Back to the 80's 83年のビッグバン | クラバート・ガレージ

Back to the 80's 83年のビッグバン

うあのように!


あのようだ!


猫族です。


猛暑いかがお過ごしでしょうか。今日は思い出話でも。

え?次回作?やってます。


今回から数回、キャットタワー1510さんの 資料協力による、84以前のゴジラ話。


そう、あの熱かった時代です。


ハイカラスター金曜クラブ

写真提供:キャットタワー1510さん


我が家のゴジラ第1号。我が家における初代ゴジラですね。

勿論、マルブル世代ではないもんで、必然的にポピーだのバンダイだのになります。


多分に一生でイチバン触りまくり、眺めまくったゴジラ。買ってもらったシチュエーションまで覚えてるわ。


モスゴジモデルではありますが、最大公約数的「昭和ゴジラ」でもあります。

まぁ商品名も、STゴジラだし(この名称、本来は、若干大きいサイズで発売されたゴジラDXことキンゴジとの差異ですが)。



ハイカラスター金曜クラブ

写真提供:キャットタワー1510さん

無駄なく、美しく流れるボディライン。真横からの写真が無いので若干説明しにくいのですが、非常に重心も安定してます。まさに、ゴジラofゴジラ。この頃のバンダイのソフビの造型はホント良かった。


まぁこのブログをご覧いただいてる皆さんなら、最大のポイントはこの”手”ですよね(笑)


そう、井上工房のバンザイゴジラと同じポーズ…。


ハイカラスター金曜クラブ

写真提供:キャットタワー1510さん

当時、バンダイはガレージキットを非常に意識していたようで、井上氏、速水氏等、当時のGK最前線におられた方々とも接触しています。


ただ、”接触時期”がイマイチ明確じゃないんですよ。あたりまえですけど。


たしか83年の雑誌にバンダイ(ポピーだったかも。あるいは合同。ポピーとバンダイの関係について、それほど詳しく知らないのでわかりません。すみません。)の見本市の写真があり、その際に展示されていたのは“バンザイゴジラそのもの”でした。


その見本市の写真を見る限り、多分、当初は、あれをそのままビッグソフビ化する予定だったのではないかと思います(あるいは広告塔的に使用したのか?)。この案は結局、ほぼ同じサイズ、同じ原型師、同じモスゴジの2号である某キットが原型になりましたね。

ただ、この写真が、僕にとって衝撃だったのは、ガレージキット先行の企画であることが強く伺える、という点です。

要するに、企画があって、井上、速水氏に白羽の矢が立った。

というのと、

井上、速水氏の造型物の影響がマスにも届いた。

では、多少意味合いが異なってくるのではないかと思うんです。

そもそもビッグソフビゴジラがあのサイズになったのだって、あのサイズのゴジラが“あった”からということになるのじゃないでしょうか。


勿論、同人誌、宇宙船誌の存在や、投稿、各種上映会に参加された多くのファンの熱気がメーカーを動かしたのでしょうが、両氏は当時既に、ガレージキット界の偉人であって、これはいわば、「立体物という分野」に関しましては、当時のアマチュア代表ともとれます。


同じ83年の「ファンロード」誌に、これまた見本市の写真が掲載されています。the特撮collectionの名称は決まっていなかったと思いますが、プラモシリーズの1次原型として、速水氏のGSVではないモスゴジとか、他GSVモデルが並んでいる写真もあったように思います。

この流れからいくと、「参考展示用」としては、GSVのモスゴジをそのまま用いても良いように思いますが、気合の入った造り起こしです。そして、それはボディラインだけはあのキット化されたモスゴジのモノでした。

よってこの見本市バージョンのモスゴジは1次原型と仮定します。


ハイカラスター金曜クラブ
↑これは講談社の「怪獣プラモ大百科」からの転載だが、あのキットの特徴的な尻尾の“曲がり”がこの1次原型の段階で表現されていたことが解る。付属のモスラ幼虫の1次原型は完全に別モノだった。身体が横方向に大きく湾曲していたと記憶している。


バンダイ、ポピーと共に、わずか1年で、このSTソフビ、速水氏の手がけたDXゴジラ(キンゴジ)、リアルホビーシリーズ、the特撮collectionと、大展開していくのですが、しかし、この最初期、つまり「商品展開の開始時期」、ここがもう、不明なことが多すぎる。今日のこのブログ、“仮定”やら“?”が多すぎでしょ?(笑)


各原型師の起用、そのタイミング、どれほどの原型が造り起こされ、あるいは流用され、そして実際に商品化されたのか、そして各原型師の意向、監修はどの程度であったのか。これらは完全なるブラックボックスであり、それゆえに非常に魅力的であります。完全解析、聞き取り調査などを行ってるとムック本一冊くらい書けそうですな。



