リフォーム工事などの契約に係る紛争! | 一般社団法人 日本医療・美容研究協会 (JMB)

 都内の消費生活センターには、高齢者が自宅において次々に住宅関連リフォーム工事などの勧誘を受けて契約を締結したことに伴う、トラブルの相談が多く寄せられていますビックリマーク

 

 【付託案件の概要】

 <申立人>

 80歳代 無職 一人暮らし

 <契約内容>

 1.トイレリフォーム 2.水回り設備工事 3.電気工事 4.住宅メンテナンス(1~3の契約金額合計約360万円、4の月々約6.000円)

 <申立人の主張による紛争の概要>

 突然訪問してきた事業者に「何かお困りごとはないですか」と言われた。トイレの配水管が逆勾配であることが気になっていると打ち明けると、事業者はトイレを見て私の言うとおりだと言い便器の交換工事を勧誘しその日は帰った。トイレの流れに問題はなく困ってはいなかったが、下の階に迷惑を掛けないために何らかの対応をした方がいいのではと思った。後日この件で事業者が見積書を持って突然再訪してきたので、事業者に勧められるまま工事契約を締結した。工事後トイレを見ると、壁紙や床材も換えられていて唖然とした。逆勾配が気になっていただけで、壁紙や床材まで換えるつもりは全くなかった。しかし工事は済んでいたので、何も言わずに代金を支払った。

 この後事業者から、水回り設備工事・電気工事・住宅メンテナンスサービスと次々に勧誘され、言われるままに契約書面に署名した。工事の必要性や詳細について十分な説明がなく全く分からないまま契約したので、工事内容が分かったのは工事後で施行もずさんだった。

 全ての工事が済み代金を支払ったあと経緯を知った親戚に勧められ、消費生活センターに相談したところ契約書面に不備があるのでクーリング・オフが可能だろうとアドバイスされた。全ての契約についてクーリング・オフ通知を出したが、事業者は全額返金を認めず一部返金をしてきた、納得がいかない!

 

 【消費者被害に関する注意喚起】

 突然訪問してきた事業者から「困ったことはないですか」などと聞かれても、安易に見てほしいと事業者に依頼したり家に上げたりせず慎重に対応しましょう。工事を勧められてもその場ですぐに契約せずに、家族や身近な人に相談し複数の事業者から見積もりをとって工事の必要性・内容・金額などを十分に検討しましょう。想定外の高額な請求に困ったりトラブルになった場合は、早めに消費生活センターに相談下さい。

 

 【付託理由】

 都内の消費生活センターには、いわゆる次々販売に関する相談が多く寄せられており、中でも工事・建築の訪問販売に関する相談は114件と多くなっています。これを年齢別で見ると契約当事者が高齢者である割合が非常に高く、昨年度は約9割を占めその平均契約金額も増加傾向であり被害が拡大しています。

 ※次々販売➤一事業者または複数の事業者が一人の消費者に次から次へと商品売買や役務提供の契約をさせる販売方法。

 

 【主な問題点】

 事業者は高齢者である申立人宅を突然訪問し、申立人が希望していないにもかかわらずトイレのリフォーム工事を勧誘し契約を締結した。その工事を行った日に、別の水回り設備工事を勧誘し契約を締結した。さらに水回り工事のために申立人宅を訪問した際も、電気工事及び住宅メンテナンスサービスを勧誘し契約を締結した。いずれの契約も申立人が要請したものではなく事業者から勧誘があったものであるが、工事の必要性や詳細についての説明がなく申立人はよく分からないまま高額な契約に至っている。このように高齢者を相手に工事の必要性や詳細を十分に説明することなく、次から次に住宅関連リフォーム工事などを勧誘する方法は問題があるのではないか。

 本件の一連の契約は営業所以外の場所である自宅で契約を締結したものであり、いずれも特定商取引に関する法律に規定する訪問販売に該当すると考えられる。相手方が交付した契約書面は、役務の種類・商品の名称・商標・型式・契約の解除に関する事項など、特定商取引に関する法律に規定する書面に記載すべき事項について十分に記載していないおそれがある。同法に基づき、訪問販売のクーリング・オフによる契約解除が可能ではないか。(東京くらしweb抜粋)