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 2021年4月19日に

加筆・修正しました。

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アメリカンフットボールのタックルは

よくラグビーと比較されますね。

 

「ラグビーはボールを持っている人に

しかタックルしてはいけない」

 

「アメリカンフットボールはボールを

持っていなくても誰にでもタックル

していい」

 「だからアメリカンフットボールは危ない!」


なんて言い方をされているようですね。

 

しかし、

「アメリカンフットボールは

ボールを持っていなくても

誰にでもタックルしていい」

 

って本当でしょうか?


アメフト雑談!! 「ラグビーとどう違う?」 


の中で、

ラグビーは

「ボールを繋ぐスポーツ」


アメリカンフットボールは

「作戦を繋ぐスポーツ」

と書きましたが、

それにも大きく関係しているんです。

 

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「タックル」

ってどんなイメージでしょう?


「プレーヤー同士がぶつかっている状態」

と捉えられていることが多いと思います。


ラグビーで

「ぶつかり合い」

が起こるのは、


ボールを持ったプレーヤーに

ディフェンダーが襲いかかるときだけ

ですね。


ディフェンダーが襲いかかって

ぶつかって、

相手の前進を止めることを

「タックル」

と言いますよね。


それに比べて、

フィールド上のあちこちで

「ぶつかり合い」

が起こっているアメリカンフットボールは


「みんながタックルしている」

「誰にでもタックルしていい」

と言った感じに見えても仕方ないかも

しれません。


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スクリメージラインをはさんで

オフェンス・ディフェンスが

フィールドのあちこちでぶつかり合いを

しているアメリカンフットボールは

 

「あちこちでタックルしている」

「ボールを持ってなくても、

誰にでもタックルしていい」

と言う感じに見えるかも知れません。

 

しかし、ぶつかりあっている選手全員が

「タックルしている」

わけではないんですよ!

 

実はアメリカンフットボールの

「タックル」

もラグビーと同じで、


ボールを持ったプレーヤーに

ディフェンダーが襲いかかって

ぶつかって、

相手の前進を止めるのが

「タックル」

なんです。


ラグビーと一緒なんですよ.........


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「じゃあ、アメリカンフットボールの、

あの、フィールド上のあちこちで

ぶつかり合いしてるのは何?」

との質問が聞こえてきそうですが、


「フィールド上のあちこちで起こって

いるぶつかり合い」

の大半は


オフェンスの選手の

「ブロック」

と、

ディフェンスの選手の

「ブロックをかいくぐる行為・動作」

なんです。


「ブロック」

とは、

オフェンスのプレーヤーが

ディフェンダーの邪魔をすることで、


ディフェンダーはその

「邪魔」

をかいくぐって、ボールを持った人に

襲いかかってぶつかって前進を止めます。


「ブロック?邪魔??」

「邪魔をかいくぐる???」


ちょっとわかりにくいと思うので、

もうちょっと説明します(笑)


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専門的な話をする前に

「ブロック」

をわかりやすく説明すると、例えば、

空港のロビーに出てきた有名人と、

警備員を想像してもらったらいいかも

しれません。


有名人が

「ボールを持った人」

で、


「道をあけてください!」

と、人だかりをおしのける警備員が

やっているのが

「ブロック」

です。


警備員がブロックしてくれるから 

有名人は

「通路を確保」

されて、安全に前進できますね。


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この

「有名人と警備員」

の話から何となく、


ラグビーとアメリカンフットボールの

「ボールの前進のさせ方の違い」

がわかると思います。


ちょっと専門的な説明をするために、

アメリカンフットボールのランプレーと

ラグビーを比較してみたいと思います。


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ラグビーは、

スクラムから出てきたボールを持った

人が攻撃の一番先頭にいて、

ボールを持って走りながら前進します。


ボールを持った人が

捕まりそう=タックルを受けそう


になったら横後ろにいる人にパスを

繋いで前進していく


「ボールを繋ぐスポーツ」

これがラグビーです。


ボールを持った人はある意味

自分を犠牲にしながらディフェンダーを

自分に引き付けておくことで、

繋いだボールを前進させやすくして

いますね。


これが

"One for All"

の精神の表れでもあるのかなと思います。


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アメリカンフットボールは、

ボールを持った人は通常、攻撃の後ろの

方にいて、


「前にいる味方に守ってもらいながら」

ボールを前に進めます。


「有名人と警備員」

の関係です(笑)


自分より前にいる人たちが

「走路を確保」

してくれて、そこを走り抜けていきます。


「プチプチプレーが止まる」

アメリカンフットボールですが、

プレーが止まっている間には

円陣(ハドル)を組んで作戦会議をして、


「どの走路を確保するか

=どの作戦でいくか」

を決定し、全員で共有して作戦遂行、


その作戦の成功・失敗を元に

次のプレーの作戦を立てる


「作戦を繋ぐスポーツ」

がアメリカンフットボールです。


作戦の中で決められていない限り、

ボールを持った人は、

「捕まりそうだ!ヤバイ!!」

となっても別の人にボールを渡すことは

なく、


ボールを持った人がタックルされ

前進が止まればプレー終了で、


その時点・その地点から

「ボールをどのように前に進めるか」

新たな作戦を考えながらボールを前進

させていく


これがアメリカンフットボールですね。

 

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日本アメリカンフットボール協会の

公式規則にタックルの定義があります。

 

『タックルとは、手または腕を用いて

相手側のプレーヤーをつかんだり、

抱え込んだりすることである。』

 

とありますが、

 

「タックル」は、

「ディフェンス選手が、ボールを持った

オフェンス選手(ボールキャリア)の

動き(前進)を止めること」

と捉えていただいていいと思います。

 

ディフェンス選手が、

 

オフェンス選手のユニフォームを

手で掴んだり、ぶつかって相手の体を

腕で抱え込んだりして、

 

オフェンス選手の動きを止めるのが

「タックル」

です。

 

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アメフト雑談!!  『アメフトは陣地の取り合い』をどう説明するか!? 


