バスは今 ひまわり畑を
横切ってあなたの街へ

 

失恋魔術師(シングル版) 編曲 萩田光雄

太田裕美と言えば男女会話形式の曲。


歌詞が長く、
「木綿のハンカチーフ」
「ピッツア・ハウス22時」
「スカーレットの毛布」
は4番まで、
「赤いハイヒール」
は3番まである。

この「失恋魔術師」も
4番まである男女会話形式の曲。
だが少し別扱いされているようだ。

それは、この曲だけが
作詞 松本隆、作曲 吉田拓郎
ということがあるだろう。

曲調が違う。

先にあげた曲は、全て
作詞 松本隆、作曲 筒美京平 なのだ。

そもそも太田裕美のシングルA面は
1stから13thまではずっと
松本隆/筒美京平の組合せ。
この11th「失恋魔術師」を除いては。

また正確にはこの曲は、
男女の会話形式じゃない。
自分自身との会話だ。
松本隆がちょっと仕掛けたのかな。
失恋魔術師は
"彼女の不安な心"が作り上げた幻だ。


きっと彼女は過去に別れの経験、
約束をすっぽかされた経験があるのだろう。

彼がいる今も、会う前に不安がよぎる。
失恋魔術師はそんな曲だと思ってる。

松本隆/筒美京平じゃないからか、
太田裕美っぽくないと思われているのか、
少し世間の評価が低い気がするが
僕はこの曲も気に入ってる。

それまでの太田裕美の曲に比べて
なんといっても明るいからだ。
最後もハッピーエンド。いい曲だ。

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「失恋魔術師」は太田裕美の11thシングル。

作詞 松本隆、作曲 吉田拓郎、編曲 萩田光雄

1978年3月21日リリース。当時23才

1978年2月25日リリースの7thアルバム
「背中合わせのランデブー」
にも収録されており、こちらの方が先。

アルバム版のアレンジは鈴木茂。
これも悪くないが、このアルバムの太田裕美は
のどを痛めていて少し苦しそうに歌っている。

 

失恋魔術師(アルバム版) 編曲 鈴木茂

アルバムはオリコン3位で健闘したが、
シングルはなぜか22位。
ラジオでは「失恋魔術師」がよくかかっていた
記憶があるのになぁ。
 

夜のヒットスタジオ 1978/4/24

久しぶりにこの曲を聴くと、なぜか
昔テレビで見たキャンディーズの
解散コンサートが頭に浮かんだ。
もしかして同じ時期?
と思って調べてみると確かにそうだった。
(解散コンサートは4月4日、TV放送は4月7日)

太田裕美とキャンディーズの3人は
デビュー前、スクールメイツで
活動していた仲間。


愛するハーモニー スクールメイツ 1972年
https://www.youtube.com/watch?v=wUZNk5Vc0po から

吉田拓郎はキャンディーズに対しても
「やさしい悪魔」「アン・ドゥ・トロワ」
(いずれも1977年)の作曲で楽曲提供している。

 

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以下は過去記事です。
太田裕美の男女会話形式の2曲。

 

 


太田裕美の記事は今回で8つ目になりました。