介護の誤解
医療機関の待合にいると
配偶者がいなければ
診察室に入れそうも無いような患者が
けっこう見受けられます
主として男性に多いように思われます
大病院になると
受付段階からもう駄目です
診察券と保険証を用意し
手続きをするのは
本人ではなく付き添う奥方
情けないくらいに
任せっきりです
多分
自宅に居ても
奥様におんぶにだっこ
「上げ膳据え膳」の生活です
一緒に買い物に出かけても
ついて回っているだけ
主体性は微塵もありません
こういった生活をしていると
認知症まっしぐらです
あれこれ考えなくてもよいからです
医療機関に
独りで行くことを想定してみましょう
まず予約日の確認です
手帳かカレンダーに書いて
「管理」することになります
前日になったら
出発時刻や必要な物
つまり診察券や保険証を確認し
着ていく服を
決めます
この「決める」という行為には
脳のエネルギーが
たくさん必要になります
脳の決定能力が落ちると
昼飯に何を食べようかと悩み
決めることができず
けっきょく何も食べられないという事態に
陥ったりするのです
そう
この「何を食べようか」も大切
ラーメンを選ぶとなると
その他の選択肢を捨てなければなりません
そして
こうした「意思決定」の連続により
脳は休みなく使われます
頼れる存在があること自体は
大切なこと
しかし頼られる側も
たまには突き放すことが必要なのです
本人に決めてもらうことです
「今晩何にしようか?」
あれこれ対話するよりも
メニューを決めてしまった方が楽
ですが
ここでひと手間加えるか否かで
今後の生活は変っていきます
くれぐれも
意思決定の機会を
奪ってしまってはなりません
ご用心