ICB-680を使った基礎実験 | JL7KHN/ミヤギKI529のブログ

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飛んでけ しょぼ波 どこまでも~

■冬休み最終戦

ここまで来るとあっという間だった気がする冬休みも、明日一日を残すところとなりました。

幸い連休中に仕事で呼び出される事も無く、連休が異なる海外拠点のフォローをちょろっとしている程度で済んでいます。

どうか一年、”いろんな意味”で平和でありますように。

 

 

■基礎実験

さて、年末年始にかけ技術交流のある諸先輩方とご挨拶のやり取りをしていますが、その中の一つで「AMにおける倍電圧検波」についての話が出ました。

CBでも倍電圧検波に試した事はありますが、アマチュア無線の自作機の経験(と言うよりセオリー的な話)から倍電圧検波は歪みが大きいので不向きともあり、28/50MHzのAM自作機には採用していません。

しかしながら、SNの改善で倍電圧検波を用いる事でSNが改善すると言うアドバイスを受け、やってみる事にしました。

 

結果としては、SNの改善が出来ずというのが本日の結論。

 

無論、二極検波器周辺のコンデンサやAGCの定数見直しはしたものの、復調信号の歪み率が悪化してしまうのです。恐らくアドバイスしてくれたOMも当然無線機テスターでの定量値で確認している事から何かしらの相違点があると思われます。

ただ、AGCの取り方の悪さもあり、二極検波器はダイオードの安定領域で使い続けることが難しいのもありますし、SNが良好な領域で留めるのも難しくなります。

 

こうなってくるとトランジスタ検波方式でも良いのでは?と思ってしまいます。

この方式自体はかなり古く、詳細は日立製作所の日立評論にも詳しく載っています。昭和35年の技報ですから、相当ですね。

日立評論1960年7月号:トランジスタ検波回路 (hitachihyoron.com)

 

 

■気分転換”ICB-680の変調を太くする”

今のところ、SN改善のメインは「フロントエンドとミキサーでの改善。検波回路でも少々のテクニックで改善し、最終的にAF-AMP特性とSPの周波数特性で聞きやすさを確保する」と言う、セオリー通りになってます。

これがICB-770にどこまで転用出来るか?でしょうか。

 

さて、しばらくハマった割に結果を出せなかった悔しさもあるので、ちょっと違うお遊びもやってみることに。

 

やってみたのは変調特性の変更です。

元々野太い変調がかかる680ですが、コンプレッサに頼らず、更に人の声に合わせて平均変調度を高められないか?ということで、フォーリーフ製のダイナミックマイクへの換装をしてみました。

 

マイクのf特を見ると人の声のところに+10dBほどのピークがあります。倍音が抑えられているので、占有帯域幅的にも有利になるはずです。

たまたまですが、直径はノミナルとほぼ同じ。薄くなった分フェルトで抑える形で入れました。

*マイクにはんだ付けするのは要注意。半田の熱でダイアフラムを痛めてしまう事があります。

 

結果は、確かに太い。笑っちゃう感じです

 

元々入っているマイク自体は製造されてウン十年、NCB-8を作ったときもいくつか散見されてましたが、磁化してしまっていたり劣化したりしているもの、壊れてしまっているものもありました。それからの換装だけでも効果はありそうですが、変調度は高くなり、倍音成分が明らかに少なくなっています。

インピーダンスは250Ωですが、マイク自体の感度も高いので良い感じです。

 

コンデンサマイクを使っているリグはCH-580やICB-707など僅かで、その他のリグのほとんどはダイナミックマイクです。

劣化している場合は、このマイクに変えてみるのも面白いと思います。