チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 | JohnnyClassic

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ロック・ヴォーカリストJohnny が、厳選し紹介する
次世代にも引き継いで行きたいクラシックの名盤選集です
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【指揮】 ヘルベルト・フォン・カラヤン

【演奏】 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

【録音】 1984年



第5番から少し時間が開きました(^^;)  年明けの仕事が思ったよりバタバタとして、熱が出て、仕事しては寝込んで、また治りきらず、次の日仕事して寝込んで、という繰り返しの新年一週目の仕事でした(笑)。この連休で回復させて、ようやくブログにも戻ってきました。


さて、その間にも、改めて数度聴いたのですが、やはり素晴らしい曲ですね。この「悲愴」は、サブタイトルのこともあり、とても人気がある曲です。カラヤンの最後の来日(ベルリンフィルと)のプログラムは悲愴で、ショルティの最後の来日(ウィーンフィルと!)も悲愴でした。両方とも実演を聴けて本当に幸せでしたが、そのようなこともあり、私個人的にも思い入れの強い曲です。


悲愴と言うタイトルは、チャイコ自身がつけたものではありません。チャイコ自身は、作曲しながら何度も泣いたそうで、初演後数日で謎の死を遂げていることからも、内容と合っているように思います。とは言え、優美な第2楽章や、タランテラと行進曲を組み合わせた勇壮な第3楽章もあり、聴いて落ち込むような暗さではありません。


大きな特徴は、やはり第4楽章が、静かに消え入るように終わること。これまで私が言及してきた交響曲の順では、ブラームスの第3番以来です。ブラームスの3番は、実演では盛り上がらないのですが、悲愴の場合は、聴衆も大盛り上がりで感動します。第4楽章は退屈だと思われる人もいるかもしれませんし、実のところ私も前の3楽章に比べると落ちるような気はしますが、この悲愴は静かに終わることで、完璧な構成になっているように思えます。


私が選んだのは、カラヤンがウィーンフィルと再び蜜月の関係になった80年代の録音。カラヤンを選ぶなんてベタだと思われるかもしれませんが、実に同曲7度目で(恐らく最多でしょう)、曲への並々ならぬ意欲を感じます。ウィーンフィルの自主性が活きた録音で、ウィーンフィル独自の間の取り方が絶妙です。金管群も喧しくなくとても良いですね。


以前も書きましたが、同時期のカラヤンの第5番の録音は全く好きになれません。不思議ですが、そこがクラシックのCDを聴く際の面白いところです! その指揮者や楽団のことを大きくは好きでも、気に入らない演奏が出てきたりします。そこで、曲ごとに自分に合った指揮者や演奏を選ぶ楽しみがあります。その作曲家の専門家といわれる指揮者のものより、その曲を生涯一度だけしか録音していない指揮者のものが案外良かったり。


さて、この盤がCDで発売された当時、実は私は友人からCDをもらい受けました。どうも友人には合わなかったとのことですが、私はもらったことも嬉しくて大切に聴いていました。第1楽章から一聴して虜になりましたね。まだ、ブラームスやブルックナーが心底好きになれなかった14歳頃(なのにマーラーは好きだった!?)でしたが、そのような私でも惹きつけられたので、初心者の方には是非お勧めしたい曲、演奏です。演奏時間も40分強とコンパクトです。


カラヤンの実演は残念ながら記憶が薄いのですが(信じられないことに半分寝てましたし…)、ショルティの実演は本当に素晴らしかったですね。


思い入れが強すぎて書き出すとキリがないので、もうこの辺りにしておきましょう(笑)。最後にもう一言、第6番「悲愴」、最高の交響曲です!!! このジャケットも好きですね♪