「ボールをしっかり握る」

フットボールを投げるときによく聞く

アドバイスです。


ボールを投げる上でのQBとボールとの

唯一の接点ですし、

スローイングの基礎を作る大切な要素です。


とは言え、実際の試合ではボールをしっかり

握れない状況で投げないといけないことも

ありますし、

手が小さいなどの理由でしっかり握れない

こともあります。


今回は

「ボールをしっかり握れない状況で投げる」

について考えてみたいと思います。


「投げること」

をなると、どうしてもスパイラルの話に

なります。


最終的には

「ボールをしっかり握らずにどうやって

スパイラルをかけるか?」

という話になります😁


 

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「ボールをしっかり握れない状況で投げる」

と言ってすぐ思い浮かぶのは

「雨の日」

ですね。


とにかくボールが滑る。足元も滑る。

パスプレーのコール自体減りますし、

投げるにしてもショートパス中心になります。


ショートパスとは言え、投げようとすると

テイクバックでボールがスっぽ抜けたり、

前に投げ出そうとしてグリップがずれること

もあります。


手にあるボールが安定していないので

スパイラルをかけるどころではありません。


「雨の日はスパイラルなんてどうでもいい」

というQBもいますね。気持ちはわかります。


ただ考え方を変えると、

雨の日でもボールがスっぽ抜けないように、

ずれないように出来れば、

ある程度のスパイラルをかけて投げることが

出来るということでもあります。


「スパイラル」

フットボールを投げるうえで考えないわけにはいかないことです😁


やはり今回のブログは

「ボールをしっかり握らずにどうやって

スパイラルをかけるか?」

になってしまいますね!



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楕円形のフットボールが一番効率よく飛んで

いくように投げる場合、


「先端がターゲットを向いていること」

「スパイラルがかかっていること」


が大切です。


先端をターゲットに向ける(向け続ける)

ことでボールの軸を安定させ、


スパイラルをかけることで空中姿勢が安定し、


同時に、スパイラルによって発生する揚力を

受けてボールが遠くまで安定して飛ぶように

なります。


手に持っているときも空中にある時も

「ボールの軸が安定していること」

が大切です。


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雨の日のように、ボールをしっかり握れない

状況では投げ出す以前に

「手でボールの軸を安定させること」

がむずかしくなります。


濡れているボールをしっかり持とうとすると

それだけでスっぽ抜ける・グリップがずれる

こともありますよね。


ボールが濡れていなくても、

「手が小さい」

などの理由でボールを上手く握れないことも

あります。


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しっかり握るとボールの軸を安定させやすい

のはそのとおりです。


ただ、残念ながらしっかり握っているだけでは

フットボールを上手く投げることはできません。


フットボールを上手く投げるには、

上で書いた2つ


「先端がターゲットを向いていること」

「スパイラルがかかっていること」


が必要です。


ボールをしっかり握っていても、ボールの

先端が投げたい方向を向いていなければ

フットボールは上手く飛んでいきません。


逆に言えば、

ボールをしっかり握れていなくても

ボールの先端が安定的に投げたい方向を向いて

いればフットボールは上手く飛んでいきます。


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「ボールをしっかり握れなくても

手の上でボールを安定させて投げる」

がよくわかる動画があります。

まずは見てください。


「My 4 year old Quarterback」 


とにかく、かわいいですね!


コーンをおいてドロップバック、

横に逃げ、更に下がり、踏み出して投げる!

4歳にしてきっちりと

「クォーターバックトレーニング」

してますね!


僕が前回のブログで書いた

「前に大きく踏み出して投げる」

もしっかり出来ています!


4歳児用のヘルメットがあるのもなんとも

アメリカですね!


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Peewee(幼児)用の小さなボールを使って

いますね。


手元がはっきり映っていないのでなんとも

言いにくいですが、見た感じ、

小さいボールとは言えこの4歳児QBには

ボールは握れていないように思います。


それでもしっかりボールを投げてますね!

スパイラルもかかってます!



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この4歳児QB、ボールを手の上に乗せるように

していますね。


手の上に乗せた状態を保ちながらボールを前に押し出して投げています。

なかなか鋭いスパイラルもかかっています。


テイクバックしてそこでいったん止まり、

ボールが手の上で安定するのを待っている

ような感じが印象的です。


「ここであわてたらボールの先端がターゲット

を向かないからスパイラルがかけられない!」

がすでにわかっているようです。


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この4歳児QBがやっているように、

「ボールを手に乗せて安定させる」

は参考にできる動きです。


実際に僕もやってみました。


下の写真のようにボールを手のひらに乗せて、

親指も手前側を向いていて指先では握れて

いません。



このように手の上にボールを乗せた状態でも、
急激な動きを取らなければある程度
「手の中で安定させた状態」
を保ったまま前に後ろに動かすことは
できます。

ただ、ちょっとした運動の変化でボールは
揺れ始めボールの先端がターゲットを向かなく
なります。

動き出しはゆっくりと、
いったん動き出したら徐々に加速度を上げて
いく感じにするとボールの安定を保ちやすい
です。

実はこの
「ゆっくり動き始める」
はスローイングにとっては理想的な動き方
です。

スローイングで大切なのは、
手に持ったボールが
「リリースで最速になるように」
動かすことです。

しっかり握っている時は一気に力をかけることが出来るので、
テイクバックから前に動き出すときが最速で
リリースの時点ではもう速度が落ちている
ことがよくあります。
これではパワーロスですね。

ボールを手の上に乗せているだけだと
とにかく不安定ですので
「急のつく動きはしないこと」
ですね。

雨の日や雪道の車の運転と同じです!

