美容医療契約、クーリング・オフが可能になる場合も! | 一般社団法人 日本医療・美容研究協会 (JMB)

 医療脱毛・ホワイトニング・ニキビやシミの除去など、身近になりつつある美容医療ですが、トラブルも多く発生していることから特定商取引に関する法律で定める特定継続的役務提供の新たな類型に美容医療が追加されました。具体的にどのような契約が対象になりどのようなルールの適用があるのかなど、知っておくべきポイントを紹介しますビックリマーク

 

 【特定継続的役務提供とは】

 特定商取引法では長期間にわたって提供されるサービスのうち、トラブルが多いものを特定継続的役務として指定しています。これまで6つの類型(エステティック・語学教室・家庭教師・パソコン教室・結婚相手紹介サービス)が指定されていましたが、特定商取引法が改正され、美容医療が7つ目の類型として追加されました。美容医療とは美容を目的とした医療行為を指し、保険適用外の自由診療で行われることが多く高額な契約になりがちなため、契約や解約でのトラブルが多く発生していたことから追加されたものです。

 

 【美容医療契約の全てが対象になるの?】

 美容医療が特定継続的役務提供の類型に追加になりましたが、全ての美容医療契約が特定商取引法の適用対象になるわけではありません。下記に記載の方法による美容医療で、契約期間が1ヶ月を超えかつ契約金額が5万円を超える契約であることが必要です。即日施術の場合など契約期間が1ヶ月を超えない場合は、たとえ契約金額が高額でも適用対象外なので注意しましょう。

 

 *脱毛・・・光の照射又は針を通じて電気を流すことによる方法 (例)レーザー脱毛

 *にきび・しみ・そばかす・ほくろ・入れ墨その他の皮膚に付着しているものの除去又は皮膚の活性化・・・光もしくは音波の照射・薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法 (例)ケミカルピーリング

 *皮膚のしわ又はたるみの症状の軽減・・・薬剤の使用又は糸の挿入による方法 (例)ヒアルロン酸注射

 *脂肪の減少・・・光もしくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法 (例)脂肪溶解注射

 *歯牙の漂白・・・歯牙の漂白剤の塗布による方法 (例)ホワイトニングキットを用いたホワイトニング

 

 

 【特定商取引法で定めているルールとは?】

 特定商取引法では、事業者が守るべきルールとクーリング・オフなどの消費者を守るルールなどを定めています。

 <法定事項を記載した書面を交付する義務があります>

 契約をする前に概要書面を、契約時には契約書面を交付することが事業者に義務付けられています。各書面には、提供される役務の内容・料金・契約期間・契約解除・中途解約に関する事項など、法定事項を記載する必要があります。

 

 <クーリング・オフが可能になります>

 契約書面を受取った日から数えて8日間以内であれば、書面によりクーリングオフができます。

 

 <中途解約ができます>

 クーリング・オフ期間が過ぎた後でも、契約を途中で解約できます。中途解約に理由は必要ありません。中途解約をした場合に事業者が請求できる金額の上限が規定されており役務提供開始前に解約した場合は2万円、役務提供開始後に解約した場合は提供された役務の対価に相当する額と5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額の合計額となっています。

 

 <関連商品も併せてクーリング・オフや中途解約ができます>

 役務提供契約をクーリング・オフや中途解約した場合、関連商品の販売契約もクーリング・オフや中途解約ができます。但し、消費者が消耗品を使用又は消費した場合はクーリング・オフできません。

 

 <トラブルを防ぐために>

 広告に記載されている内容だけで判断するのではなく施術の効果やリスクについて情報収集し、少しでも不明な点があれば医師などに説明を求めましょう。契約を急かされてもその場で決めず、自分に本当に必要な施術かどうか慎重に検討した上で契約するようにしましょう。冷静な判断ができる第三者に同行してもらうのも1つの方法です。こんなはずではなかったと後悔することがないようにしましょう。契約金額が高額になり、長期にわたる分割払いを選択するケースが多くみられます。分割手数料も含めた支払総額を確認し、支払可能な額か慎重に検討し契約しましょう。(東京くらしweb抜粋)