【指揮】 ダニエル・バレンボイム
【演奏】 シカゴ交響楽団
【録音】 1994年
何だか新しい録音のイメージがありましたが、もう30年前ですか!信じられないですね。まさに光陰矢の如し。
以前に2枚組の方を所有していましたが、曲数が多く、楽団も異なったりと、ややぼやけた感があり、この1枚ものの方がスッキリしており、最近買い直しました。いわゆるワーグナーの序曲や前奏曲の有名なものがほぼセットされています。足りないのは「リエンツィ」くらいです。昔は好きでしたが、最近はあまり好みでないので、収録されていなくても個人的にはOKです。
反対に、「さまよえるオランダ人」が入っていない盤は選びませんでした。ワーグナーではこの曲が一番好きですね。このCDでは1曲目に配置されているのが良いところです。
さて、ワーグナー、このブログではようやくの登場です。かつての第二次世界大戦中のドイツのイメージがあったり、歌劇は例によって言葉が分からないのでパス、というところから、あまり聴いてはきませんでした。当時と同様、私もブラームス派でして、ブルックナーの様なワグネリアンとは対極にいます。
最近のドイツの政治もまた色々とややこしいようで、のど元過ぎればという感じが心配ですね。日本もそうですが、敗戦国だからこそ良い国に生まれ変われたと思いますし、もう二度と繰り返して欲しくない、繰り返させてはいけない歴史ですね。
このCDでは僅か6曲、900円台で購入出来ましたが、大仰なワーグナーには相応しくないこれくらいのスッキリ感が、私的には丁度いいですね。実際、演奏もスッキリしています。まだショルティが存命で、バレンボイムがシカゴを譲り受けた後の録音ですが、ショルティのと比べると、TELDECの清澄な録音にも拠るのでしょうが、とてもクリアな音像です。
ワーグナーというと文句なしにショルティですが、ショルティのとどちらを選盤するか迷いました。ダイナミックさではショルティが上でしょうか。先の、「さまよえるオランダ人」の冒頭のテンポが、バレンボイムの方が速くて、私の感覚にピッタリでした、これが決定的要因です。ショルティのより録音状態も良いですしね。以前から書いています、意外な程のシカゴ響の弦楽陣の美しさが堪能出来ます。
「ローエングリン」では、なんかバレンボイムがぶつぶつ言っている声が聴こえます、これはマイナス材料。でも特に好きな曲ではないので構いません。「トリスタンとイゾルデ」は抒情的な雰囲気で良いですね。正直、バレンボイムの指揮はどうでも良くて(ごめんなさい)、シカゴ響の演奏を聴いているという感じです。バレンボイムは未だにやっぱり昔のピアノのイメージが強いです。CDの帯には、「現代最高のワーグナー指揮者」と祀り上げられていますが。
まあ、そう聴くと(^^;) 1000円を切る値段で、粋も集まっているし、1枚持っていても損はないかな、という盤です。2枚組の時はバレンボイムがジャケットでしたが、1枚になるとワーグナーご自身になりました、こっちの方が渋くて良いですね。