でも書きましたが、陣地を取り合う

アメリカンフットボールは

 

「攻撃の最前線を相手陣エンドゾーンに

近づけ、ボールをエンドゾーンに

持ち込むことで得点する」

スポーツですから、

 

オフェンスは

「少しでもボールを前に進めたい」

ディフェンスは

「少しでもボールの前進を食い止めたい」

 

わけです。

 

ディフェンスにとってやるべきことは

 

「ボールを持ったオフェンス選手

(ボールキャリア)にタックルする」

ことで、


「邪魔をかいくぐりながら、

ボールを持った人にタックルする」

のが、アメリカンフットボールの

ディフェンダーにとって普通のことです。

 

出来るものならボールを持っていない

選手にはぶつかりたくないですが、

相手がぶつかってくるわけで、


「邪魔しに来る奴は排除する」

ことも大切な仕事になります。

 

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ディフェンス選手は、

ボールキャリアに向かって

突進していきます。

 

オフェンス選手は、ポールキャリアに

向かって突進してくるディフェンス選手を

止めようとすることで走路を確保します。

 

「フィールド上のあちこちで起こる

ぶつかりあい」

の大半は、

 

「オフェンス選手がディフェンス選手を

止めようとして起こるぶつかりあい」

であって、

 

「タックル」

とは違います。

 

ディフェンダーの突進を邪魔しようと

するオフェンス選手をかいくぐり、

ボールキャリアに

「掴みかかる・動きを止める」

ディフェンダーの動きが

 

「タックル」

です。

 

 

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オフェンス選手がディフェンス選手の

突進を邪魔する

「ブロック」

と、

 

ディフェンダーがボールを持った人に

襲いかかる

「タックル」

との大きな違いは、


オフェンスプレーヤーのブロックは

 

「手または腕を用いて

相手側のプレーヤーをつかんだり、

抱え込んだりすること」

が出来ないことですね。

 


 

この写真の緑のチームと白赤のチーム、

どちらがオフェンスで、

どちらがディフェンスでしょう?


正解は、


緑がオフェンス

白赤がディフェンス

です。

白赤のプレーヤーは突進している感じ、

ありますよね。


緑がオフェンスで、突進してくる白赤の

プレーヤーを二人がかりでブロック

しようとしています。


右にいる緑のプレーヤーの左手、

「パーのまま」

で、相手を掴んでませんね。

押しているだけです。


白赤のディフェンス選手の目線を見ると、

二人のブロックをかいくぐり、

「その先にいるであろうボールキャリア」

に向かおうとしていますね。


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ディフェンスの最大の目的は

「少しでもボールの前進を食い止めること」

ですから、目の前でブロックしている

オフェンス選手にタックルしても

意味がないことになりますね。


「目の前の邪魔」

はいろいろな技を駆使して

「かいくぐる・排除する」

だけです。

 

「アメリカンフットボールのタックル」

がなんなのか、

「なんのためにタックルするのか」

が少しわかっていただけましたでしょうか?

 

今回はこの辺で。

ありがとうございました。


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最後に、私事で恐縮なのですが..........

 

私が出演させて頂きしました

 

映画「形のない骨」

(2018年7月公開 by エレファントハウス)

 

のDVD発売とレンタル開始です!

4月24日同時リリースです!

 

田中英二役で出ております。

(メインキャスト紹介欄参照)

 

映画 「形のない骨」

 

昨年夏に公開されたのですが、

DVD付属の小冊子に、キャスティングの

裏話などが書かれています。

 

監督は

「CM界の『女性美の魔術師』」

と呼ばれている小島淳二氏。

 

長く、資生堂のCMを担当されていた

方です。

 

NHKの「わろてんか」の

タイトルバックのCGや、

 

最近で言えば、米倉涼子さんの

アサヒビールのCMだったり、

 

ドリカムのMVなんかもやっている方です。

 

小島監督のその他の作品、

こちらのサイトからご覧いただけます。

 

http://www.teeveeg.com/

 

よろしくお願い致します!

 

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他にも、こんな作品に出ています。

 

関門PR動画「Come on! 関門」

 

フェリーの上で英語を喋っている変な

おじさん役です!

 

「A kind person」

これには

 

「自殺志願のサラリーマン」役ででてます!

 

これらもよろしくお願い致します。

 

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次回は、

 

「QBのスローイング 

体軸回転とコマネチライン軸回転の役割」

について考えてみたいと思います。

 

先日、

「QBのスローイング 体軸の回転とコマネチライン軸の回転」

を書いたばかりですが、

 

この二つの回転軸それぞれの役割について、

J.I.的考え方について書いてみようと思います。