SNSに投稿する前に! | 一般社団法人 日本医療・美容研究協会 (JMB)

 【SNSや動画サイトでの権利のおそれ】

 SNSにはメッセージを手軽に書き込むことができ、自分で撮影した写真や動画を簡単に投稿することができます。一方で、他人の文章なども簡単にコピーできてしまいます。また、動画配信の収益化のしくみの普及などから、自分の投稿が他人の権利を侵害してしまうかもしれないということに配慮しない投稿もみられるようになっています。  

 

 【著作権・肖像権とは】

 著作権は、著作物について生じます。例えば他人の作った音楽・新聞・雑誌の記事・写真・小説・絵画などを著作権者に無断で投稿すれば、著作権の1つである複製権や公衆送信権などの著作権侵害になる可能性があります。著作権法で認められている権利者の許諾なしに著作物を利用できる場合や、引用といえる場合には許諾なしで利用できることがあります。  

 肖像権は無断で撮影されたり・撮影された写真・動画などを勝手に公表・利用されたりしない権利として認められています。例えば自分が撮影したものであっても、無関係な人がその写真を人物・撮影した時間・場所を特定できるようなかたちで勝手に投稿していれば、 肖像権侵害となる可能性があります。肖像権に似ているものとして著名人の肖像や氏名などの情報が経済的価値を持つ場合には、許諾なしに商業的利用をされない権利としてパブリシティ権があります。  

 

 【プライバシー権が侵害されたと言えるには】

 プライバシー権は、私生活をみだりに公表されない権利として一般には理解されています。プライバシーが侵害されたといえるためには・・・

①私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある事柄であること。

②公開を望ま ないであろう事柄であること。

③一般の人々にいまだ知られていない事柄であること。 

④公開によってその人が実際に不快・不安の念を覚 えたことが必要だとされています。  

 写真や動画であれば、プライバシー権と肖像権が重なり合う部分は多いと思われます。例えば友人の家に遊びに行った際、撮影した友人と友人宅の室内の様子がはっきり分かる写真を友人に無断で投稿してしまったようなときには、プライバシー権と肖像権の両方の侵害になり得ることがあるといえます。  

 

 【安心してSNSを利用するために】

 事前に権利者の許諾を得ていれば、権利侵害にはなりません。無関係な人が写り込んでいる写真や動画はその人が特定できないようなぼかしやマスキングをしたりトリミングで取り除くなどして、他人の権利への配慮をしたうえでSNSを利用しましょう。

 (国民生活センター抜粋)