信号が青になる前に
近くにいること 気付いてよ
前回、記事にした大貫妙子の「横顔」。
EPOも大貫妙子の「横顔」をカバーしている。
だけどEPOで「横顔」と言えば
この曲の方が好きだ。
雨の中、信号待ちをしていた時、
ふいに目に入った横顔。
それは別れたあの人。
雨のめぐり逢い EPO 1982年
まぎれもなく あなたなのね
きっと…… きっと……
信号が青になる前に
近くにいること 気付いてよ
胸が"きゅーっ"となる、切ない願い。
実話らしい。
当時、EPO 22才。
彼女自身が選曲に携わった
1999年の2枚組ベストアルバム
「epocha 1980-1986」に
角野恵津子のインタビューの形で
7ページに及ぶ長いライナーノーツがあり
「雨のめぐり逢い」については
次の様に書かれている。
「雨のめぐり逢い」は実話でありまして
「異国行き」のモデルになった
ボーイフレンドととうとう別れてしまって、
おまけにその人が結婚してしまって、
その人を何年ぶりかで見かけたことがあったの。
最終的には本人じゃなかったと思うんだけど、
もし本人だったら声をかけようかなと思ったり
しながら、すごくドキドキして。
でも私はその人にフラれたから、
なんか自分からは声かけられなかったっていうか。
意地でしょうね。実際はその人、
本人じゃなかったんだけど、
信号待ちの間に
ものすごい心が揺れちゃったんですよね。
それが歌になったんだと思います。
意地で(恥ずかしくて?)
自分から声がかけられなかった。
だけど、どうしようもなく心が揺れる。
だから
「信号が青になる前に
近くにいること 気付いてよ」
か。
若いな。だけど若いっていいな。
今ならそう思う。
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「雨のめぐり逢い」はEPOの3rdアルバム
「う・わ・さ・に・な・り・た・い」の曲。
作詞/作曲 EPO、編曲 清水信之
1982年5月21日リリース。
「THE BEST STATION JOEPO 1980-1984」
「epocha 1980-1986」
等の
ベストアルバムにも収録されている。
この曲は演奏者のクレジット表記が
アルバムによって異なっている。
このためEPOの資料として参考になる
ホームページ「EPOの砂場」の見解に従った。
Drum:青山純、村上秀一
Bass:中村裕二、富倉安生
Guitar:大村憲司
Keyboard:清水信之
Synthesizer:清水信之
Back vocals:大貫妙子、安部恭弘、
宮田茂樹、EPO
編曲はおなじみの清水信之。
バックボーカルに大貫妙子、安部恭弘、
宮田茂樹プロデューサーが参加。
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アーケードから
つたうしずくが
人待ち顔で佇む人の
肩や腕に舞い降りてく
そっと…… そっと……
見知らぬ人を ひとりはさんで
ふいにのぞいた その横顔は
まぎれもなく あなたなのね
きっと…… きっと……
信号が青になる前に
近くにいること 気付いてよ
少し猫背で
雨宿りする背中に……
Beating heart……
Beating heart……
昨年の夏に 家を出たから
遅れて読んだ あなたの手紙
返事も書けず 気にしてたの
本当…… なのよ
19の年に あなたがくれた
コロンの香りも 今は淡く
別れとともに 耳たぶから
消えた…… けれど
はがゆいばかりの ひとコマは
人ゴミに
いつかさらわれて……
突然の五月雨の
粋なはからいに
Beating heart……
はがゆいばかりの ひとコマは
人ゴミに
いつかさらわれて……
見覚えのある チェックのシャツに今でも
Beating heart……
Beating heart……
小雨は音もなく
まだ降り続いてる……
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以下は過去記事です。