先月、広島県のとある美術館で、“昭和特撮美術の重鎮”成田亨氏が手がけた円谷怪獣特撮のデザイン原画が展示されるという話題を書きましたが、盆休みの昨日、ドライブがてら家族を連れて、呉市下蒲刈町にある蘭島閣美術館に行ってきました。
広島市内から車で約1時間、下蒲刈町は島なので、途中安芸灘大橋を渡っていきます。ここの通行料が普通車で790円とかなりの高額なのですが、下蒲刈町内の店舗も心得たもので、1000円程度の買い物をすれば、復路の通行回数券がサービスに付く、という特典がありました。「少しでもこの島へのリピーターを増やしたい」との苦肉の策でしょうか?
さて、下蒲刈島に上陸したのは2度目ですが、それは娘たたいが生まれる前、しかも渡ってすぐにUターンしたので、実際に島の中に深く入っていくのは初めてでした。橋を渡って、そこからホントにこぢんまりとした石畳風の細い道をしばらく走ると、件の蘭島閣美術館が見えてきました。古い豪邸の様な黒い瓦屋根の立派な建物で、広島市内のモダンな美術館と比べたら実に個性的です。雰囲気は以前行った山口県の萩博物館を彷彿させる作りです。
中に入ると、今回の企画「特別展 青森の芸術家たち」が、1・2階併せての4つのスペースに展示されていました。生憎作品の写真撮影はNGとのことだったので、それではできるだけ自分の目に焼き付けようと、同じ所を何度も何度もまじまじと見つめました。
お目当てだった成田亨氏の「ウルトラ」原画は、一番最初に向かう1階のスペースに展示してありました。順番に「ウルトラマン」「ガラモン決定稿」「カネゴン決定稿」「ビートル2号試作」「科学特捜隊基地セット」「バルタン星人決定稿」「ジラース」「ぺスター」「ダダ」「ウルトラセブン決定稿B案」「ミクラス」「メトロン星人」と計12枚の直筆原画が並んでいました(それぞれの名称は但し書きの通り)。制作年は「Q」デザイン(「ガラモン」「カネゴン」)が1965年、「マン」デザイン(「ウルトラマン」「ビートル」「基地」「バルタン」「ジラース」「ペスター」「ダダ」)が1966年、「セブン」デザイン(「セブン」「ミクラス」「メトロン」)が1967年と、まさに放映時期と重なります。如何に当時の制作現場が“自転車操業”的に逼迫していたかがうかがえます。成田氏は「全ヒーロー・怪獣・メカニックのデザインを一人でする」という条件で、「ウルトラQ」中盤よりデザインに参加したそうです。それにしてもデザイン画の全てが実際の造形(着ぐるみ・模型)と雰囲気を異にした、あたかも芸術作品のような気品を湛えていました。サイズにしてB4程度のキャンバスに緻密に描かれたそれら原画を見つめていると、氏の筆遣いすら見えてくるようで、特に「ウルトラマン」の色彩豊かな原画を見るにつけ、「嗚呼、我が人生に多大の影響を与えてくれた円谷特撮は、この一枚の原画から始まったのか!」って思いがこみ上げて、この歳にしてその原画を目の当たりにしているという現実に、感無量になってしまいました。
また、数々の原画の中で特に興味深かったのは「ウルトラセブン決定稿B案」で、このデザインでは実際の「セブン」と赤と銀の配色が逆で、「ウルトラマン」に近いものになっていました。もしこちらの方が採用されていたならば、配色から「ウルトラ兄弟」という設定がより納得いくものになったでしょうが、今となっては、現行の赤メインの配色の「セブン」の方がしっくりきます😅
そうそう、この「ウルトラセブン決定稿B案」の説明の箇所に「ウルトラマンセブン」という、一般には間違いやすいが往年の特撮ファンなら絶対に許せない
記述があったので、館内のアンケート用紙を使って指摘と訂正依頼をしておきました。まあ学芸員からみたら“小姑”みたいに思われるかもしれませんが……![]()
美術館の売店で販売されていたグッズは実に充実していて、「だから撮影禁止なのか」と訝しく思ってしまいました が、ついいろいろと"大人買い"してしまいました(上記の写真はその時購入したポストカードです)![]()
こちらの購入クリアファイルには、今回展示された12枚の原画のうち、「科学特捜隊基地セット」「バルタン星人決定稿」「ジラース」「ダダ」「ミクラス」以外のものが掲載されていました💦
ところで今回は飽く迄成田亨氏の「ウルトラ」原画観賞が目的でしたが、他にも寺山修司氏の「1967シルクスクリーン天井桟敷定期会員募集ポスター」(横尾忠則画)、 「書を捨てよ!町へ出よう!公演ポスター」(及川正通画)や、棟方志功氏のパワフルな版画(そして氏と熊野筆との意外な縁)、そして誰もが必ず見たことのある馬場のぼる氏の一連の猫漫画イラストなど、興味深いものがいっぱいあり、つい円谷グッズのみならず、今回の作品が所蔵されている青森県立美術館の目録のような本まで購入してしまいました😁
まあ、こんなことでもないと中々美術館に足を運んだりしませんが、映像に関わる者としては動画ばかりではなく、このような美術品(静止画)にも心を馳せなければならないことを改めて実感させられました。
あなたが健康を願う人はだれ?
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