◇解説
元子爵、椿家の乱れた人間関係によって生まれた兄妹の起こす連続殺人事件を解決する金田一耕肋の活躍を描く。角川春樹事務所の企画で復活した金田一耕助は東宝で石坂浩二の主演で四本製作されたが、今回は、同じ角川春樹事務所の企画だが、西田敏行の主演で東映で製作された。脚本は「柳生一族の陰謀」の野上龍雄、監督はにっかつで「女の意地」を監督した後「太陽にほえろ!」「青春ド真中!」などのテレビ・シリーズを手がけている斎藤光正、撮影もテレビで活躍している伊佐山巌がそれぞれ担当している。
1979年製作/136分/日本/配給:東映/劇場公開日:1979年1月20日
◇ストーリー
昭和22年、銀座の宝石店で、店員数名を毒殺し、宝石を盗みとる凶悪な殺人事件が起きた。椿英輔子爵は、この犯人と酷似していたため、容疑者の一人として取り調べを受けたが関西に旅行中だったというアリバイが立証され、釈放となった。だが、英輔は娘の美禰子に遺書を残して失踪し、2カ月後、死体となって発見された。ところが、英輔の妻、[火禾]子や周囲の人人が自殺したはずの英輔らしき人物を目撃するのだった。脅えた[火禾]子は彼の生存を占う「砂占い」の儀式を行なった。金田一耕助も美禰子や等々力警部の依頼で立会った。出席者は美禰子、[火禾]子をはじめ、[火禾]子の兄の新宮利彦と妻の華子、伯父玉虫伯爵、その妾菊江、書生の三島東太郎、その妹で女中のお種であった。占いのあった夜、玉虫が殺された。調査を進める金田一は三島は英輔と一緒に須磨に行っていたということをつきとめた。事件のカギがそこにあると直感した金田一は須磨に向かった。そこで金田一は意外な新事実を聞いた。それは、三島は[火禾]子と新宮の兄妹の間に生まれた子であり、お種は新宮が別の女に生ませた子であるということだ。その頃、椿邸で新たな事件が発生した。新宮が殺されたのだ。途方に暮れる等々力警部の前に金田一がやって来た。彼にはもう犯人が判っていた。(後略)
◇スタッフ
監督 斎藤光正 脚本 野上龍雄 原作 横溝正史 企画 角川春樹事務所 製作 角川春樹 プロデューサー 橋本新一 撮影 伊佐山巌 美術 横尾嘉良 音楽 山本邦山 今井裕 録音 宮田重利 照明 梅谷茂 編集 田中修 衣装デザイン 宮内裕 製作進行 小島吉弘 助監督 新井清 スチール 加藤光男
◇キャスト
- 金田一耕肋 西田敏行 等々力警部 夏八木勲
- 椿英輔 仲谷昇
- 椿[火禾]子 鰐淵晴子
- 椿美禰子 斉藤とも子
- 新宮利彦 石濱朗
- 新宮華子 村松英子
- 玉虫公丸 小沢栄太郎
- 菊江 池波志乃
- 信乃 原知佐子
- 目賀重亮 山本麟一
- 三島東太郎 宮内淳
- 三島種 二木てるみ
- 風間俊六 梅宮辰夫
- 妻・敏江 浜木綿子
- 妙子 北林早苗
- 千代 中村玉緒
- 慈道 加藤嘉
- お玉 京唄子
- うめ 村田知栄子
- 山下刑事 藤巻潤
- 沢村刑事 三谷昇
- 田村刑事 熱田一久
- 出川刑事 住吉道博
- 刑事A 亀山達也
- 刑事B 清水照夫
- 鑑識係 佐川二郎
- 植木職人 山浦栄
- 村人 小田登枝恵
- 天銀堂店長 中田博久
- 天銀堂女店員 関谷ますみ
- 天銀堂店員A 木村修
- 天銀堂店員B 幸英二
- 闇屋A 田中春男
- 闇屋B 勝野賢三
- 信州の杣人 金子信雄
- 作造 中村雅俊
- 電報局々員 秋野太作
- 雑炊屋の親爺 横溝正史
- 植松 角川春樹
◇映画レビュー
評価:2.5 「傑作ここに誕生せず」 近大さん
・・・原作者自ら「この恐ろしい話だけは映画にしたくなかった」と語るほど数ある金田一の事件群の中でも、悲劇的で、陰湿で、歪み乱れた、ドロドロドロドロ渦巻く愛憎劇。監督の斎藤光正は古谷金田一のTV版“横溝正史シリーズ”の『獄門島』での手腕を買われ、抜擢。おどろおどろしい雰囲気は巧く出している。しかし、雰囲気はいいが、ミステリーとしての醍醐味やドラマ性に欠けた。松竹の『八つ墓村』もちとミステリー要素に欠けているものの、それを凌駕するほどのインパクト抜群の怪奇ホラー性やアダルトなムードのドラマ性があったが、本作はいずれも及ばない。
また、重要部分が幾つか脚色もされている。“悪魔ここに誕生す”の文字を消すのがまさかの金田一自身だったり(!)、何より犯人とその動機。犯人の復讐の動機となるある人物が本作では生きている設定となっていて(自殺はしようとしたが)、これじゃあ犯人の悲劇性が少々薄れてしまった感は否めない。それから、これを言っちゃあ元も子も無いが…、西田敏行に金田一は合わない。渥美金田一も賛否分かれているが、それ以上ではないだろうか。人間臭い金田一像ではあるが…、やっぱりどうしてもイメージではない。だって、金田一はあんなにぽっちゃりではないもん!
