あっという間に満開を迎えた桜。

お花見らしいお花見をせぬままになりそう。

 

偶然、見つけた街路樹の桜。

緑色の御衣黄かと思って近づいてみた。

そんな簡単に御衣黄が植えてあるはずがないか。

白い桜だった。

葉も映えて美しかった。

 

巨匠コルビュジェに師事した坂倉準三氏設計の鎌倉文華館(旧神奈川県立近代美術館 鎌倉館本館)。

コルビュジェ建築の国立西洋美術館より早く「無限発展の美術館」というコンセプトを踏襲して造られている。

 

平家池から見た旧鎌倉館本館。

自然に調和した佇まいが池に浮かんでいるかのよう。

 

周囲の環境に溶け込んだ建物の全貌を眺めることができる。

 

神奈川県指定重要文化財に指定され、神奈川県から鶴岡八幡宮に土地とともに返還され、鎌倉文華館鶴岡ミュージアムとして開館。

 

当時は正面入り口になっていた大階段。

 

中央に柱が立っているのが特徴的。

 

この大階段は現在は上ることができないが、階段上のホールからは中庭を含む全体像が視野に入る。

 

 

柱はH形鋼で側面には赤い色彩が施されている。

 

 

 

素朴な味わいの大谷石とガラスブロックの積み壁。

 

大谷石とガラスブロックのコントラストを「面」とし、ピロティの鉄骨柱を「線」として対比している。

 

四角い中庭を中心に周囲に展示室やなどさまざまな機能が取り巻くように構成されている。

 

窓の向こうの緑も中庭の景色の一部。

 

玉砂利を使った洗い出し仕上げの床。

 

中庭に立つと四角い空が開ける。

 

曲線の壁。

 

天井との接合部分。

 

観賞を終えて部屋を出ると外の光や風が感じられる空間(ピロティの上)に出る。

2階から見た中庭。

 

 

 

 

 

2階の床を池に大きく迫り出させ、池の中から鉄骨の独立柱が支える「ピロティ」。

ル・コルビジェが1920年代の住宅建築に提唱した形。

 

池に反射した光が天井に映る空間がこの建物の代表的な空間の一つ。

ゆらめく光の芸術。

 

柱のデザインが特徴的なテラス。

池の水中から柱が立てられ、その柱を両側から石で挟むことによって水面に置いた束石(つかいし)から柱があたかも立っているかのようにみせ、日本の古建築のようなデザインになっている。

 

展示品。ポスターを写して引用。

「籬菊螺鈿蒔絵硯箱」 鎌倉時代 国宝。

 

 

水滴。

 

硯。

 

筆入れ。

 

「竹林図」中山千波

 

 

 

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館。

鶴岡八幡宮から徒歩10数分のところにあるので足を延ばしてみた。

 

 

屋外展示は無料で観られる。

柳原義達氏作「犬の唄」と渡辺豊重氏作「SWING 86-01」。

 

柳原義達氏作「犬の唄」。後ろ姿。

 

電線のない場所を選んで撮ってみたが、「カゲボウシ」が作品名だったので改めてかげを取り込んだ。

井上玲子氏作「カゲボウシ」。

 

 

 

 

多田美波氏作「時空」。

 

本郷新氏作「わだつみのこえ」。

 

 

湯原和夫氏作「無題」。

 

 

 

駅前の老舗喫茶店。

 

テラス席。

 

ホットケーキ。

 

銅板で時間をかけて焼く、昔ながらのホットケーキ。

 

焼き面はカッリカリで香ばしいクッキーのよう。

中はふわっとしている。バターとシロップをたっぷりすって上質な味わい。

見た目以上に食べ応えがあってお腹がいっぱい。

パフェやプリンが入る余裕はなかった。

 

夏至光遥拝100mギャラリー脇からお茶室へ。

 

 

 

円形石舞台。

周りの大きい石は江戸城の石垣のために切り出されたもの。

 

大名屋敷の大灯籠を据えていた伽藍石。

 

放射状の石は京都市電の敷石。

 

