【老婆心】学校生活を中心に | 栗山家の日常

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夢はでかくなけりゃつまらないだろう 胸をたたいて冒険しよう

老婆心シリーズも、そろそろまとめに近づいて来たかなと思います。

都立中は基本的にどこも「大学進学を目指す進学校」なので、どうしても勉強や成績が、学校や親の関心の中心になりがちです。
ですが、都立中に入ってすぐ塾に通ったり、大学受験に直結しないからといって学校の課題や活動を切り捨てることは、老婆心からはおすすめしないです。
それは非常にもったいないと思うからです。


なぜなら都立中はどこも、特色のある取り組みや探求活動が様々あり、これが点数や偏差値では測れない、ものすごく大きな学びや成長を与えてくれます。
学校行事や探究活動のグループワーク、そのどれもが「ひとりではできない」ものばかりです。
たとえひとりで取り組む課題であっても、例えばプレゼンテーション系ものであれば、それをクラス全員の前で発表するので、他の人の発表を見て切磋琢磨することができます。

机に向かって一人で勉強することが「個人の学び」とすれば、学校でクラスメイトとグループになったり学年を超えてチームになって取り組む活動は「集団の学び」で、そのどちらもが同じくらい大切だと思うのです。

「個人⇔集団」その両面を成長させることができる絶好の場が学校です。

人は一人では生きていけないし、社会に出て自立して生きていくために、学生時代にたくさん人と向き合って、人に揉まれる経験をたくさんしてほしい。自己主張するときもあれば、人の意見を聞いて折衷案を考えたり、協力したり、時にぶつかったり、失敗したりしながら、最後までやり抜く力を鍛えてほしい。そしてそこにやり甲斐や喜びをいっぱい感じて、もっともっと挑戦心を高めていってほしい。

社会に出てから一人でやれることなんて、たかがしれてます。
一輪車よりも、二輪の自転車の方が遠くまで行けるでしょう。三輪車ならもっと安定もします。四輪車になればスピードも出せますね。六輪車以上になれば何トンもの重い荷物を運ぶことができるようになります。


大学受験に直結しないからといって、「学校行事はやりたい奴にやらせて、適当に手を抜こう」とか「発表課題めんどっちいから、ネットで検索しながら適当にみつくろってお茶を濁そう」とか、手を抜いてしまうのは、成長の機会損失がものすごく大きく、本当にもったいないと思います。

実際、大学受験攻略法として、「自称進学校の学校行事はそこそこにしておくこと」と堂々と勧めている塾産業者もいますよね。
確かに、ものすごい労力と時間を奪われるブラックな側面もありますから、「絶対に現役で!」とか「医学部に入りたい!」とかいう場合に、優先順位を立てて合理的に時間を使っていくためには、仕方ないかなとも思います。


正直言って私自身も、定期考査前に長男が凝りに凝ったアートワーク制作を夜中までやっていたときは、「そこまでやる必要あるの?もうちょっと簡単でいいんじゃない?」と言ってしまったことがあります。
でも長男は、「どうしてもこれを完成させたいんだ!」と言って、提出期限ギリギリまで粘ってやっていました。


後日見せてもらった生徒たちの提出作品群の中で、長男のそれは明らかに熱量を帯びていて輝いて見えました。先生にも絶賛され、本人もさぞご満悦かと思いきや「時間があればもっとこうしたかった」と悔しがっていました。長男の頑張りは他の子にも良い影響を与えているようでした。


もしこの課題にかけた時間を、テスト勉強に振ったら、10点くらい上がったかもしれません。でもそのテスト10点か分より、計り知れない価値ある学びをしたと誇りに思うと同時に猛省しました。
何かに本気で取り組んでいる子どもに向かって、妥協をそそのかすなんて本当に愚かな母親だったと思います。


この3年間、コロナでそういう集団の学びの機会が何度も何度も、潰され、奪われ、縮小されてきました。
中高一貫6年間のうち、その半分がコロナ禍で縮こまっているうちに過ぎ去ってしまいました。
たらればを言っても仕方ないですが、つけられたはずの経験値の損失を思うとため息がでます。

でもやっと!やっと!!今年からは活動も戻ってきそうです。
机に向かう「個人の学び」は最悪卒業してからでもできますが、「集団の学び」は今しかできません。
受験生になる前のこの1年間を、全力で応援したいと思っています。

 

青春はプライスレスだから!


学校生活を最優先にして、そのシワ寄せが成績に及んで現役失敗した場合、浪人もやむなし…!と子どもには絶対に言いませんが、静かに腹をくくりつつある栗山さんです……いや……嘘です……全然覚悟決まってないです……しばらくもがくと思いますぅ……泣


今年入学したご家庭は、6年間楽しみながら、意欲たっぷりに経験値積んでほしいです!