シューマン : 交響曲全集 | JohnnyClassic

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ロック・ヴォーカリストJohnny が、厳選し紹介する
次世代にも引き継いで行きたいクラシックの名盤選集です
このブログで、クラシックを好きになってもらえると嬉しいですね ♪

【指揮】  リッカルド・シャイー

【演奏】  ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

【録音】  2006年~2007年

 

さて、以前はセルのものを選盤していました。交響曲として演奏すると問題があるとの楽譜を改訂し、ステレオ初期に録音するなど並々ならぬ思い入れを感じられました。

 

が、今聴くと、ちょっと走り過ぎで、どんな曲なのか良く伝わってこないところがあります。テンポは遅いよりは速い方が良いですが、ここまで速いとセカセカして聴こえます。音が古いのも難点。

 

そもそも、シューマンの交響曲を、このブログのテーマである、ロックのファンにも聴いて楽しんでもらえるかどうかとなると、うーんどうかなあ、と思うところもありました。

 

4つの交響曲の作曲年は、1番→4番→2番→3番、となっており、個人的には1番と4番しか好んで聴きません。2番は、2楽章の管楽器によるピローンという箇所(笑)が何とも幼稚くさく、3番はラストがこれまたもっさい。4曲しかないので、全集で録音される事が殆どですね。

 

さて、1番を基準に選盤する中で、これはとても分かりやすいのですが、1楽章の冒頭の解釈や演奏で好みがハッキリします。オルフのカルミナ・ブラーナにそっくりな箇所があります。ここをテンポ良く、かつ大仰に演奏しているのが好きです。遅かったり、サラっといくと迫力に欠けたり。また、1楽章自体が11分を超えるものはパスしました。

 

となると、実は名盤が非常に少なく、ハイティンクとコンセルトヘボウのは、コンセルトヘボウの嫌いなところではなく良いところが出ていて、テンポ感も良かったです。ただ、冒頭の金管が、ブベッ、という音を出していて、ちょっと。全体的な響きはとても良いと思うのですが。

 

他のは殆どがテンポが遅いです、セルの9分台が早過ぎるんですが。そこで、ようやくですが、このシャイーの盤。10分台に収めていて、冒頭と途中のカルミナ・ブラーナに似た箇所は、とても迫力があります。

 

という訳で、この盤しかないかな、という決まり方をしました。ライプツィッヒ管は、シューマンの交響曲を初演しているところも理由です。

 

音的には、録音のせいもあるのか、少しピリオド奏法の様に感じる音で、正直に言うとあまり好みではないかもです。もうちょっと滑らかな音が良いですね。

 

何よりの特徴は、ジャケットに大きく書かれている様に、マーラーによる改訂版だという事です。確かに、セルの盤は、幾重にも折り重なった音がセカセカ動いているイメージですが、だいぶ音の隙間が空いたな、という感じです。

 

シャイーとライプツィッヒ管のマーラーのBlu-rayがとても良かったですから、その延長で聴くと、やはり所々にマーラーっぽさを聴き取れます。金管の扱い方なんかはそうですね。それ程シューマンの交響曲を好きではなく、反対にマーラー好きにとっては、あたかもマーラーの曲の様に聴けるので好ましいです。

 

どの曲のどの楽章もテンポは速めで、退屈させないところも良いですね。先の通り、曲としておススメできるのは1番と4番です。シューマンの交響曲についてはこれくらいで。時折、ドイツの交響曲らしさを感じるところもありますが、やはりベートーヴェンや弟子のブラームスの方が上です。となると、シューマンの交響曲を聴く価値はどこにあるのかな、などと思うのですが、シューマンのピアノ曲が好きで、交響曲もちょっと聴いてみたい、そんな感じで聴かれるのかもしれません。過去、私自身もそうでした。

 

ちなみに、このCDは、国内盤ではあっという間に生産完了で、私自身も輸入盤で何とか入手出来ました。大体の交響曲全集のCDに併録されているマンフレッド序曲などが収録されていないのはいささか寂しいところです。