同号ファンロードの表紙には海洋堂速水氏の成虫モスラがこれはそのまま載ってました。

もしかしてバンザイの載ってた雑誌は玩具系見本市、速水氏のモデルを用いた見本市は、プラモデル見本市、なのかも(このバンザイゴジラの載ってた雑誌、並びに「ファンロード」、今手元にないもんで、バックナンバーが確認できません。よって、モチロン参考写真も、時系列もはっきりしない。多分バンザイゴジラの載った雑誌の方が若干古かった記憶があるのですが…。しかし、発行時期、写真が無いとまったく意味を成さない記述ですよね。よって、この項、資料的な記述の癖に資料性がないという、格好だけは資料的な、思い出話です。なんて適当なんだ。僕の性格そのままだな。ただ、この雑誌並びに、ファンロード誌、捨ててはいないので、確認でき次第修正するかもしれません。例えば、僕の記憶違いで84年に入ってからの号だと、井上氏もリアルホビーの原型を手掛けた後ということにもなりますし)。

ちなみに当時買ってたような書き方ですが、すべて後年古書店で発掘した雑誌です。当時保育園。HJも宇宙船も勿論ファンロードも知らんです。



冒頭でも触れたSTサイズに関しては写真が残っておらず、どのルートの企画であったのかはわかりません。DXの速水キンゴジもどのタイミングで決定されたのかはわからない。

上記記事写真もキャットタワーさんの御厚意で貸していただいたのですが、ST2種(モスゴジ、メカゴジラ)が井上氏“監修”程度としかわからない。

この見本市の後の企画か、前の企画なのかもわからない。


ハイカラスター金曜クラブ
↑同大百科より、既に各キットとも発売されている時期の本ではあるが、1次原型や、発表段階のイメージモデルの写真などが混合している。子供心に、各キットとの差異に、混乱した。


この画像を見ると、ガメラは原氏のそれになっています。サイズ的にイメージモデルとしてちょうど良かったのか?


そして、いまだ解決されない、最大の疑問。

このメカゴジラ。海洋堂にメカゴジラはないし、リアルホビーの原型とも違うようだ。良く判らん。勿論、実際のキットとも全然、違う。


ハイカラスター金曜クラブ
↑手の感じなんかは実際のキットのそれに近い印象も受ける。このメカゴジラの立体物で確認しているのは、このカットのみ。それもこの大百科にしか載っていない。井上氏のリアルホビー用原型とは明らかに違う為、リアルホビー用写真の流用でもない。謎~。ホラ~。



ちょっと整理します。多分こういう感じになるのかな。

あくまで、僕の勝手な予想ですよ!


予定


ビッグソフビ

モスゴジ  →井上氏


STソフビ

モスゴジ

メカゴジラ →井上氏


リアルホビー

モスゴジ

メカゴジラ

ガメラ   →井上氏

(キングギドラは少し後か?)


プラモシリーズ 

モスゴジ

成虫モスラ

キングギドラ等 →速水氏

メカゴジラ→不明

ガメラ→原氏 

(ゴモラ他、ウルトラ怪獣は不明。ガイガン、初代ゴジラの企画はこの時期より若干後か?)



★実際★


ビッグソフビ

モスゴジ→井上氏原型(ただし別原型)

軟質素材モスラ幼虫→海洋堂原型

キングギドラ→(リアルホビー用原型使用。川村千秋氏原型)


STソフビ

モスゴジ→井上氏監修

メカゴジラ→井上氏監修

DXキンゴジ→速水氏原型


リアルホビー

モスゴジ→井上氏原型

メカゴジラ→発売されず(原型は井上氏により製作済み。後にパラダイスよりキット化)

ガメラ→井上氏原型

バルタン→小沢氏原型

大魔神→小沢氏原型

ウルトラマン→小沢氏原型


プラモシリーズ(the特撮collection)

モスゴジ→速水氏原型(このモスゴジ、大幅にモールド等に手が入っている。以下、各キットともそう考えるのが妥当か)

成虫モスラ→発売されず

キングギドラ→不明(速水氏のGSVを参考にした造り起こし)

メカゴジラ→不明

ガメラ→不明(リアルホビーのボディラインが参考にされているようにも見えるが…)

ガイガン→発売されず

初代ゴジラ→速水氏原型


サイズ的に大きいものは井上氏、小サイズが海洋堂、と当時のガレージキット界の縮図的で少々笑えますが、

恐るべきはこのカオス、そして僅か1年くらいの間にこれだけのラインナップを発売してしまったバンダイ、ポピーの底力である。

MG誌93年のゴジラ特集号に「メーカーとユーザーの蜜月時代」と題されていた記憶があるが、まさに的を射た名コピーであると言えるでしょう。こうやって振り返ると、僕はバンダイとポピーに育てられたようなもんだな。



この項の発端となったのは、キャットタワー1510さんとの思い出話、その中での「あのモスゴジ、どこまで井上さんが関わってたんだろう?」という素朴な疑問でした。


蜜月時代であり、カオス時代、プレ84とも言えるこの時代。そして俺は5歳!

非常に思い入れが強すぎ、話があっちこっちしますが、多分長くなります。


とりあえず眠たいので


つづく(笑)!!



…キャットタワー1510さんスンマセン。今日だけでは、纏めきれませんでした…。書き始めたときに聴いてたTLCの「3D」3周したし…。眠い…。てか、纏めきれるのかな~?不明なこと多すぎ~!



今回の項には、更新日時の記録も付けます。


最終更新:2010年8月9日 10:17