NCB-8の仕様 | JL7KHN/ミヤギKI529のブログ

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飛んでけ しょぼ波 どこまでも~

今日で仕事は終わり。明日から本格的に技適化したリグの最終チェックと返却を開始しようと思います。

とは言っても、年賀状を書かねば。

という事で、今年も最後まで色々溜め込んでいるわけで・・・。

 

さて、今回の技適化プロジェクトの顛末は冬休みの宿題とし、とりあえず序章だけ書いておこうかと思います。

 

■NCB-8の基本仕様

①変調超ハイコンプレッション・・・多分ハンディー機初

ポーダブルと比較し、ハンディー機は飛ばすのが難しいです。アマチュア無線の様に、単純に出力を上げて解決するわけにもいかず、”変調”で勝負するしかありません。

AMの場合は平均変調度を上げて、変調信号の平均電力を上げるのがキーになります。ハンディー機はここで勝負をするしかないんですね。

ハンディー機が飛ばないのは、パワーが出ないのでは無く、変調が浅いのも理由の一つです。

 

下記は以前実験したもので今回のNCB-8と違いますが、やった事は同じです。

 

②マイク超高感度化・・・ICB-529同等

フィールドで運用していると、どうしても周辺には一般の方がいらっしゃる事が多くなります。そんな中、急にコンディションが上がると、つい大きな声で叫ばざる得なくなります。

当然浮くわけで・・・。

「無線家のマナー向上に貢献」と言いますでしょうか?周囲に迷惑がかかりにくくするために、マイク感度をかなり上げています。小声でもガッツリ変調が乗るようにしました。変調度計はカツンカツンと右側に簡単に張り付きます。

 

③変調歪み改善・・・ICB-529同等

正直、オーディオマニアでもわかるかどうか?ですが、変調系統の信号の歪み率を低減する改善をしました。

 

④AFフィルタ・・・ICB-529同等

87Rの欠点は、受信音がシャーというかキャリキャリと言うか、とにかく小口径のスピーカー特有のハイ上がりの音がします。

チャチイ感じがするのはもちろん、ノイズに紛れた信号を聞き取るには非常に疲れます。今回は大型の筐体とスピーカーを持つICB-770に近いf特となるようなフィルタを追加しました。

 

⑤パルスフィルタ・・・ICB-529同等

超小型のノイズブランカの開発が間に合わず、簡易型のフィルタ切り替えのみの搭載にしました。電源スイッチのスタンバイを活用し、ON/OFF出来る様にしてあります。

 

⑥手元照明兼用バックライト・・・ICB-678同等

ICB-678から搭載を始めたgoodな機能。夜間運用時にログがとれる手元ライトと、メータのバックライトの兼用LEDを搭載しています。真っ白な平面の広角超高輝度LEDを採用しています。

⑦逆スケルチ・・・多分ハンディー機初

スケルチのボリュームを流用しています。ゼロの位置で逆スケルチがかかるようにしてあります。これは、ポーダブル機と併用して運用していたり、合同運用時にローカル局がいきなり送信する様な、「想定外に近傍で送信されるシチュエーション」を想定しています。いわゆる安全装置みたいなものです。

ですので、ゼロの位置が逆スケルチONになってます。

ちなみに、カスタム仕様でS3くらいからの逆スケルチレベル調整式も可能になってます。

 

⑧ピークパワー改善・・・ICB-529同等

ハンディー機は、出力余裕が無く、ガッツリ変調をかけた時のピークが伸びません。それを改善しています。60%+10dB以上の押し込み変調時に対しても、かなり有利になる変更改善です。

 

⑨受信感度改善

これは、もう説明不要かと・・。

 

⑩対ウッドペッカー用AGC時定数設定・・・多分ハンディー機初

ロシア方面から飛来すると言われているウッドペッカーノイズ。これが飛んでくると合法局信号が埋もれてしまいます。その埋もれた状態からできる限り合法局信号を聞き取りやすくする改善をしています。

 

⑪バッテリーモニター補正

これは、もともと付いているバッテリーチェッカーを使える様にしました。

Sメータ部のバッテリーインジゲータで、グリーンラインを切ると電池電圧が10Vになるように、補正をしました。これで正確にバッテリー残量が確認出来ます。

 

ざっとこんな感じで、上記の仕様で既に技適取得は完了しています。

スプリアスを低減する対策や改造は全て基板上の回路で行い、追加基板やシールド板等、構造上、長期信頼性が低下する手法は一切採っておりません。

 

ちなみに、既存技術も活用しつつコストダウンにも非常にこだわりました。

部品代を含んだ技適化費用は10,000円でお釣りが来ます。しかも、そのお釣りでそれなりの食事は可能かと。

とにかく、台数があると楽にコストダウンは可能と言うのは知っていただきたいです。

無論、「自分で(技適取得を)頑張るぞって」言う方へ、ですが