no.002 安定した音、不安定な音 | ジョンのブログ

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 どういうわけかオーディオの世界では音の安心感や安定感ばかりが話題にのぼる。しかし、私はつねづね音の不安感の再現性こそ、音楽を構築する上で重要なファクターだと感じている。


 私はシングル構成(*1)のパワーアンプ(*2)を好まない。それはテンションノートが上手く響かないと思うことが多いからだ。テンションノートとは和音の響きに緊張感を与え、かつ和音進行を阻害しない音のことだ。例えばドミソの和音にレの音を足すとCナインスという独特の緊張感をもった和音が出来る。この場合レの音がテンションノートである。

 シングル構成(*1)のパワーアンプは偶数倍のひずみ(*3)が多く、耳に心地よい歪が付くという。耳に心地よいのだから、聞けば心地よい音がする。

 心地よい音を聞かせると圧倒的多数の人が、その音をいい音だと言う。だから、それはいい音には違いない。

 私もそのような音に不快感を感じない。だから、その音を良い音だと言わざるを得ない。しかし、演奏者としての立場から言わせてもらうと、心地よい音ばかり出るアンプや、ホールは困りものだ。
安感や緊迫感を十分に表現できない。

 ここに
聴取者と演奏者の意識の乖離があるかも知れない。

 偶数次歪(*3)の多いアンプと、奇数次歪(*4)の多いアンプ。どちらがいい音のするアンプなのか。そして、世に言う“いい音”が、本当にあなた音楽にとっていい音なのか。ぜひ一度考えてみてほしい。


 緊迫感と安堵感の対比に秀でていると感じるアンプとして、私は上杉研究所が発表している真空管式パワーアンプに信頼を寄せている。

U-BROS-33MK2【税込】 上杉研究所 真空管式モノラル・パワー・アンプ UESUGI ...
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 音質は中庸を得ており、プリアンプによって変幻自在である。音の動きに対してはすこぶる敏感で生々しい。肩の力が抜けた玄人好みの音だ。

 安全な設計だからギターアンプにもオススメである。垢抜けした印象や、大御所っぽさが出せると思う。質のよいギタープリアンプなどを噛ませれば高級ギターアンプの更に上を行くハイエンド・ギターアンプが作れる。

 上杉研究所では、ギターアンプにも使用しやすいモノーラル構成のパワーアンプもラインナップされている。
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¥285,600
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 使用にあたっては、RCA←→フォノの変換プラグを使えば良い。
↓プラグは、インターネットのサウンドハウスで100円ほどで購入できる。
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=233%5EAPR212%5E%5E

 上杉研究所のアンプは不安定な音は再現するが、動作としては安定している。したがって、ケーブルの良し悪しを選ばない。その点も評価したい。

*1 シングル構成のパワーアンプ :
 スピーカーを動かすためのパワーアンプはトランジスターや真空管などの電子部品でできている。
 トランジスターや真空管などを指して出力素子と呼んでいるが、通常、パワーアンプのスピーカー駆動部分は、音の波形を上下に分割し、それぞれ二本の出力素子に分担させて音を増幅している。このようなアンプの出力構成をプッシュプル構成と呼んでいる。
 それに対し、シングル構成のアンプは、音の波形を分割せず、一本の出力素子のみで音波(電波)を増幅してスピーカーに伝えている。簡単に作ることができ、失敗が少ないが、音の波形が上下で不ぞろいになってしまう。

*2 パワーアンプ:
 ここでは、スピーカーの振動板を前後に動かすために電波を増幅する電子機器のこと。スピーカーはパワーアンプから送られた電波を音波に変える。ちなみに音波を電波に変える機器がマイク(マイクロホン)である。

*3: 偶数次歪( ぐうすうじひずみ)
 アンプ増幅の際、元の音に対して、2倍、4倍、8倍etc...の波長を持つ偶数倍の音波が付加されること。これを偶数次歪みという。耳に心地よい音とされる。

*4: 奇数次歪( きすうじひずみ)
  アンプ増幅の際、元の音に対して、3倍、5倍、7倍etc...の波長を持つ奇数倍の音波が付加されること。これを奇数次歪みという。