コミュニティーカフェに
いつも奇麗に着飾って来られる
素敵なご婦人がおられました。
ご主人が認知症でグループホームに入所。
「他人(ひと)と話すのは
宅急便の受け取りと宗教の勧誘だけ」
会話が楽しめるということで
来られていました。
ある日ふと
「このあいだ岩村まで行きましてね
その帰りに『明智光秀の墓』があるという
お寺を見つけたんです」
そこまでは普通の会話でしたが・・・。
「そのお寺にもう一度行きたいんですが
どこかご存じでしょうか?」
通常なら
「残念ながら・・・」でおしまい。
しかし小生何を考えたのか
「探してみましょうか」
話に乗っかりました。
周囲は少し呆れ顔。
まず可児からどうやって
岩村まで行ったのか。
グーグルマップを頼りに道を辿ります。
岩村までの往路は確認できました。
さて次はお寺がどこにあるかです。
「途中まで電車が走っていました」
明智電鉄です。
「電車はどちら側に見えましたか?」
「運転席側でした。
でも大正村あたりで見えなくなって」
終点の明智駅の近くということ。
会話がこのあたりになると
カフェにいたほとんど全員が参加。
ネットで検索すると
近くの龍護寺に明智光秀公の御霊廟。
彼女にスマホを見せると
「このお寺です。
ちょっとメモして」
スタッフからメモ用紙を受け取り
書いてあげました。
思わぬ収穫に嬉しそうなご婦人。
この間25分程。
彼女の脳は実に活発に働いていた筈。
何気ない会話から
記憶を辿る旅ができました。
ゲーム感覚でお試し頂けたら幸です。