キャストでは、鰐淵晴子の妖艶さがひと際印象的。原作シリーズでは何度か登場する金田一のパトロン的存在の風間(演・梅宮辰夫)の登場はユニークだが、金田一と美禰子のロマンス的な関係は蛇足だった。総じて、まあまあか後一歩。
※やっぱり古谷一行さんが金田一をやったTV版“横溝正史シリーズ”が「ベスト悪魔が来りて~」であろう。アレ超えるリメイクは考えられん。2018年には吉岡秀隆が金田一をやるスペシャルドラマもあったようだが、あまり興味はないな~。
●予告?
※西田さん、まだ顔がシュッとしてた頃ですねー。
・クランクイン! これだけは…金田一耕助シリーズ『悪魔が来りて笛を吹く』Tシャツ発売
Tシャツアパレルブランドのハードコアチョコレートが、1979年に製作されたサスペンスミステリー映画『悪魔が来りて笛を吹く』とのコラボレーションによる、映画のイメージを表した不気味なデザインのTシャツを発売した。
日本サスペンスミステリーシリーズの金字塔ともいえる「金田一耕助シリーズ」で。ひときわ異彩を放つ作品の映画版『悪魔が来りて笛を吹く』は、悪魔の吹く不気味なフルートの音とともに起こる連続殺人事件で、旧華族で起こる血の惨劇、その裏にかくされた人間の愛と憎しみ、妖しいロマンを漂わせて幻想的な殺しの美学が展開するストーリー。金田一耕助役を西田敏行が熱演し、今までにない金田一像を作り上げている。
このコラボで描かれているデザインでは、今にも不気味なフルートの音が聴こえてきそうなトラウマ必至のものとなっており、まさに「この映画だけはTシャツにしたくなかった」巨匠・横溝正史の世界観を再現している。
ハードコアチョコレートは映画やプロレス、漫画にアニメ、特撮、更には萌えまで、コアな題材をパンキッシュなデザインで飲み込み、様々なアンダーグラウンドシーンで話題を巻き起こした雑食“ハードコアな”ブランド。“過激だがクール”で洗練されたデザインは、国内外のコアなTシャツユーザーに圧倒的な支持を得ており、Tシャツ界の悪童の異名を持つ。
※これはお洒落怖~いTシャツです。欲しいかも!
●堺正章、『西遊記』で共演の西田敏行さんについてコメント
※西遊記つながり。沙悟浄と猪八戒が天に召されました・・・。
★感想:西田局長の涙が懐かしいッスー。
☆オマケ 月替わり企画「日めくり」カレンダー
11月は【今日もアン ミカ】
★11月18日(月)
『あかん!壁際ワード!』
(「前に〇〇って言ったよね?」「なんで〇〇してくれないの?」は
相手に「ごめん」しか言わせず壁際に追い込むワード。
尊厳を傷つけるので気を付けてね。)
●アンミカ、仲の良いフワちゃんに苦言「宣材写真の貸し出し多い」
※3年前のフワちゃんとのトーク。
フワちゃん、ここでも問題発言ししてるぅ~~~?
☆細かすぎて伝わらない○○○○
※アンミカの中に「アカン」の3文字が入ってんねんなー。全面カット。