ブラームス : ハンガリー舞曲集 | JohnnyClassic

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ロック・ヴォーカリストJohnny が、厳選し紹介する
次世代にも引き継いで行きたいクラシックの名盤選集です
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【指揮】 ジョルジュ・プレートル

【演奏】 シュトゥットガルト放送交響楽団

【録音】 1997年

 

前回からブラームスとマイナー盤続きです。

 

晩年ウィーンフィルとの数度のニューイヤー・コンサートなどで評価を高められたプレートル氏。一度このブログでも取り上げておきたいな、と思いました。なぜか不思議な事に2010年のニューイヤーはBlu-rayでの発売がなく(その前の登板のCDはかなり売れたとの事だったのに)、結局HD画質で映像作品が残っていないのが残念です。ニューイヤーでは、苦虫を噛み潰した様な表情と(笑)、独特な動きが良かったですね。笑顔が多いお顔の写真を見ても、氏の楽し気なご性格が伝わってきます。

 

wikiでも「時折見せる奇抜さ」と書かれていますが、少し変わった演奏をするところがあり、それが往年の大指揮者の様な評価に結び付かなかったのかもしれません。巨匠時代はやはりカラヤンやショルティらの音楽を聴いて十分満足していましたし、実際CDも多くは出ていません。以前にサン・サーンスの交響曲全集を有していましたが、結局、ミュンシュの3番「オルガン付」だけでいいやとなり、売り払ってしまっていました。

 

そんな中、唯一手元にあるのがこの盤。これも前回同様、輸入盤で希少盤です。この曲でも、最も有名な5番は、かなりユニークな解釈をしており、到底初心者に勧められる盤ではありません。が、5番を聴き飽きた者にとっては面白いですね。

 

この曲は、アバドとVPOによる盤が有名です、以前持っていた様な気もします。テンポが速い爽快な演奏で、かつかなり激しめです。一般的にはそちらの方が良いでしょうね。

 

プレートルは、私の中ではテンポが遅い方のイメージがあります。最も遅い群がバーンスタインやジュリーニやベーム辺り、その次といった感じです。ニューイヤーもちょっと遅めでした。この曲でも決して速くはありませんが、ブラームスらしい、やや枯れた堂々とした演奏になっています。

 

私は冒頭の1番が1番好きなのですが、ここでのプレートルの解釈は、切ない感じで進み、ラストは大仰に締めくくります。この締め方がとても良くて、アバド盤とは全く異なっています。一旦タメを作ってから締めくくるプレートルの方がグッときます。あらゆるこの曲の録音の中で一番良い締め方の様に思っています。アバドのは全曲中の1曲という感じですが、プレートルのはたった3分のこの曲で、もう一つの交響曲を聴き終えたかのような感じです。

 

あとは、5・6番までは分かるのですが、7番がおとなしいからか、以降は、例えば適当に聴かされて、今何番が演奏されているか、なんて絶対に分かりません(笑)。リスナーさんで分かる方いたら凄いですね。1曲毎は2分程度なので気軽に聴けますが、通して聴くと50分以上もあり、到底気軽には聴けません。最後は段々飽きてきちゃうので、分けて聴いた方が良い様に思います。

 

録音状態からも、VPOの様な明るい音色ではありませんが、ドイツのシュトゥットガルト放送交響楽団(現在は統合されて無くなりました)の演奏はブラームスらしさがあっていいですね。