遺言書を検討されている方に読んで頂けると嬉しいです。 | JNEXT司法書士事務所のブログ 池袋新宿 相続・遺言書・認知症対策・終活

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池袋のJNEXT司法書士事務所と申します。
相続といえば日本一と言われる様、日々精進してまいります。

みなさん、こんにちは!司法書士の落合です。

 

本日は、公正証書遺言と死後事務委任契約公正証書まで無事完成した事例についてお話し致します。

 

今回の遺言者はまだ50代後半の方で最近まで普通に仕事をされていた方です。

お名前をTさんと呼ばせて頂きます。

 

Tさんは、今年の10月に体調不良を感じて病院の検査を受けたところ、すい臓がんの末期だと診断されたそうです。

診断時にはもう手の施しようがない状態とのことで、手術もできない状態だったようです。

 

生涯独身のTさんは、お兄さんがいらっしゃいますが関係はあまりよくないようで、ご自身が亡くなった後にできるだけ迷惑を掛けたくない思いもあって、終活協議会さんのプランを検索し、身元保証や死後の手続をおかませする契約をされました。

 

終活協議会の担当の方からTさんの容態が日々悪くなっているようなので、少しでも早く遺言書作成と死後事務委任契約の作成をしたいとご連絡を受けたのが11月も下旬に差し掛かっている時でした。

 

今は自宅で静養中のようですが、11月27日に入院の手続きをされるようなので、それまでに一度打合せをしておきたいとのことで、その前日にTさんのご自宅に伺いました。

Tさん自身、まだ病気の痛みなどは感じてはいない状況のようでしたが、全身に黄疸の症状が出ているのがはっきりわかり、だいぶ危険な状況であることは私にもわかりました。

 

遺言書の打合せの際には、兄とは仲が悪く、自身の財産についてはお世話になるお寺さんに寄付したいという希望もあったため、そのためには遺言書を作成する必要があるといったことや、死後の手続についてもきちんと公正証書にして残しておく必要があることを説明させて頂きました。

 

早速、公証役場と日程の調整を取り、当初はちょうど本日にあたる12月11日に公証役場に行くことで日程を決めて、Tさんもその時はまだ歩ける状態でもあったので、一緒に公証役場に行く段取りで進めていました。

 

しかし、12月8日に終活協議会の担当の方から連絡があり、お世話になるお寺さんにお話しをするためにTさんと同行しているのだけれども、Tさんの容態が予想以上に悪くなっており歩ける状態ではないので、公証人の先生に病院まで出張に来てもらえないか、Tさんから要望があったとのことでご連絡がありました。

 

その日は日曜日で公証役場も休みのため、翌日にならないとどうなるか分からないと話しはしたものの、かといって11日の出張が難しい場合、先延ばしはしたくないので、場合によっては介護タクシーを使って公証役場まで行くしかないですかねといった話しもありました。

 

翌日の朝一番に公証役場に連絡を取ったところ、公証役場の方からもできるだけ早く作成した方がいいですよねとご理解して頂いたものの、あいにく11日は出張は難しいとのことでした。

しかし、その前日の10日であれば出張できますと言って頂けたので、終活協議会の担当の方にすぐ連絡し、担当の方から病院やTさんにもご連絡を取って頂き、10日の午前中に公正証書を作成する運びとなることができました。

 

作成日当日、入院されている病院に伺い、2週間ぶりにTさんとお会いしました。

2週間前の時点でもだいぶ痩せられていましたが、その時からさらに痩せられており、車椅子でないと動けない状態でもあったので、病状が日々悪化していることは目に見えて分かります。

 

30分程度公証人の先生から遺言書や死後事務委任契約書の確認があり、Tさんからも是非お願いしますとのことでお返事を頂き、無事公正証書が完成しました。

 

作成後、Tさんの病室に戻り改めてご挨拶をさせて頂いたのですが、Tさん自身あまり自分からはお話しをされたり、ご自身の感情を現される方ではなかったのですが、最後病室のカーテンを閉める時に私に対して軽く微笑んで頂き、それがとても印象深く残っています。

 

その時に、もし自分がTさんの立場だったらどのように感じるのだろうかとか、Tさんに少しでも長く生きて欲しいと願う一方、これから病気と闘う姿を想像したりすると正直複雑な気持ちです。

 

でも、私がTさんのためにできる最低限度のことはしてあげられたのかなと思いますので、それはそれで良かったのかなと思う気持ちもあります。

 

今までもたくさんの方の遺言書作成に関わらせて頂き、それぞれの方の想いを感じながら作成しておりますが、今回のTさんの件も色々と勉強させて頂くことがありました。

 

私も遺言書セミナーなどでは、遺言書は作成できるときに書いておいた方がいいですよといった話しをさせてもらいますが、今回のケースはまさにその通りだなと改めて感じさせる事例になりました。

 

この記事を読んでいただいた方が少しでも遺言書を作成するきっかけになればと思い、またTさんのことを忘れないためにも今回の事例を書かせて頂きました。