年明けから「あっ!」という間に2か月が経ち、早くも3月。
エンジンをオーバーホールしようと、マシンオーナーがスペアエンジンを持って来てくれました。
倉庫で爆睡していたであろうスペアエンジン。ホコリがすごかったので丸洗い後にバラします。
代車の上でサクッとヘッドを外して、作業台へ
ヘッドはちょい後回しにして、どんどんバラして
はみ出した液状ガスケットのカス取りしながら清掃と軽くバリ取り
現状確認と必要なパーツをピックしていきましょう・・・って所で今日はおしまい。
5月の開幕戦に間に合う??
1994モデル、ZZR600(オランダ仕様)の車検ご入庫いただき、整備を行っています。
綺麗にされており、各部、メンテナンスは行き届いている感じの車両ではあるのですが、20年以上前の車両であり、燃料ホースの交換履歴も定かではなく、今回、燃料ホースの交換を実施していきます。
カワサキ純正パーツで設定されている【燃料ホースキット】を使用します。
・燃料ホースの使用年数が4年を超えている場合
・6か月以上放置した車両を動かす場合
・両端挿入部にひび割れやキズ、硬化がある場合 などなど交換が必要です。
特に・・・動かしていなかった車両は注意が必要です。 劣化したガソリンはゴムを劣化させます。
オゾンクラックが入っています。
ZZR400やZXR400などで燃料ポンプが装着されているモデルでは燃料ポンプ→キャブレターまでのホース内でガソリンが加圧されているので、微細な穴から霧状や気体で漏れる事があります。
これに何らかの火花で引火すると、車両火災になる事もあるので、そうなる前の予防整備ですね。
この燃料ホースのメンテナンス不良による車両火災はカワサキ在籍時代に何件もありましたよ。消防の検証に呼ばれ、丸焦げになった車両を何度も見ました。
古いキャブ車、特に燃料ポンプを使っているモデルは定期的な交換を行ってください!
個人売買で買った車両などで、いつ交換したかわからない場合は早めの交換お勧めです。
他店様や個人売買でご購入されたバイクでも修理・メンテナンスを承っています。
東大阪や近郊で古いカワサキのキャブ車で修理お困りの方は、お気軽にご相談ください!
10月の「鈴鹿ファンラン最終戦」にて、予選前にエンジントラブルでリタイヤになった【Ninja250(EX250L)】
修理で入庫したので、本格的に作業していきます。
現地で手でクランクを回し点検した時、明らかに『何かが』噛み込んでいる感覚だったので、エンジンを降ろして点検開始。
ピストン上面に異物。噛み込んでる感覚があったのはこれですね。
異物は磁石にくっ付いたので・・・ポートを除いてみると、見事にIN側バルブガイドの一箇所が割れていました。この破片がインレットポート内で動き回って、最終的に燃焼室へ落ちたのでしょう。スロボのバタフライバルブにも打痕がありました。
ミッションの調子も悪かったそうなので、ミッションも点検。
サーキット走行、特にスリップを使い合うレース中では「ギヤ抜け」は他車を巻き込む大きな事故になりかねませんので、念入りにチェック。
ミッション不調の原因は他にあり、運よくギヤ自体は損傷なし。
いろいろ要因が重なってバルブガイドが破損したのでしょうし、「タラ」「レバ」ですけど・・・
ミッション不調を感じた時点でチェックしておけば、防げたエンジントラブルかもしれません。
ピストンとリング、INバルブを新品に。シリンダーとシリンダーヘッドは中古。中古ヘッドと新品バルブなので、ひと手間加えて組み上げます。
バルブクリアランスは諸説あると思いますが、ボクはオーバーラップが少なくなる方向の上限狙いで調整。
Ninja250のサービスマニュアルや補給部品ではシムは【0.05mm刻み】ですが、中間サイズのシムもあるんですよ!
KX250やZX-10Rなどは部品の設定もありますが、サイズは同じでもチタンバルブ用とシムは違うので、自分がNinja250に乗っている頃に、ちまちま集めたシムです。微妙な調整ができます。
ついでに、今更ですけど、タンクキャップをキーなしで開けれるようにして、メインスイッチも外して加工。「キーを忘れても大丈夫」な仕様に。
来シーズンのスケジュールはまだ発表になっていませんが、来シーズンは全線、完走してくださいね!!
