前回のブログ、
のなかで、ボールを持った手を高い位置から振り下ろす
練習方法を紹介しました。
「前に長い腕の円軌道」
がわかりやすい動画がありましたので紹介します。
映像もナレーションも、
ちょっと「Funky and Junky」な動画ですが、
1分5秒くらいのところから
「Think Circular」
とタイトルが出ます。
意訳すると
「円軌道をイメージして!」
って感じです。
「How to throw a football perfectly」
ちょっと極端な例ですが、スローイングの
「フェイズ5. フォワードモーション2.」と
「フェイズ6. フォロースルー」
で僕が伝えたい動きがよく出ていますね。
----------
前回のブログを書いている最中も、立ち上がって
実際にスローイングの素振りをしてみたり、
実際にボールを投げてみたりしながから
気づいたことがあります。
手を高い位置にもってくるとき、腕を高くあげると、
「肩甲骨もかなり上がるんだなぁ」
と。
ボールを投げる際、どうしても
「手と腕」
にフォーカスが行きがちですが、
「肩甲骨」
の動きがスローイングの中で担う役割は大きいように
感じています。
-----
アメリカンフットボールのスローイングに限らず、
「ボールを投げる動作」
のときに必ず紹介しているのが、
肩の
「内旋→外旋→内旋」
ですが、
肩甲骨の動きにフォーカスしてみると、僕の中で
「内旋→外旋→内旋」
の「外旋」の部分を細分化し、
「第1外旋→第2外旋」
としたほうが説明しやすいのかなと感じています。
ついでに最初の内旋、最後の内旋も
「第1内旋・第2内旋」
と名づけ、
「第1内旋→第1外旋→第2外旋→第2内旋」
の呼び方がいいかなと。
今回はそのなかの、
「第1外旋・第2外旋」
について書いてみたいと思います。
やっと前置きが終わりました(汗)
----------
「アメフトのスローイング総集編 『これ見りゃ、まるわかり!』」
の投球動作6フェイズのうち、
「隠れ90-90ポジション」に続く、
「90-90ポジション」・「フォワードモーション1.」
のフェイズは両方とも
「肩の外旋」
のフェイズです。
「外旋」とは
「腕を伸ばした『前に習え』の姿勢から、
親指が外を向くように腕をひねる動き」
のことです。
「小さく前に習え」のときは、
前腕と手が外に動きますね。
----------
以前書いたブログ
の中で、
「90-90ポジションは『肩の外旋』の途中にあるので
出来る限り止らないほうがいいと思う。」
と書きました。
「隠れ90-90ポジション」のあとの
「90-90ポジション」→「フォワードモーション1.」
の一連の動きは
「肩の外旋」
に当たるフェイズなので、
「外旋の途中で止めることなく継続して動く」
ほうが動きとしてスムーズだと思うからです。
この考え方は今も持っています。
---------
ただですねぇ...........
「隠れ90-90ポジション」からの
「90-90ポジション」
「フォワードモーション1.」
はともに同じ
「外旋フェイズ」で「止めない方がいい」
と言いつつも
なんか違和感があるんですよ。
「90-90ポジション」と
「フォワードモーション1.」はなにか
「質の違う外旋だな」
と感じるんです。
この「質の違い」、
どこから来るんでしょう?
---------
「肩関節の旋回」
を考える上で主に着目するのが
「上腕骨と肩甲骨」
です。
僕の好きな「ゼロポジション」の考え方でも、
「上腕軸と肩甲軸の一致が140度くらいで起こる」
なんて言いますね。
「肩の内旋・外旋」
も上腕骨を肩甲骨の相互作用で起こるのですが、
上記した外旋フェイズ
「90-90ポジション」と「フォワードモーション1.」は
それぞれ、
「上腕骨と肩甲骨の役割配分」
が違っているような気がします。
-----
隠れ90-90ポジションのとき
体の前にあるボールを持った手と前腕が、
「上腕の上側に上がる」ことで
「90-90ポジション」を作ります。
このときの「肩の外旋」は主に
「上腕骨の旋回」
によって起こせます。
-----
ここから続く「フォワードモーション1.」の
「肩の外旋」の動きの中で、
「ゼロポジションに向かって肘が挙上していく」
わけですが、このときの「肘の挙上」の役割を主に担っているのは
「肩甲骨の動き」
ではないかと思います。
肩甲骨が挙上したり、後傾したりしながら
「フォワードモーション1.の肩の外旋」
を作り出しているような気がします。
J.I.的感覚で言うと
「肩甲骨をあおっている」
感じです。
-----
J.I.的感覚の
「肩甲骨をあおっている」
感じはちょっと伝わりにくいかなと思いますので別の表現を探してみると、
たぶん、一番近いのは
「脇を見せる!」
です..............
