■解説
「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの同名私小説を原作に、笑いにとり憑かれた男の純粋で激烈な半生を描いた人間ドラマ。
不器用で人間関係も不得意なツチヤタカユキは、テレビの大喜利番組にネタを投稿することを生きがいにしていた。毎日気が狂うほどにネタを考え続けて6年が経った頃、ついに実力を認められてお笑い劇場の作家見習いになるが、笑いを追求するあまり非常識な行動をとるツチヤは周囲に理解されず淘汰されてしまう。失望する彼を救ったのは、ある芸人のラジオ番組だった。番組にネタを投稿する「ハガキ職人」として注目を集めるようになったツチヤは、憧れの芸人から声を掛けられ上京することになるが……。
「キングダム」シリーズなどで活躍する岡山天音が主演を務め、仲野太賀、菅田将暉、松本穂香が共演。井筒和幸、中島哲也、廣木隆一といった名監督のもとで助監督を務めてきた滝本憲吾監督が長編商業映画デビューを果たした。2023年製作/116分/G/日本
配給:ショウゲート、アニモプロデュース
劇場公開日:2024年1月5日
■スタッフ
監督 滝本憲吾 原作 ツチヤタカユキ 脚本 滝本憲吾 足立紳 山口智之 成宏基 エグゼクティブプロデューサー 成宏基 プロデューサー 前原美野里 撮影 鎌苅洋一 照明 神野宏賢 秋山恵二郎 録音 齋藤泰陽 藤本賢一 美術 安藤秀敏 菊地実幸 装飾 岩井健志 衣装 馬場恭子 ヘアメイク 楮山理恵 編集 村上雅樹 音楽 村山☆潤 助監督 齊藤勇起 制作担当 後藤一郎 宣伝写真 三宅英文
■キャスト
■映画レビュー
評価:4.0 「泥臭くカッコ悪く最後まで往け!!」 ななやおさん
2024年1月7日・・・岡山天音さん、仲野太賀くん、菅田将暉くんと大好きな俳優さんが揃って3人もご出演とあって、昨年末から公開をとても楽しみにしていた作品です。ハガキ職人のツチヤタカユキさんの実話くらいの浅い知識で鑑賞しましたが、十分に見応えがあり、今年の映画第1作目として大変楽しめました。天音さんは、人間関係不得意で笑いに取り憑かれた鬱屈不安定な主人公を見事な憑依的演技で快演。まさにカイブツ…。待ちに待っていたピンク髪の菅田くんは、中盤に登場し出番こそ少なかったですが、大事な役どころで存在感がもはや眼福。主演でもなくこういう役どころの菅田くんは、大変力が抜けていて観ていて気持ちいい。そして仲野太賀さん、どんどんいい役者さんになられてお父様もきっと喜んでいることでしょう。
私の目的としては、大好きなこのお三方の演技を堪能したという時点で既に合格点なのですが、ストーリー的に見るとなかなか重たいお話ではありました。実話ということもあり、サクセスストーリーなのかと思いきや、最後まで鬱屈としていて希望はない。映画用に体裁よく整えられたラストのある物語とは違い、私たちは現実を思い知らされる。
成功とは、運を掴んだ者だけに与えられるものなんだと。チャンスは等しく誰にでも与えられる。人生の大事な局面では、助けてくれる人も現れる。大切なのはそれに気づくこと。そして掴もうと必死にもがくこと。そして最後まで決して諦めないこと。鑑賞後、原作本やツチヤタカユキさん、モデルとなった芸人さんについて調べました。その上で思うのは、主人公の才能を信じて応援してくれる人がいることを忘れずに、最後まで泥臭くカッコ悪く闘い続けてほしいということ。本作が映画公開となったことは、不器用にこの世の中を生きている人たちの光となるのかもしれません。主人公の今後の生き様こそが、本当のこの映画のラストになるのだと応援して見守っています。
※ネガティブ窪田正孝、というイメージの岡山天音クンがなかなか上手かったゾ。
ラジオ投稿時代の様子は、もう我がことのよう。こういうハードな道もあったのか?