旧奈良屋門と内山永久寺十三重塔(。鎌倉時代)。

内山永久寺は石上神社の神宮寺で平安末期に鳥羽上皇の勅願により建立された大寺であったが、廃仏毀釈により廃寺とされた。この塔は近隣の豪族の家に移存された。

 

旧奈良屋門。

箱根の名旅館「奈良屋」の別邸に至る門。

 

塀は土を固めてつくる版築という古代工法が採られている。法隆寺の塀は現存で平城京の塀も同様の工法で造られていた。

 

 

朝鮮灯籠(14世紀)。

 

 

鉄宝塔(鎌倉時代)。

木造の宝塔を模して鉄で鋳造した宝塔で、類例として国宝「西大寺鉄宝塔」と「日光鉄宝塔」の2例があるにすぎない。形状から、この塔は西大寺鉄宝塔の系統に属する工人の作と推定される。

 

明日香石水鉢。

明日香石に南北の刻印があり、発見時には二つに割れていたものを継いで茶室のつくばいとして設置。

 

竹箒を利用した塀。

 

鉄灯籠(桃山時代)。

鉄灯籠としては豊国神社の鉄灯籠と妙蓮寺の鉄灯籠と石清水八幡の鉄灯籠の3灯が知られる。

 

茶室「雨聴天」。

千利休作と伝えられる「待庵」の本歌取りとして構想された。

 

 

光学硝子の沓脱ぎ石と宝塔の笠石。

 

春分の陽光を受けて眩しく輝く。

 

 

春分の陽光が差し込むお茶室内。

日の出の時には躙口から床に差し込むつくりだ。

 

利休の目指した侘び茶の一つの完成形と目される「待庵」は2畳室床という極小空間に壁面の小窓から差し込む光の陰影の中で見事な空間が構築されている。

 

 

 

「待庵」の寸法を一分の違いもなく写した茶室「雨聴天」。

この地にあった錆果てた蜜柑小屋のトタン屋根を茶室の屋根とした。天から降る雨がトタンに響く音を聴く。

 

 

鳥居古様を残す例として古墳時代、古代、中世の石を組み立てて造られた。

踏込石には古墳石棺蓋石が使われた。

 

日の出の時には鳥居の中から陽光が射した。時がたち、太陽は鳥居の上に移った。

 

外周に沿った道を行く。

 

夏至光遥拝100mギャラリーの下。

 

 

天気に恵まれた春分光遥拝。

 

冬至光遥拝隧道と光学硝子舞台。

 

光学硝子舞台の檜の懸造り。

 

 

 

冬至の朝には暖を取る焚火の場となる。

 

 

野点席。

 

 

 

 

京都市電の敷石。

 

百済寺 石橋。

 

藤原京 石橋。

 

石造五重塔(14世紀)。

 

 

大官大寺 瓦(白鳳時代)。文武天皇建立の官寺で香久山の麓に建てられた。

この瓦は伽藍の一部を荘厳していたもの。

 

室町期の禅宗様式の形を残している明月門。

夜明け前にここから始まり、一周して戻ってきた。

 

観桜台。

檜の懸造りでつくられた展望台。夏至の日には100mギャラリーの軸線に沿って朝陽が昇るのが見られる。

 

観桜台からの眺望。

夏至の軸線上。

 

観桜台からの明月門前。

 

 

 

川原寺礎石。

天智天皇の時代に建立されたと思われる古寺で飛鳥寺、薬師寺、大官大寺とともに飛鳥の四大寺に数えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

古信楽井戸枠。

北大路魯山人が旅の途中に買い求めたもの。雨に濡れたとき緋色が映える。

 

 

道標、右こうや左よしの至(江戸時代)。高野街道と吉野街道の分岐点、現在の和歌山県橋本市にあった道標。

 

 

ストーンエイジ・カフェ。

 

 

自然の形を持つ石を選びだし、最小限の加工を施して積み上げてテーブル席とカウンター席を設えた。

 

 

石張り日時計。

 

 

 

 

参道へ至る。

 

赤沢蜂巣観音。

 

江之浦集落で信仰を集めた赤沢観音堂に祀られていた観音像。焼失後円空仏(江戸初期)を祀った。

 

尊顔に蜂が巣を作り、円空仏の半分ほどを彫刻した。人蜂合作の仏様。