電波の強度に対する安全施設 | アマチュア無線局JM1MKRのブログ

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JARD HAMtte 内でも話題となり少しコメントしましたが、書き足りないので自局のブログで記事にします。

 

2023年3月22日以降、

ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正について① (jarl.org)

において「空中線電力が50Wを超える局」=「移動しない局」の無線局免許(局免)を申請する(変更申請も含む)際は、電波の強度の値が閾値内であることの書類提出が必要となりました。

総務省 電波利用ホームページ|その他|電波の強度に対する安全施設について (soumu.go.jp)

安全・安心な電波利用環境を確保する観点から,移動しないアマチュア局については,その無線設備(平均電力が20mW以下のものを除く。)から発射する電波の強度が,電波法施行規則別表第2号の3の3に定める値を超える場所に人が容易に出入りすることができないように施設されていることを書類等により確認することを明確化しました。

 

ポイントとしては太字部分の「明確化しました。」です。

 

実は、この規則は新たに施行されたものではなく以前から存在していましたが、実情として電波の強度の値の書類提出なしで「50Wを超える局」の局免を与えていました。(少なくても1エリアでは。)

 

今回は「明確化しました。」ですので、3月22日以降はどこのエリアで「50Wを超える局」を申請しても、書類提出が必要になる・・・と統一されただけなのです。

平たくいうと「100W局免は厳しくしました。」です。

 

一方で、「空中線電力が50W以下の局」=「移動する局」については「ライトユーザー」と定義され、

 

「ライトユーザー」は9月25日から免許申請手続きが大幅に簡素化されます。

 

この背景を推測すると、、、

 

無線従事者免許(従免)は養成課程講習会で比較的容易に取得できるようになりました。

アマチュア無線経験の無い、或いは経験の浅い方でも、やる気になればeラーニングで4アマ→3アマ→2アマと連続して一気に取得可能となりました。

(養成課程講習会を否定しているものではありません。寧ろ応援組です。)

 

この結果、アマチュア無線設備に対する知識の不足やインターフェア対策を含めた運用スキルが十分に備わっていない方まで100Wや200W局を容易に開設できてしまいました。

 

・ベランダの手摺りへ簡易的に設置したモービルホイップで100W焚いた、、、

・アパマン住まいで100W送信したら自分のPCが誤動作した、、、

 

本当にあった怖い話です。。。

 

たぶん、総通も見るに見かねたのでしょう。

下図を見ても理解できない方は「50Wを超える局」はご遠慮くださいという事だと思います。

 

つまり「明確化しました。」は、従免およびライトユーザー局免は比較的簡単に与え、ハイパワー局は厳格に(制限)すると総通が大きく軌道修正した結果です。


昔話しをしますと、かつて JARL が保証認定業務を行っていた時代、50W局を申請するには、既に開設している上級局の署名が必要でした。

あの時代まで逆戻りすることはないと思いますが、無線機がどんなに進化しても電波の危険性は全く変わりません。

 

100W局が欲しいが、どのようなアマチュア無線設備を構築すれば良いか分からない方は、まずは「ライトユーザー」から始め、経験値を積んでからステップアップすることをお勧めします。