左側がノーマルのギヤポジショニングレバーのスプリング。
右の線径が太いスプリングの方が「強いバネ」
使っているのはココ
チェンジドラムの右端にある花びら状「チェンジドラムカム」の位置を決めるポジショニングレバー
通常、チェンジペダルを操作してギヤを変える時、人間の操作でチェンジドラムカムを送れるのはこの位置までです。
この状態ではギヤが次のギヤまで入っていません。ミッションのシフトギヤのドッグが当たり、正しく噛み合ってなく、「ギヤチェンジの途中」でギヤ抜けしている状態。
こんな状態。
ミッションのシフトギヤがフリーギヤのドッグに完全に噛み合う位置(下の画像)までチェンジドラムを回すのに「ポジショニングレバーのスプリング」の力を使っています。
この状態でミッションギヤのドッグが正しく噛み合って「ギヤが入っている」状態になります。
ので・・・ギヤポジショニングレバーのスプリングをレートの高いスプリングに換えることで、ギヤ抜けの可能性を減らすことが出来るのですが、当然、チェンジレバーの操作には「力」が必要となり、場合によってはチェンジペダルのレバー比を「操作は軽くなるが、ストロークは長くなる」方向に調整する必要も出てきますよね。
どちらのスプリングが良いか、一般的には絶対に『ノーマルスプリング』だと思います。
しかし、バックステップに換えた場合や、サーキットに限定した使い方なら、強化のスプリングもありでは??
詳細は忘れましたが、Ninja ZX-6Rでもチェンジフィーリング改善でポジショニングレバーのレートがUPされていたはず
ボクが乗っていたNinja250(EX250L)は3速→4速へのギヤの送りが悪くチェンジドラムが完全に回りきらず、ギヤ抜けはしないけど、次の5速へシフトシフトアップの時に「空振り」してしまう時がありました。カムやポジショニングレバーを変えても改善しなかったので、この強いスプリングに換えて良くなりました。
ってことで、試してみましょうねチャッピーさん。ダメならノーマルに戻せば良いだけの話ですから
・・・ポジショニングレバーのスプリング、あと2つ在庫あります。
カワサキWシリーズの特徴的な部分の「ベベルギヤ」
( 正確にはわずかオフセットしているので、「ハイポイドギア」と呼ぶのでしょうが、カワサキがベベルギヤとしているので、そう呼びましょう)
整備や調整にはちゃんとした知識が必要ですね。サービスマニュアルからでは理解が困難な構造的な事や感覚的な事など、独特のシステムです。
カムシャフト側、ドライブギヤが破損しています。
エンジンオイル量の不足や、長すぎるアイドリングでの暖気・・・などで、ギヤを保持しているベアリングへのオイル供給量が不足し、ベアリングにガタが出て破損に至るケースもあります。
また、「バックラッシュの調整不良」で破損させてしまうケースも。
ギヤ自体の耐久性は十分あるので、そうそう壊れる事はありませんし、バックラッシュ調整もほとんど行う必要もないのですが、それでもやってしまい、イジリ壊しているケースが・・・
見事に破損しています。
幸いにもギヤ飛びは起こしていませんでしたので、カムタイミングはずれていませんでした。
ベベルギヤの交換を行います。
ギヤは共加工されているので、ドライブ、ドリブンのセット交換。
使用するヘッド、カムシャフトに合わせて、ギヤの歯当たりをシムの厚みを変えて調整します。
調整時は冷間での作業ですので、エンジンが温まった時に適切な歯当たりになるよう追いシムを入れます。
折角なので、バルブクリアランスも調整。
すべて組付けたら、エンジンを暖気してバックラッシュの調整を行います。
ハイポイドギヤなので、セリ音がする程度が良いらしいのですが、冷間時にセリが強いとアイドリング不良気味になるような感じなので、ややバックラッシュ広め。
油温80℃くらいの時には歯打ち音が鳴りますが、バックラッシュを詰めて唸り音が出ているとね、HONDA車っぽいので・・・広めがやっぱりカワサキっぽい(笑)
ユーチューブなどでバックラッシュ調整を行っている動画、そりゃ~~壊れまっせ!!って思うようなものもあるので、くれぐれもご注意くださいね!!