先日、母が投資詐欺に遭ったことを書いた。
自分のお金を失うだけならまだしも、
友人や親族のお金も増やしてあげようと声をかけて、すごい金額を集めて振り込んでしまった。
母を信じて何百万も振り込んだ人がこれほどいると言うのも驚いたけど、娘の私が問い詰めて弁護士事務所に相談して詐欺事件として早めに手を打てて本当に良かった。詐欺師からは今も、意味不明なそれらしい言葉の羅列のラインが届いている。
もっと早く気がつかなかったのかと、
自分がもっと母に寄り添っていたらと、
悔しくて自分が許せず、苦しい気持ちに潰されそうだった。
そんな中、アイロンかけながら、録画していた奇跡体験アンビリーバボーを見ていた。
6月15日放送の難病と戦う親子と医師達の、奇跡のような話だった。
この番組を見て、涙が止まらず、書く気力が湧いてきた。内容はざっくりと、↓
神戸に住んでいた市川裕太くん、明るく学校が大好きな男の子。小学3年生になりまもなく、学校の尿検査で異常が見つかり、ネフローゼ症候群と判明←尿に蛋白が大量に漏れだすために体中がむくみ、通常はステロイドを使えば1ヶ月ほどの入院で治ると言われていた。
1ヶ月の入院後、ステロイドが全く効かず難治性ネフローゼ症候群という、根本的な治療法がなくいずれ腎臓移植が必要になる病気と判明してしまった。
長期の入院が避けられないため、地元の神戸大学医学部附属病院に転院した。
そこで担当となったのは飯島一誠先生と、当時新人医師だった野津寛大先生。
転院後はステロイドパルス療法という通常の10〜20倍のとんでもないステロイドの量を投与する事て、小康状態を保つことができたが、薬の副作用で顔がパンパンに腫れるムーンフェイスといわれる症状が出た。裕太くんはやっと待ちに待った学校にも通う事が出来た。心無いクラスメイトに腫れた顔をバカにされても、大好きな学校で友達と過ごす時間は、とても幸福な喜びだった。
しかし、病状は悪化して、腎不全を発症。移植が必要になり、検査の結果、お母さんである玲子さんが適合し、腎臓移植。
難治性ネフローゼ症候群の完治をかけた腎臓移植は、無事成功した。それなのに、新たにお母さんから頂いた腎臓にもう一回同じ症状を発症してしまった。
野津医師も顔が真っ青になった、しかも更に最悪なことに、新たに、移植後リンパ球増殖症という致死率100%で治療法も見つかっていない病に。
新人医師の野津先生は、その病名も初めて耳にした、その後必死に論文を読み漁ったけど、どこに書いてあるのも、致死率がめちゃくちゃ高い、治療法がないといった内容。
野津先生は、医師は諦めたらダメだけど、この子はもう助けるのは無理だな、と半分思っていたそうだ。
それでも諦めず世界中の論文を読んでいき、
それまでほとんどの論文で『これは死ぬ病気だ』と書いてあったのに、2,3年前に出来た新薬で、悪性リンパ腫用の治療薬であるリツキシマブが、移植後リンパ球増殖症に効果があるという論文を3本見つけた。
しかし、大きな壁があった。
まずはリツキシマブの移植後リンパ球増殖症への使用は、世界のどの国でも認められていなかった、しかもそれを子どもに使用するなんてもっての外、製薬会社に問い合わせても絶対に辞めてくださいと言われる、
それでもこのままでは致死率100%の子どもの命、救うためにはこれに賭けるしかないと判断して上司の飯島医師に相談した。
すると飯島医師がこう言った。
その治療をしなかったために、裕太くんがなくなっても、医師の責任を問われる事は無い。
しかし、その薬を投与して副作用でなくなったら、野津先生、医師の責任だぞ。
最悪の場合、君は医師を止めなければならない可能性もある。
病院だってどうなってしまうか。
だが、命を救う可能性が1つしかないなら、それに賭けるしかない。
責任は私が取る。裕太くんにリツキシマブを投与しよう。
そうして親御さんの承諾を得て、命を賭けた治療がなされ、なんと、見事リンパ腫が跡形もなく消えてしまったのだった。
そればかりか、難治性ネフローゼの症状も、リツキシマブを投与した次の日に、数値が一気にマイナスに。
奇跡が起こったのだ。
母親の腎臓移植までして再発した難治性ネフローゼ、更に移植後特有の致死率100%の治療法の無い病気の発症、死へのカウントダウン、
それを、すべての医師生命をかけて救った2人の勇気ある医師たちの決断。そして全ての病気が身体から消えたのだった。奇跡だ。
子どもの命を救いたいという医師達の思いが、二つの難病が完治するといつ奇跡を起こしたのだった。
そして番組の最後に野津先生が、このリツキシマブの治療に詳しい医師を紹介しますと言って出てきたのが、お医者さんとなった裕太くん。
自分と同じネフローゼを患う子どもたちを現場で治療しながら、この疾患の研究をしている。
この医師達の『目の前の人の命を救うために』諦めない姿勢や勇気、我が子のために腎臓をあげるお母さん、自分に起こった奇跡や愛を循環させる裕太くん、全てが尊くて涙が止まらなかった。
みんな誰かのために、自分が犠牲となっても目の前の人のために生きている。
ところが、逆の人達もいる。自分の利益のために、他者を踏みにじる。人に与えるのではなく、奪う人達がこの世界には存在している。
けど、私は母の詐欺事件を通して、騙される方が悪いと痛感した。そのような他力な生き方、欲深さ、愚かさというパズルのピースが整っていたから、詐欺師に引っかかったのだ。
詐欺師は子どもは騙せないという。なぜなら、欲が無いから。
自分が足るを知り、日々精進していれば、こんなつまらない謳い文句に心迷わせる事は無いはずだ。
詐欺師はもちろん悪い。でもその漬け込まれた弱さの責任は、自分で取らなければならない。
今週はとにかく知人や親族への返金をするために、母の積立や貯蓄、保険など全て解約し、兄弟でもお金を出して、まずは返済計画を立てた。
あと残り1人は待ってくれるというので甘えて、絶対に全部返す。
感動したのは、弟もそのお嫁さんも、妹も、みんな快く母の借金を立て替えるために、なけなしのお金を出してくれた事だった。
また、借金を待ってくれると言った母の親友は、こう言った。
私があなたを信じて出したお金だから、もういいよ。騙されて取られたの、可哀想。私も増えると聞いて出したんだから、私のお金は無くなった、返さなくていい。もう300万追加でおろしてこなくて良かった!それだけでラッキー。
これ、言えるだろうか??この方、70才近いパートタイマーだよ。
親族はすぐ返せと言ってきたのに、母の裕福でない友人のこの言葉が聞けただけで、詐欺にあって良かったとまで思える。
また、弟や妹の男気、親のケツは我こそがふく!!という太っ腹さに驚いた。なんなんだ、こいつらは。私が兄弟の中で一番現金を持っておらず、申し訳なかった。でも兄弟の母のために渋る事なくお金を出してくれたのも、感動した。これも奇跡体験だ。
という事で、色んな方からメッセージ頂き、1週間経って少しずつショックが和らいで来たので、また書くことが出来た。暖かいお声かけ、本当にありがたかった。今後は投資詐欺の啓発もしていきたい。
『奇跡体験、人のために。』
↓他の少年サッカーブログ読めます!
いつも応援クリック、ありがとうございます!
にほんブログ村
◆オススメ
↓とにかく止まる蹴るが大事。左右両足でボールを馴染ませるためのリバウンドネット。
↓イチオシの本。何回も自戒を込めて読んでます。