこんどのやつはしゃべる!ごいんきょさまの像と、その横に徳川家紋の入った大きな印籠型のスピーカーがあって、往年の名ゼリフが流れるようになっている。その名も黄門さんおしゃべりパークとのこと。
下り坂を下っていくと通りの両側に緑が多くなる。紀州掘緑地公園というのがあって、暑い道路が少しだけ涼しげになる。坂を下ったさきにある湖に向けてかなりの高低差があって、台地の上に通ってきた市街地や偕楽園があるのが分かる。






湖に到着。千波湖という名前の偕楽園の南にあるとても大きな湖で、その淵や川に挟まれた細い陸地を歩いて通ることができる。ただ想像以上にでっかいため、細い道をひたすら歩くもなかなか偕楽園の方までたどり着かない。昼下がりの太陽光がパンダを焦がす。あつい。
湖のほとりにはたくさんの水鳥たちが放し飼いの状態で生息していて、水にぷかぷかと浮かんでいたり、道路の木陰で休んでいたり自由きままに過ごしている。小さなカモの集団がうごめいていたり、大きなクロハクチョウが水際で涼んでいたり。このクロハクチョウと白いハクチョウがむっちゃ大きいので結構迫力がある。固く大きなくちばしを見ていると指とか噛みちぎられそうな気がする。子供は怖がりそうだ。こんな目の前で見られるところも珍しいのでは。
水鳥と戯れつつ湖に浮かぶ一本道をひた進む。




しばらく歩いて偕楽園に到着!日本三大名園のひとつ。岡山の後楽園は前に行ったことがあるので二か所目制覇!
園内は広く、半分くらいは梅林になっていて梅の名所としても知られている。ほかには日本式の庭園や杉林、好文亭という建物などがある。こちらは人も少なくのんびりとまわれた。

まずと梅林に入ってみる。シーズンではないので花はなく緑の葉がついている。この梅林がとにかく広くて行けども行けども梅の木だらけ。細い通路が無秩序に伸びていて、360度まわりが梅の木だらけで景色があまり変化しない。そのためどんどん奥へと進んでいくと、園内マップを見ながらでもどこにいるのかよく分からなくなり確実に迷う。富士の樹海よろしく訪れるものを迷宮へといざなう偕楽園の梅林。

梅林迷宮を抜けて森の中にある好文亭を眺めて高台のへりにあたる芝生の広がる庭園までやってくる。眼下に広がるのは先ほど歩いてきた千波湖とその向こうの水戸市街地。水戸のお殿様もここからの眺めを楽しんだのだろう。

偕楽園の隣の大きな神社にお参りに寄ってから千波湖の方へと戻る。




今度は千波湖の南側をぐるりとまわって水戸市街の方へと戻る。大きな湖の淵を再びひたすら歩く。湖の周りには公園や休憩所なんかも多く家族連れがたくさん遊びに来ていた。水戸市民のオアシスといったところだろうか。

ただとにかく大きな湖なので歩けどもなかなか市街地に近づかない。湖の向こうに遠く中心街のビルが見えている。しだいに体力が奪われていく。千波湖を歩いて一周する際はそれなりの覚悟が必要だと分かった。
暑い陽射し、ときより寄ってくるハクチョウ、追い越していくジョガー、夏の午後・・・



千波湖周遊灼熱地獄を抜けてやっと水戸の中心部へと到着。
水戸駅の南側は県庁所在地っぽいオフィス街や大きな商業ビルが多い。人通りは少し少なく静かで落ち着いた感じ。ファミレスに入ってお昼ご飯。ドリンクバーで水分補給。しばらく体を休める。

千波湖から続く桜川を渡って水戸駅の方へと戻る。暑いな陽射しの中かなり歩いた水戸散歩。水戸城下の香りを残しつつも結構な都会だったな。

また常磐線に乗り込み南へと戻っていく。




常磐線の旅、最後は土浦にちょっとだけ寄り道。目的は茨城を代表する大きな湖、霞ヶ浦。土浦駅で電車を降りて霞ヶ浦の方へと歩いていく。少しずつ日が傾いてきた。少し歩くと視界に霞ヶ浦が見えてきた。初めて見たけどでっかい!遠くにかすかに陸地が見えるがほんとの対岸はもっと向こうで見えないのだろう。その名の通り夕方の霞んだ空気の中、遠くに舟が走り湖岸には散歩する地元の人たち。

夕暮れの湖岸を歩いて駅の方へと帰っていく。湖岸には何が釣れるのか釣り人たちが等間隔にならんで釣竿を垂らす。小さなヨットハーバーにはいくつものヨットが停泊している。しだいに日が落ちて赤暗く湖面が染まっていく。停泊するボートの影が暗く伸び、釣り人たちが片づけ始める。もう連休も終わってしまうのか・・・



土浦駅に戻って最後の常磐線列車に乗り込む。薄暗い田園風景の中を電車は進む。再び喧噪の大都会東京へ。
暑さでちょっと疲れたけど、のんびりした地方都市の空気と歴史ロマン、歌姫の歌声に癒された常磐線の旅でした。今度は東北まで足をのばしてみたいな。


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