現代の日本に合わせてアレンジ
「谷口式メソッド」

 

 

1. 重要なのは "本質" を見極める目と、時代に合わせた "進化"
 

 

こちらをお読みいただいた通り、スタニスラフスキー・システムは約100年前、マイズナーのテクニックも誕生からかなりの時間が経過しています。

一方で、芸術やエンターテイメントの世界は日進月歩。

特に、インターネットやスマートフォンの登場は、そのあり方を大きく変化させました。

その中で、必要とされる演技法も変化・成長して当然だ、というのが僕の考え方です。

 

そこで問われるのが……

これら演技法で一番大切な "核心・本質" の部分をいかにきちんと把握して、守り抜くか。

時代の流れとともに不要になった要素を見極めて、ムダを削ぎ落としてゆくか。

これが、未来を見据えた演技コーチの仕事だと思っています。

 

スタニスラフスキー・システムもメソッド演技法も、インターネットで世界中が繋がり、スマホで常に大量の情報と接している時代とはまったく違う世界に誕生しました。

また、日本とロシア、アメリカという事情も大きく違います。

その中から本質を見つけ出し、さらなる進化をさせることが、アーティストやクリエイターの使命です。

 

 

2. 実施例
 

▶︎メソッド演技法が開発された当時、内面に迫るそのリアルな方法論は圧倒的なインパクトをもって世間に迎え入れられましたが、同時に、精神面の健康を害してしまう俳優も後を経ちませんでした。

当クラスでは、レペテーションや感情の訓練で、精神を傷つけない、安全な方法でレクチャーしています。

 

▶︎プレパレーション=役の準備において、かつては「役作りに数年かけた」というようなハリウッドの名優たちの逸話が伝説のようにもてはやされた時代もありました。

これはもちろん、方法さえ間違えなければ素晴らしいアプローチなのですが、今日の演劇シーンでこうした役づくりを実施するのは、むしろ演技の障害になることが多いと考えられます。

その結果、例えばハリウッド俳優たちを見ていても、現在は短期間で役を作れる軽量化した方法が主流になっています。

プレパレーション(役の準備、役作り)を「いかにたくさんやるか」という "量" の時代は終わり、今は「いかに少なく効率的にやるか」という "質" の時代が到来しているとも言えます。

 

▶︎かつてはメソッド演技法を代表するような訓練法だったものの中に、すでに否定されている方法も少なくありません。

例えば、過去には多くの俳優養成機関や劇団が実施していた "プライベート・モーメント"(自分だけの空間、瞬間を作り出す訓練。稽古場が自分の部屋で、そこに一人でいると信じて振舞う)という訓練法は、そこで習得したい技術を引き出すものとしては有効ではない、というのが、今では一般的な考え方になりつつあります。

また、シアターゲームについても有効性の問題から当クラスではあまり実施せず、なるべく早いタイミングで実践的なセリフの訓練(シーンワーク)に入っていただきます。

 

プライベート・モーメントの訓練は有効ではないというデータは、アメリカの俳優養成所でも観測されています。

 

 

3. まとめ
 
演技法は、当然、じっくり学んでいくことが大切です。

しかし同時に、スタニスラフスキーの時代と比べてこれだけ情報量やスピードが上がってしまった現代においては、ムダを省いた最短距離の方法論でなくてはとても習熟が間に合いません。

本質を見失わず、常に進化し続ける。それが、芸術・エンターテイメントを手がけていく私たちには必要なことだと考えています。

 

 


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