愛は echo 愛は echo
同じ答えよ 信じあえば聞こえる
どこにいてもどこにいても
結ばれてる それは愛の神話

 

愛の神話 (Silhouette) 松田聖子 1981年

松田聖子の3rdアルバム「Silhouette」の曲。
アルバムの1番最後の曲だ。

当時、高校生だった僕は
買ったばかりのアルバムを前にして
この曲をリピートしながら落ち込んでいた。

どこにいてもどこにいても
結ばれてる それは愛の神話


"うそじゃねーか こんなの" と。

若かった。恥ずかしいね。

僕にとってアルバム「Silhouette」の印象は悪い。
収録曲が悪いわけじゃない。
リリースタイミングが悪かっただけ。
熱烈なファンだった僕が悪かっただけ。

アルバム発売直後の
郷ひろみとの熱愛報道のせいだった。
(https://ameblo.jp/john-smith2022/entry-12780257163.html)

それから時間がたって
このアルバムを振り返ると
それ以外に色々思うことがある。

1)三浦、小田が参加した最後の聖子のアルバム
このアルバムを最後に、初期の松田聖子を支えた
作詞家 三浦徳子、作曲家 小田裕一郎が退く。
財津和夫が5曲を作曲し、松本隆が初めて加わる。

信田かずおの編曲もこのアルバムが最後。
「青い珊瑚礁」の編曲の大村雅朗だけは
その後も長期にわたり聖子を支える。

作詞/作曲/編曲陣の大きな入れ替えが
あったアルバムだ。

2)Silhouette(シルエット)というアルバム名
聖子のプロデューサーの若松宗雄によれば

シルエットという言葉は
光と影に彩られた聖子の魅力も意味している
歌は光だけではダメ 翳りもないと


なので、アルバムの帯は
「扉をあけたら もうひとりの私…聖子。」
としたという。

この「シルエット」という言葉が含まれているのが
このアルバムで1曲だけ作詞している松本隆の
「白い貝のブローチ」だ。

 

白い貝のブローチ 松田聖子 1981年
作詞 松本隆、作曲 財津和夫、編曲 戸塚修

離れるシルエット
暮れなずむ愛は
さよなら


別れの曲だ。聖子の翳りの曲。

一方、三浦/小田による
松田聖子のデビュー曲「裸足の季節」には

頬をそめて 今走り出す私
二人ひとつのシルエット


という有名な一節がある。
実に対照的だと思う。

 

裸足の季節 松田聖子 1980年
作詞 三浦徳子、作曲 小田裕一郎、編曲 信田かずお

3)アルバム最後の曲「愛の神話」
「愛の神話」の間奏は
「裸足の季節」と良く似ている。
わざとじゃないのと思うくらい。

「愛の神話」は
作詞 三浦徳子、作曲 小田裕一郎、編曲 信田かずお

聖子のデビュー曲「裸足の季節」と

全く同じ布陣だ。

愛は echo 愛は echo
同じ答えよ 信じあえば聞こえる
どこにいてもどこにいても
結ばれてる


愛は echo 愛は echo
こだましあう花に姿変えて
歩き出した二人の道
咲いているでしょう
それは愛の神話


聖子のデビュー曲を作った彼ら3人は

この「Silhouette」の最後の曲を作って

全員入れ替わる。


松本隆によって
"離れるシルエット"にされちゃったけど

「裸足の季節」にも似た
最後の曲「愛の神話」で
"どこにいてもどこにいても結ばれてる"
にしてくれた。

 

これも彼らの最後の仕事だったと

僕は思っている。

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「愛の神話」
松田聖子の3rdアルバム「Silhouette」のB面最後の曲。
作詞 三浦徳子、作曲 小田裕一郎、編曲 信田かずお
1981年5月21日リリース。

「裸足の季節」
松田聖子のデビューシングル。
松田聖子の1stアルバム「SQUALL」にも収録。
作詞 三浦徳子、作曲 小田裕一郎、編曲 信田かずお
1980年4月1日リリース。

「白い貝のブローチ」
松田聖子の3rdアルバム「Silhouette」のA面2曲目。
作詞 松本隆、作曲 財津和夫、編曲 戸塚修
1981年5月21日リリース。

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以下は過去記事です。


「Silhouette」の印象が最悪だった話


三浦/小田/信田による聖子のデビューアルバム1曲目


三浦/小田による最後の聖子のシングル