チャイコフスキー:交響曲第4番 | JohnnyClassic

JohnnyClassic

ロック・ヴォーカリストJohnny が、厳選し紹介する
次世代にも引き継いで行きたいクラシックの名盤選集です
このブログで、クラシックを好きになってもらえると嬉しいですね ♪

【指揮】 サー・ゲオルク・ショルティ

【演奏】 シカゴ交響楽団

【録音】 1984年



年末までの仕事の忙しなさと、年明けにランニングやトレーニングを頑張ったせいか、微熱状態で苦しんでいます(´Д`;) 温かくしてボーっと過ごしていますが、4日=4番ということで、なんとか今日も書いています。


さて、この第4番から6番までチャイコフスキーの交響曲は、後期傑作として人気があるのですが、素人の私は、子供の頃から1~4と、大好きな5・6番とでは、随分差があるなあ、と思ってきました。調べてみると、作曲年は、第2番から4番(1877年)までは2・3年おきにコンスタントに発表されていて、あたかも現代のミュージシャンのようです。しかし、次の第5番までは何と11年空いています! ここがポイントですね。人はたった1年で随分成長出来ますが、11年あれば音楽に深みを増すのは当たり前と言えるでしょう。


さて、その第4番、やっぱり5・6番ほどに好きにはなれません。第1楽章は、第4楽章でも登場する「運命の動機」が高らかに奏でられて始まります。これが第5番に比べると荒削りです。第4楽章で再登場したときは、おっ、カッコいいな!、と思うのですが、この第1楽章は18分もあり、ややくどいです。


第2楽章は、5・6番の第2楽章に繋がるかのような、チャイコらしい哀しい優美な音楽ですが、もう一歩と言う感じです。第3楽章はピチカートが主役、第4楽章は運動会で流れるような一風変わったリズム中心の音楽です。


この盤に話を移しますと、これはもう断言しますが、このショルティ・シカゴ盤でしょう。前回も書きましたが、僅か4年後にアバドが同じ曲をシカゴと録音していますが(後出しジャンケンみたいで本当に感じが悪い)、全く追いついていません。

ショルティを嫌いな評論家は沢山います。ウィーンフィルのメンバーでさえ「ヒステリックなカマキリ」と言っていたくらいですから(苦笑)。しかし、ショルティは本当の天才です。リズム感が体に染みついていて、♩=数字を、完璧に再現できる、とインタビューでも言っていました。人間メトロノームですね(笑)。また、戦時中に大変な苦労をしてきたことも、その音楽性に結び付いていると思います。


このブログを書き始めて、案外初めて出てきたコンビですが、ショルティ&シカゴ響の録音として、最高傑作だと思います。先述した曲の内容をカバーすると言うか、最高の内容に仕上げています。他の指揮者の盤では、この第4番を好きにならなかったでしょう。この曲が彼らにピッタリなのは、ご自慢の当時世界最高の金管楽器陣にあります。他の交響曲では金管が目立ち過ぎて、う~んと思うこともありましたが、この第4番ではそのソリッドな金管陣が抜群にハマっています。ショルティの剛直な指揮がまた良いですね。ショルティ71歳にして、初めての第4番の録音でした。一リスナーとしては、ショルティの最高到達点だったと思います。


第1楽章と第4楽章のエンディングの音の一糸乱れぬ素晴らしさ、重厚さには身震いがするくらいです(今、熱があるからではありません(^^;))。曲としてはそれ程お勧めは出来ないのですが、ショルティ&シカゴ響を聴かれる際には、是非この曲を、と思います。私自身、ショルティが好きな友人に勧められて聴くようになりました。クラシックのジャケットって、変なものも多いのですが(アバドのブラ4なんかはリハーサル中で、セーター着てる写真で理解できません…)このジャケットは素晴らしいですね!