エステ脱毛と医療機関脱毛を区別した認識を示す! | 一般社団法人 日本医療・美容研究協会 (JMB)

 【これからのエステ脱毛は身体的危害を与えない施術を徹底すること】

 独立行政法人国民生活センターは5月11日「なくならない脱毛施術による危害」と題して、2012~2017年までの5年間、全国の消費生活センターに寄せられたエステサロンと医療機関で受けた消費者の危害相談をまとめた事例や傾向を発表した静岡

 それによると、危害件数は2013年度以降減少傾向にあったが昨年度は前年同期に比べて増加傾向がみられた。危害事例の内訳をみると、エステサロンで受けた脱毛によるものが680件、医療機関で受けた脱毛が284件であった。また同センターが2017年3月にエステや医療機関で脱毛を受けたことのある人を対象としたインターネットアンケート調査では、回答者の1/4が過去3年間で脱毛を受けた後に、火傷・痛み・ヒリヒリ感等の身体的症状があったと回答したえんぴつ

 そこで国民生活センターは、脱毛を受けて危害が発生したという相談事例とアンケート調査の分析を

行い、消費者への情報提供と共にトラブルの未然防止・拡大防止のため、関係機関への要望及び情報提供を行ったえんぴつ

 

 【エステと医療脱毛の違いを詳しく説明、医療脱毛の説明が真実なら重大な危害に】

 エステサロン等で行われている美容脱毛は医行為に該当しない範囲での施術とし、美容ライト脱毛に

ついては「除毛・減毛を目的に幹細胞を破壊しない範囲で行われる脱毛」としている。一方、医療脱毛については「毛包全体に熱が伝わり毛乳頭等を破壊するレーザー脱毛。多数の波長の可視光線を照射し

毛乳頭等を破壊する光脱毛。毛穴に針を通して電流を流して毛乳頭等を破壊する電気脱毛」と説明しているおっきいびっくり4

 医療脱毛に関するこの説明は、医療脱毛の正しい説明のように思わせるがもしこの通りだとしたら、

医療脱毛はその全ての脱毛で重大的な身体被害を起こすことになる。特に医療脱毛におけるレーザー脱毛と光脱毛の説明では、皮膚の上から光線を照射し、毛乳頭等を破壊するとされているが、皮膚の

上から毛乳頭等を破壊するだけの強烈な光を当てたなら、皮膚が大火傷を起こすはずだ。皮膚表面に影響を与えず、毛乳頭を破壊するような魔法はあり得ない。黒色等にしか反応しない波長のレーザーを照射しても同じだ。医療のレーザー脱毛と光脱毛が永久脱毛という誤った認識があり、毛乳頭が破壊されていなければその根拠が失われるために、間違った説明をしてしまうのだろう・・・さらに医療脱毛の

説明では人体の組織を破壊する行為であるため、火傷・腫れ・赤み等の皮膚トラブルが起こる可能性があるが、その場で医師の診断を受けることができるとされているが、この説明では全ての医療脱毛が

危害を与えていることになる。また、医療機関における電気脱毛の説明では「毛穴に針を通して電流を

流して毛乳頭を破壊する」とされているが、医療電気脱毛で主に使用されている針は、L字型で毛穴からではなく、肌の上から針を刺し、毛根部分に電流を流すのでブツブツの皮膚障害が必ず起こることになっているおっきいびっくり3

 国民生活センターは、このようなことを理解しないで調査結果を分析発表しているわけであるが、我々エステ業界の者は、より専門的な立場から今回の発表を受け止める必要があるおっきいびっくり5

 

     ※危害件数の推移・脱毛を受けた場所

       2014年 エステ 143件 / 医療機関 61件

       2015年 エステ 117件 / 医療機関 53件

        2016年 エステ 109件 / 医療機関 70件

 

     ※受けた施術の内容

       レーザー脱毛  エステ 72件 / 医療機関 206件

       光脱毛      エステ 229件 / 医療機関 8件

        電気脱毛     エステ 31件 / 医療機関 0件

       ワックス脱毛   エステ 11件 / 医療機関 0件

           その他       エステ 8件 / 医療機関 0件

 

     ※危害内容別件数

       皮膚障害  エステ 344件 / 医療機関 119件

       熱傷     エステ 269件 / 医療機関 134件

 

     ※危害内容別件数

       治療1週間未満   エステ 74件 / 医療機関 24件

       1~2週間       エステ 75件 / 医療機関 39件

       3週間~1ヵ月     エステ 45件 / 医療機関 16件

       1ヵ月以上        エステ 86件 / 医療機関 43件

       医者にかからず   エステ 209件 / 医療機関 60件

 

 【危害事例の概要】

 危害事例を施術内容別に集計すると、エステは光脱毛が最も多く229件、次いでレーザー脱毛72件、

電気脱毛31件であった。医療脱毛はレーザー脱毛が大半で206件であった↓

 

 【危害内容】

 危害を内容別に集計すると、エステ・医療機関ともに皮膚障害・熱傷が多くみられた。皮膚障害の具体的な内容としては痛み・腫れ・炎症・発疹等が多くみられた↓

 

 【危害の程度】

 危害を程度別に集計すると、エステは280件、医療は122件であった。また医療機関で脱毛を受けて危害が発生し治療を受けたという相談のうち、脱毛を受けた医療機関とは別の医療機関を受診したという

相談は56件にのぼった↓

 

 【危険事例】

 まるあか全ての範囲が脱毛できるというインターネット広告を見て店舗に出向き、以前利用していた美容クリニックより安いと思って契約した。施術前には書面に書かれた注意点を読まれたが詳しい説明はなかった。初回施術後、背中・胸・腕・脇等に広範囲に発疹ができたためサロンに電話すると、毛嚢炎ではないかと言われた。すぐに皮膚科を受診したところ、毛嚢炎と診断され塗り薬を貰った。その後5ヵ月ほど、

発疹が良くなりかけてはぶり返すことが続き、脇には黒ずみができてしまった。これ以上施術を受けたくない汗(大阪20代女性)

 まるあかデリケートゾーンの光脱毛の施術時にスタッフがシェーバーで下処理をした。数日後お風呂に入った際、傷がありかさぶたになっていることに気付いた。店に申し出ると、光脱毛による火傷の場合は責任は負えないと言われた。皮膚科の医師に相談したところ、出血とかさぶた跡があるので光脱毛でなくシェーバーによる施術ミスに違いないと言われた汗(東京都女性)

 まるあか近所の皮膚科で膝下のレーザー脱毛を受けた。医師から施術内容の説明がないまま女性スタッフが施術を行った。足が火傷のようになったが、4日目には腫れが引いたので2回目の施術を受けた。施術後、同じように赤くなり蕁麻疹ができた。レーザーの跡が残りスカートが履けない状態になった汗(東京都30代女性)

 まるあかネットで見つけた美容外科クリニックで膝下のレーザー脱毛を契約。皮膚科と書かれていたため、

エステより信用できると思った。4回受けたが脱毛の効果がほとんど感じられなかったため、最後の施術時に公開がないと伝えたところレーザーの出力を上げたようで帰宅後から肌がヒリヒリし、2~3日したら

火傷のように腫れた。クリニックに連絡したところ、しばらく様子を見るようにとのことだったが色素沈着が残ってしまった汗(東京都40代女性)                            (エステティックジャーナル抜粋)