などと身につまされながらの鑑賞だったヨー。
●90秒本予告
※ネタ職人で桁外れにスゲエなー、って思った存在は、自分の場合で言うと「ウノT」氏だ。今やプロの構成作家として「レコメン」などでご活躍中だが、何本ほど読まれんねん!と毎回呆れ返るレベルだった。きっと何十本もの投稿をし続けていたんだろう。そしてツチヤタカユキよりはもっと余裕を持っての職人活動だったんじゃないかと思えるーーー。
「笑いのカイブツ」観てきたよ🎥/笑いに取り憑かれてた。ここまで取り憑かれるのは羨ましくもあり憧れすらある。みんな好きで初めてるけど様々なことにぶつかるのはどんな職業でもあると思う。得意なこと不得意なことは誰しもある。それがどストレートに映画になっていてびしびし伝わってきました。器用な人は重宝されるだろうし素晴らしいと思う。ただそういう人だけじゃないし、不器用な中にも素晴らしいものはあるよね。
この作品はツチヤタカユキさんという作家の実話に基づいた映画です。作家だけでなく様々な方が刺激を受ける作品だと思います。ぶち当たって砕けても這いつくばっている姿はとても美しかった。
※人間関係不得意な作家さんは、書斎に閉じこもってネタだけを直接制作現場にメールを届けるってことも不可能じゃない時代に入ってるよなーーー。漫画家さんの感覚。ちょっとストイック過ぎて見ていて辛い部分も多々あった。で、他の作家さんへのあまりのリスペクトの無さは、如何なものかと思った。実際にああじゃあ、TVのお笑い界じゃあ食っていけそうにない。
随分書評も出ていますが、自殺念慮と戦いながらの壮絶なお笑い青春私小説。自殺することばかり考えながらものすごいペースでギャグを書いていたて話しなんかは、うちの社長とおんなじタイプかと想像しながらのイッキ読み。
読後、気になりちょとググッたら、お笑いとしてこーゆー裏側の気持ちを出版するのは禁じ手と思いながら、今ではそれも笑ってくれれば、と語る本人インタビューを読みほっと一安心。その感じは自分も歌でやってるのでいつか彼に聴いて欲しいと思ったり、いつか一緒に曲を作りたいと思ったり。わしはシドビシャスでもカートコバーンでもないけれど。
あと、うちの社長がかつて市川崑さんにインタビューした時のエピソードを思い出したり。『東京オリンピック』を撮ったばかりの頃、これだけ世間に評価される映画を撮ってどんなお気持ちですか?てゆー質問に対して市川崑監督は、『自分は一喜一憂してる暇はない』とお答えになったそうです。
一喜一憂してる暇はない。
すごいです。次元が。アイデアの具現化は排泄行為であるかの如くとにかく出す、それだけなんですね。著者もそのタイプの表現者のようです。岡本太郎と西村賢太と高橋源一郎が好きてのも○。
※映画は、ネタの挿入の仕方が雑だったなァーーーー。そこら辺はきっと原作小説のほうがビターっ!!ってハマってるんだろうなー。また機会を見つけて読破したい。
●文化放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」の 大島育宙のコラムコーナー
※ゴッホ、宮沢賢治ルートの「死後認められる系」w って言い方ワラウー
・悪食のシネ満漢全席 『笑いのカイブツ』 純粋に向き合うが故の悲劇
悪食 70点 今年 29本目
新宿シネマートへ。鑑賞結果、
一つの物事に純粋に向き合うことがどれほどの苦行であるかを見せつけてくる。辞めれば楽になるかもしれないのに辞めれないのはもはやサガかも。
【ネタバレ感想】
(前略)大阪に戻ったツチヤは、実家の戻りオカン(片岡礼子)にお笑いはやめたと宣言する。
しかし部屋の壁の穴を見ていると、またもやネタが浮かんできた。ツチヤは無心にノートに鉛筆でネタを書き始めた。エンド。という映画です。
お笑いに対して純粋に向き合い、それが評価につながると信じていたツチヤタカユキ。
しかしお笑いもまた社会の中の一つの世界に過ぎなかった。お笑いだけで生きていける世界ではなかった。純粋に面白いものだけが生きている世界でもなかった。そんなお笑いオタクの閉鎖された精神世界にだけ生きていた男が生活をするという世界ではなかった。ツチヤタカユキはお笑いのアーティストなんだろう。お笑いに対して一切の妥協はなく、純粋にお笑いを極めたいと思っていた。そこには正義しかないと思っていた。
しかし西寺が言っていたように、お笑いも社会の一つであって、その中で人にちょっとした光があたればいいくらいなんだというのがツチヤには理解出来ていない。社会不適合者と言ったらそれでおしまいだが、何かに純粋に没頭する人間はみんなそんなものかもしれない。ツチヤタカユキは、「笑いのカイブツ」なのだろう。でもそんなカイブツはこの世の中には無数にいる。世に出てこないだけ。認識されないだけなのかもしれない。カイブツは幸せな人生を送れるのだろうか?精神は幸福だろうが。
※オカンがいい存在感。我らが青春、片岡礼子様ジャーーーン!(^^♪ムフフフ
・Yahoo!ファイナンス つぶ焼き 〖 きい屋 〗の掲示板
この映画〖 笑いのカイブツ 〗すごかったなぁー!観てる間ずっと苦しかった😆
涙が出たわ。才能あるから突き動かされて辞めれなくて、メインは笑いなのに、いろんな外野が入ってきて、主人公人間関係不得意なのにそれを切り離しては仕事がしずらい。だからといって妥協できない。お酒弱いのにお酒で紛らわせて、身体ボロボロになって、し☆のうと思っても し☆にきれず、苦しいのにやっぱり突き動かされて辞められない。
天才は一日にして成らずって言葉も浮かんできたわ。菅田将暉が出てることによってホッとした。主人公(役者名何だっけ?)と菅田将暉、いい役者だねー
★感想:身につまされる映画はとっても貴重!
☆オマケ 月替わり企画「日めくり」カレンダー
9月は【「リトルミイの毎日のことば」】
★9月10日(火)
『「おばかさんたちが、あたいを助けようなんて、
やってきませんように・・・・・・。それじゃ台なしよ」』
(「ムーミン谷の冬」より)
※スナフキンはときどき社会のモラルに反することもやってのけますが、その点ミイは口だけは達者ですがけっこう常識派、なのですー。
☆細かすぎて伝わらない「人生を台無しに」動画~~。
●あなたの人生を台無しにする人【5選】
●岡田斗司夫マインド 【クズの法則】その人はあなたの人生を台無しにしてきます
※クズの法則。クズはクズを呼ぶんだそうだ・・・。