チャイコフスキー:交響曲第5番 | JohnnyClassic

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ロック・ヴォーカリストJohnny が、厳選し紹介する
次世代にも引き継いで行きたいクラシックの名盤選集です
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【指揮】 サー・ゲオルク・ショルティ

【演奏】 シカゴ交響楽団

【録音】 1986年


今日から新年の仕事始めの方も多いでしょうか?、私自身も年明けの事務から始めていますが、忙しないです! 体調は少し戻ってきました、でもまだ熱っぽいです。ストレスもあるのかも知れませんね…


さて、今日はいよいよ私の大好きな曲、第5番です!。昨日、熱でボーっと静養しているときにかけてみましたが、やはり何も入って来ませんでした(^^;) 音楽を楽しむには健康が大事ですね。とは言え、何度も聴いている盤なので、内容を紹介していきましょう。


この第5番は、「運命の動機」が、全編を支配します。重くて暗い第1楽章から始まり、日本のCMでも使用された第2楽章の優美なメロディ、更には第3楽章のワルツでも出てきます。そして、第4楽章では、高らかに凱旋気分で第1楽章とは全く異なり明るく演奏されます。このように、全楽章に同じメロディが登場するという交響曲は非常に珍しいですね。私は、子供の頃、第4楽章でのこのテーマを聴いて一発で虜になりました。80年代のアクション映画に登場しそうな勇壮なテーマで、とてもわかりやすいですね。


この曲、指揮者によってかなり解釈が異なってくるタイプの曲です。様々聴いてきましたが、納得出来る盤が少なかったですね。ネタバラシになりますが、「悲愴」はカラヤン&ウィーンフィルが決定的なんですが、同じコンビなのに第5番は全くしっくりときません。これがクラシックCDを選ぶ際の面白いところですが。で、私が選んだショルティは、この曲を何と3回も録音していて、これが最後の回です。70年代の2回目のものはこれまた良さを感じられませんでした。この3回目では、当時世界最高のシカゴ響の金管群は言うまでもなく、弦楽がとてもしなやかです。


第1楽章は、ベートーヴェンの第九の第1楽章のように大変な切迫感をもって盛り上がります。金管群に負けじと切り込むストリングス陣、この第1楽章の素晴らしさがショルティ盤の大きな特徴です。他の盤は盛り上がりに欠けるものが多いですね。テンポは総じて速めで、第4楽章はもう少し落ち着いてもいいかな、と思うのですが、一気呵成に聴かせる求心力を備えています。


改めて、曲自体に話しを戻しますと、第2楽章は本当に美しく、チャイコフスキーの全曲中でも最高の出来ではないでしょうか。交響曲にワルツを持ちこむと言うところが、「白鳥の湖」を書いたチャイコらしいですが、第3楽章の優美なワルツ、いいですね。その後のヒロイックな第4楽章が活きます。


第3楽章までは、重い運命はどんなときでも顔を出す、みたいな感じですが、最後の第4楽章では、その運命を受け入れて、人生を輝かしいものにしていこう!、というような気概を感じます。曲の解釈は人によって様々だと思いますが、私にはそのように聴こえます。「悲愴」に比べると、サブタイトルがないことと分かりやす過ぎて世間の注目が低いのではないかと思いますが、素直に聴くと本当に素晴らしい交響曲です! チャイコの写真のドアップ(アップ過ぎるよね(^^;))のジャケットも、この曲こそがチャイコ、そして十八番なんだ!と、ショルティが勝負してきた感じがしますね。