海のものと、山のものと、小さいひとと。 -158ページ目

ベビーサインで知る「子どものリズム」

 子どもが言葉を話す前に、子どもとお話ができたらどんなに楽しいでしょう。そう考えて、生後6ヵ月の頃からなおくんと一緒にベビーサインを覚え始めました。きっかけは、私が出産間もない頃の旦那さんのお母さんの言葉、

「息子に似たとしたら、言葉はとても遅いけど心配しないでね。」

聞けば、旦那さんの家系はみなさん言葉を話し始めるのが遅いのだとか。よし、それならばとベビーサインに興味を持つに至ったわけなのです。


 ベビーサイン仲間に繋がりたいと近所のベビーサインクラス(月1回、全6回)に通ったのですが、始めてからの数カ月はまさに暖簾に腕押し。私も子どもも「何やってるんでしょうか?」という謎な状態で、最初の一つが出るまでにはずいぶん時間がかかりました。サインクラスの中でも私たち親子は要領が悪いのかのんびりペースで、初サイン【おっぱい】が出たのは5ヵ月後のなおくんが11ヵ月の頃でした。

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なおくんの【おっぱい】のサインは、体の前で両手を握ったり開いたりして乳搾りの様子を表します。

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 初めてサインが出た時は「おお、かわいい♪」と本当に嬉しくて、サインが出る度に「おっぱい飲みたねぇ。」なんて飲ませたりしていました。そんなことをしていたおかげで今ではおっぱい星人になってしまいましたが、それはまた別の話ということでまた後日。


 その後、サインの喃語期のような時期が続き、ようやく次にはっきりしたサイン【鳥】が出たのが1歳5ヵ月の頃。その日は突然やってきました。


 クリスマス間近の12月中旬。

 このところ風が冷たくてとっても寒く感じます。我が家のお出かではもっぱら車が中心で、ドアからドアへなおくんをだっこして駆け足で飛び込みます。その日も、お店のドアから出ると急いで子どもを抱っこして車に向かって走っていました。すると、なおくんが腕をピンと向こうに伸ばして親指と人差し指をくっつけたり離したりしています。

「えっ!もしかしてサイン?」

その手が指す方向をみると、ちっちゃな小鳥が向こうの方でツンツンと何かをくちばしで突っつきながらチョコチョコと歩いていました。

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なおくんの【鳥】のサインは、人差し指と親指を打ち合わせて鳥がくちばしをパクパクする様子を表します。

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「なおくん、ほんとだねぇ。小鳥さんだねぇ、寒そうだねぇ。なおくん、小鳥さん見つけたんだねぇ。チュンチュンて歩いてるねぇ」。

寒いからと目指す車のほうしか見ていなかった私に、なおくんは向こうに小鳥がいることを教えてくれたのです。


子どもの時間は、大人の時間よりもゆったり流れているようです。

子どもは、色々なものをちゃんと見ているのですね。


 それからしばらくの時間、風の冷たさを感じながら小鳥の様子を二人で見ていました。なおくんが、「まあ、そう急がずにね」と言っているような気がしたのです。


 実に、最初のサインから半年後のことでした。それを機にこれまで見せてきたサインが堰を切ったかのようにはっきりと出始め、今はまだ一語文ですがようやくお手てでお話が楽しくなってきたところです。

 

 子どものリズム、「まあ、そう急がずに」となおくんが【鳥】のサインで知らせてくれた大事なメッセージなのだと思うのです。