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この動き、家の中でもできますのでちょっと
やってみてください。

ボールを手の上に乗せて、
90−90ポジションで構える。

そこからボールをターゲットに向かって投げる
ようなイメージで動いてみてください。

実はこれをやることで
「普段の投げ方のクセ」
がでます。

腕だけで投げようとする
体の前後運動で投げようとする
体軸回転で投げようとする

腕だけでボールを前に運ぶのは一番簡単そう
に感じますが、
手のひらの角度が前に傾くのでボールの先端が
下を向きターゲットからズレていきます。

体を前後に動かしても手のひらの角度が安定
しないので、このやり方もボールの先端が
下を向きターゲットからズレていきます。

ボールを投げるのに慣れていない人は
この動きになることが多いですね。

一番安定しているのは
「体軸回転で動かす」
ですね。腕や手は固定されていますので
ボールの先端がターゲットを向いた安定した
状態を保ちやすいです。

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以前
「腕の振りはイリュージョン」
というブログを書きました。

スローイング動作の中で手先の安定感を
保ちやすいのは
「体軸回転の動き」
ですね!

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「腕の動き」
は一見静かな動きのように感じますが、
手先の安定感は低くなります。

ボールをしっかり握れている時に

腕だけで動かす
体の前後運動で動かす

ことでボールを投げれるのは
「無理できる許容範囲が拡がるから」
と考えてもいいかもしれません。

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ボールを手に乗せた状態で安定させたまま
体軸回転で前に運ぶ感覚がわかったところで、

ここからが
「スパイラルのかけ方」
です😁

スパイラルは、
安定したボールの軸に対して垂直の力をかけて
あげればいいのですが、

しっかり握れていない状態では
「上から下にひっかくように」
といったスパイラルのかけ方はなかなか難しいです。

ボールを手の上に乗せているので、
「ボールの下側をこする感じ」
が一番効率的ですね。


ボールを手の上に乗せた状態から


徐々に徐々にボールの下側をこするようにしてスパイラルをかけます。




指全体で転がして、指先からリリース
と言った感じです。

これらの写真はちょっと極端な横への動きで
スパイラルをかけている感じですが、
この動きのイメージを持ちながらボールを
ターゲットに押し出すといい感じで
スパイラルがかかると思います。

ちなみに僕の投げ方では、
リリースの時は指先ではなく
「指の先端の横側」
でボールをこすっている感じがあります。


この写真は普通に握っている時の写真ですが、
しっかり握れないときも似たような感覚です。

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NFLのQB Matt Ryanはこれに似たような

リリースをしますね。

リリース時の指先の動きが柔らかく、急激に

ひっかくようにしてスパイラルをかけている

感じがありません。


彼の手指は非常に優しい動きで、

「指を滑らせるようにして」

ボールにスパイラルをかけています。


Matt Ryan 以外にもこんな感じの投げ方をしているNFLのQBはけっこういます。


以前紹介したDrew Breesの指先も繊細です。

以前にも紹介したスローの動画を添付します。


30秒くらいの動画ですが、

リリース時の手・指を優しく柔らかく使う

動きはとても参考になります。


「Drew Brees Slow Motion」 


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Matt RyanやDrew Breesの投げ方を考えると、

実は上で紹介した

「ボールをしっかり握らないで投げる」

の延長線上に

「ボールをしっかり握って投げる」

があるように思えてきます。


「しっかり握れなくても投げれるQB」

はしっかり握っても投げることができますし、

しっかり握ればより強いボールを投げること

ができますので状況対応能力が高くなります。


逆にしっかり握らないと投げれないQBは

状況対応能力が落ちますので、

雨の日などでは戦術的に制限が付きますね。


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NFLで活躍しているQBは、

おそらく動画で紹介した4歳時QBのように

まだボールをしっかり握れない子供の頃から

ボールを投げていたと思います。


「握らなくてもボールを投げる方法」

を遊びながら身につけ、

体が大きくなるに連れて

「ボールをしっかり握って投げる方法」

を身につけるという自然な流れがあったと

思います。


日本では、

一部の地域では小学生からフットボールに

親しむ環境はありますが、大半は

「大学デビュー」

で、体が大きくなってからボールの投げ方を

覚えます。自然と、

「ボールをしっかり握って投げる方法から」

覚えることになってしまいます。


練習メニューの一つとして

「ボールを握らずに投げる方法」

を組み込んで試してみたらいいと思います。


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握っていないボールは不安定なので

「大事に投げる動き」

が身につきます。


手の上に乗せた状態で急激に動きだしては

ボールが手から落ちてしまいますので、


まずはゆっくり動き出し、

「リリースで最速」

になるように丁寧に投げるクセが付きます。


大事に投げる動きは

体に無理をかけない動きに繋がります。


練習の一つの方法として、

「ボールを握らずに投げる」

はやって見る価値はあると思います。


今回はこの辺で。

ありがとうございました。


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次回は

「半身の姿勢から投げること」

について書いてみたいと思います。


ドロップバックから投げるQBにとって

半身の姿勢は

「基本姿勢」

ですが、

スローイング動作の妨げになることがある

のも事実です。


その辺について書いてみたいと思います。