ここから先の動きもあるのですが(笑)
腕をグッと上げて、自分の脇を覗き込んでみてください。
※覗き込むこと自体は大切ではありません(笑)
このとき、腕がグッと上がるのと同様、肩甲骨もグッと上がっている
と思います。広背筋もちょっと横から見えてくる感じがあるはずです。
実はこの時点で、
「肘が上がりながら前に出てくる感じ」もあると思います。
このポーズから、上腕をさらにひねって肘を上に上げていく動作が
僕が言う
「肩甲骨をあおる」
と言う感覚に似ていると思います。
「上腕をさらにひねって肘を上に上げていく動作」
はおそらく、直接的には上腕をひねっている動きではなくて
「肩甲骨を持ち上げたり後傾させたりする
ことで、
上腕がひねられているような動きに見える」
と言うことなのかなと感じてます。だから
「肩甲骨をあおる」
感じがあるのかなと。
-----
二つのフェイズの
同じ「肩の外旋」の動きでも
「主に上腕骨による外旋」
「主に肩甲骨による外旋」
という「質の違う外旋」
ですので、ひとまとめにするより
「90-90ポジション」の時の
最初の「主に上腕骨による外旋」を
「第1外旋」
「フォワードモーション1.」
二番目の「主に肩甲骨による外旋」を
「第2外旋」
として説明したほうがわかりやすいように
思います。
---------
前回のブログで
スローイングの終盤の
「フェイズ5.フォワードモーション2.」と
「フェイズ6.フォロースルー」
だけにフォーカスした練習方法を紹介しましたので、
今回は
「フェイズ4.フォワードモーション1.」
も加えて練習してみると面白いと思います。
こんな感じの練習方法です。
右投げの場合です。
左投げは左右逆で考えてください。
-----
1.90-90ポジションを作る。
2.「脇を見せる!」意識で、肩甲骨をあおり、
肘をゼロポジションに向けてあげていく。
肩甲骨をあおろうとすると、自然と左腕・左肩が引け、
体軸が左回転を始めるはず。
3.肘がゼロポジションに達するつれて、遠心力を利用して
肘を伸ばす。
「肘を伸ばす」というより、「肘が自然に伸びる」感覚です。
4.体の前のほうで、伸びた腕でボールをリリースするイメージを持つ。
5.ボールをリリースした手が自然な円軌道をたどって
左腰の横あたりに抜けていく。
-----
「スローイングの終わりからフェイズを逆向きに追いかけていくのも
面白いな」
と感じてます。
「Step by Step」
で、とりあえずは動作の最初から順を追って練習して、
「スローイングの全体図」
をつかんだ後で、
「終わりから考えてみる方法」や
「苦手なフェイズだけ取り出して練習する方法」
で精度を上げていければいいと思います。
とくにスローイングで一番重要な「リリース」は
動作の終盤に出てくるので、
「まずリリースの形をつくり、そこから逆に戻っていく方法」
いいと思います。
「Step by Step」
の練習ばかりやっていると疲れてしまって、
肝心な「リリース」にたどり着く前に嫌になってしまいそうなので(笑)、
たまには
「逆周りで」
もいいと思います。
---------
僕個人的には、今回の
「肩甲骨のあおり」
はゼロポジションと同じくらい衝撃的でした。
この「肩甲骨のあおり」
が出来ると、肘がゼロポジションに向かって上がっていくのが
すごく楽に感じます。力強さも感じます。
「腕の円軌道」
がよりスムーズに描けるような気がしてます。
-----
僕がいう
「肩甲骨のあおり」に近いイメージの動画があります。
野球の「アーム投げ」を改善するための動画です。
今回の練習方法で追加した
「90-90ポジション」
のもう一歩手前の
「隠れ90-90ポジション」くらいからの動きにも
かかわるのですが、
「ボールを持った手の動き」
「肘の動き」
「肩甲骨のあおり」
などに似た感覚を紹介していると思います。
「ジョーさんのスローイング理論をイメージさせやすい動画あるよ!」
とご紹介いただきました。Mさん、ありがとうございます!!!
実はぼくは子供のころ、野球をやっていたのですが、
ひどい「アーム投げ」に悩まされ、右肘を壊してしまった経験があります。
そのときは野球をあきらめきれず、左投げに転向して続けたので、
今となっては
「左右投げ左右打ち」
の選手です。
あの時この動画見れていたら、怪我無く野球が出来ていたかもですね。
と言うことで、今回も長い文章になりましたが、この辺で。
ありがとうございました。
---------
次回は、
「アメフト雑談! セットプレーがおもしろい!」
をお届けしようと思います。
「アメリカンフットボールはプレーがプチプチとまっておもしろくない!」
って言いますが、本当にそうでしょうか?
そのあたりを書いてみたいと思います。