ブラームス(シェーンベルク編曲) : ピアノ四重奏曲第1番 | JohnnyClassic

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【指揮】 クリストフ・エッシェンバッハ

【演奏】 ヒューストン交響楽団

【録音】 1995年

 

先日、エッシェンバッハ氏の同曲のYouTubeでの演奏が素晴らしい、との事で書きましたが、マイナーながら、ブラームスの第五交響曲とも称されるこの曲、CDの方でも持っておきたいなあ、と思いました。

 

有名なのは、ドホナーニとVPOのですが、どうも盛り上げりに欠け、指揮者の限界を感じる演奏でした。やはりエッシェンバッハ氏にとってはこの曲は十八番の様で、20世紀に録音を残しています。ヒューストン交響楽団、正直、初めて聴きましたが、いい演奏だと思います。アメリカの楽団らしく明るい音色で、オーマンディのフィラデルフィア管に似ている様にも思いました。

 

以前より、もはやCDではなく、Spotifyで何でも聴けてしまう時代になりました。このブログでは、入手しやすい国内盤の紹介を心掛けていました、また、輸入盤にまで手を広げると、自身のライブラリもお金面も際限がなくなってしまいますので。ですが、ここにきて、Spotifyにも上がって来ない様な、まさにCDによる名盤を挙げてみるのも面白いかな、なんて思い始めました。

 

このCDも以前は国内盤も出ていましたが(エッシェンバッハ氏のドアップのセンスのないジャケット^^;)とっくに廃盤です。そのため、Amazon.comから直接、輸入盤の新品を取り寄せました。1997年発売なので良く私のために残っていてくれたなあ、と思います。ジャケットは当初のこちらの方がずっと良いですね。リマスターなどはされていませんが、20ビットで録音されているのと、さすがRCAのRED SEAL、それなりの音で問題なく聴けます。

 

エッシェンバッハ氏のこの曲の特徴は、第1・3楽章は、他の演奏者のCDより時間が長いのに、反対に第2・4楽章は一番短い、という点です。敢えて、遅い、とは書きませんでした。聴いていても決して遅いとは感じません。むしろドホナーニのなどは、セカセカしている様に聴こえます。また、第4楽章も特別速いようには感じません。先日の投稿でも書きましたが、力点の集中とメリハリが効いています。そのため、盛り上がる箇所はひときわ盛り上がり、聴いていて高揚します。


曲的には、第1楽章はオープニングらしく、第2楽章は今ひとつ良くわかりませんが、第3楽章はしっとりとしていて良いですが急にシェーンベルクぽく賑やかなところも、第4楽章はラスト僅か数十秒のクライマックスに向けて、という感じです。

 

先日のYouTubeの演奏の方が全体的には少しゆったり目ですが、フィナーレはむしろこのCDのより早くて、20年経過してもなお、よりエネルギッシュになっていらっしゃる事に驚きます。エッシェンバッハ氏はやはりピアノのイメージがまだ強いのですが、元より最終目標は指揮者であったようで、背筋がシャンとしていて、太ってなくて、指揮台に立っている姿がカッコいいですよね。やはり指揮者はこうであって欲しいですね、さすがでいらっしゃいます。

 

このCDには、バッハの曲も併録されています。悪くないですね。

 

シェーンベルクは、戦時中にナチスの迫害から逃れてアメリカに来たわけですが、そこで指揮者のクレンペラーに勧められて、オーケストラ版に編曲を施したとの事です。自身も演奏者だったので、四重奏曲の事は知り尽くしていたのでしょう。やはり編曲の決定的な箇所は、ブラームスが使わなかった鉄琴などの楽器類の追加ですね。実のところ私的には、それ程ブラームスの交響曲の延長の様には聴こえてきません。それらの楽器類の使い方から、やはりシェーンベルクの無調のわけわからん(笑)音楽に近いな、と思います。


がやはり、私も含め、ブラームスが好きなリスナーにとっては、聴き逃せない曲ではないでしょうか。このブログでもカテゴリはもちろんブラームスの交響曲内に放り込んでおります。現在はこのCDの入手は困難ですので、良かったら先日の投稿のYouTubeで気軽にお聴きになってみて下さい。